心療整形外科

junk2004.exblog.jp
ブログトップ

<   2011年 04月 ( 11 )   > この月の画像一覧


2011年 04月 30日

五十肩と腱板損傷

腱板損傷、半月板損傷、椎間板ヘルニア・・・これらは考え方はみな同じです。

これらの変化は中高齢者になると、健常人でもよくみられるものです。

無症状膝のMRIにおける異常所見の発生頻度

無症候性肩における腱板完全断裂の頻度ー肩関節造影による検討ー

起こり方もどれも2通りのことが考えられます。

①微小損傷の積み重ね(いつのまにか、年齢的変化)・・・この場合は痛みがあるとはかぎりません。

②大きな外力(転倒、打撲など)・・・・・・・・・・・・この場合は当然、痛みがあります。強い衝撃が加わったのですから。

_________________________

①でも②でも治療に対する考え方は同じです。

痛みの治療と構造の治療は別問題です。

両方が完全に治療できればそれにこしたことはありませんが、まず優先されるのは痛みの治療です。

構造は治す必要がないのです。だって、治してもまたすぐに元のようになってしまうでしょう。一生、治しながら生きていくわけにもいかない。構造が傷まないようにするには、なにもしないことです。野球やサッカーなんてやちゃぁだめです。ベンチプレスなんてもってのほかです(笑)。

また、構造を治す手術が原因で、慢性痛になることもあるのです。

激しい痛みは筋肉の攣りです。(筋性疼痛)

「NHKの名医にQ」を見ましたが、あれじゃあ、医療費がかかるは、よくならないは、でタイヘンです。

9か月で治った?この分野のお医者さんは全くたよりになりませんね。

ヤノマミのほうがきっと上手かもしれませんよ。

ヤノマミは痛くなったらどうするのでしょうか?そもそも、痛くならないのかもしれない。痛くなったら、きっと森の精霊と会話して治すのかもしれない。9か月もかからないだろう。

私たち、現代人は腱板だの、軟骨だの、椎間板だの、半月板だの神経だの知識をもちすぎました。

そのわりには筋肉に対してはほとんど無視している。

それがトンチンカンな説明の原因です。

長くいきていれば、腱板も半月板も椎間板も軟骨もそれなりに傷みます(老化)。

それが痛みの原因になることはありません。

[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-30 21:23 | Comments(2)
2011年 04月 27日

第7回MPS研究会

b0052170_738552.jpg


第7回筋筋膜性疼痛(MPS)研究会

日時 : 平成23年5月28日(土曜)午後6時45分より
会場 : 「すみだ産業会館」 会議室4 (東京都墨田区江東橋3-9-10)
03-3635-4351
     JR総武線、錦糸町駅南口前(徒歩1分)
     http://www.sumidasangyokaikan.jp/

「筋性疼痛の理解に向けてー筋痛モデル研究から見えたことー」

     
        中部大学教授
        名古屋大学名誉教授  水村和枝 先生


b0052170_749627.jpg


日本整形外科学会の教育研修会に登録してあります。専門医の単位になります。参加歓迎します。

若いドクターたちに・・

慢性痛のほとんどはChronic Myofascial Pain (CMP)です。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の坐骨神経痛、変形性関節症、肩関節周囲炎、上腕骨外上顆炎、胸郭出口症候群、神経根症、すべり症、椎間板症、半月板障害、たな障害、腱板損傷、額関節症などといわれているものの痛みの本態は筋性疼痛です。

早期に治療することが慢性痛になるのを防ぎます。

非常に多く存在する慢性痛は「医原病」の可能性もあります。早期に的確に診断しないで、かえって慢性化を助長するような医療が行われていないでしょうか。



[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-27 07:45 | MPS | Comments(2)
2011年 04月 26日

「慢性痛」ブームが訪れるかも

医療界のブームの火付け役は製薬会社。

新薬の発売とともに、フォーラム、研究会、勉強会などが各地で協賛される。その分野の専門家の講演がおこなわれる。

高脂血症・・・メバロチン

骨粗鬆症・・・D3製剤、骨粗鬆症治療製剤

うつ・・・・・SSRI、SNRI

脊柱管狭窄症・・・・プロスタグランジンE 1 製剤

これからは「慢性痛」がブームになるだろう。

リリカが発売されたが、なぜか「末梢性神経性障害」という長ったらしい適応症になっている。早い話が慢性痛の治療薬なのだが、厚労省は「慢性痛」という適応症を与えなかった。だから、この長ったらしい病名をカルテに書くことになる。

このたび、待望のトラマドールの配合剤(アセトアミノフェンとのカップリング)が発売準備中となった。まだ数カ月はかかるだろう。名前は「トラムセット」。適応症は「慢性痛」「抜歯後疼痛治療剤」

はれて適応症に「慢性痛」が書かれている。

線維筋痛症は広範囲の慢性痛なのだが、リリカやトラムセットを使う場合は「末梢性神経性障害」「慢性痛」という病名をカルテに書くことになる。

トラマドールはこれまではガン性疼痛にだけ適応症があった。海外では慢性痛の治療薬として使われていたのだが。

慢性痛に対して治療の選択肢が増えたわけだ。

医師が慢性痛に対して学習する機会が増える。

慢性痛にならないうちに治療すべきなのだ。

急性痛は組織損傷に対する電気的警報。そのときに早く痛みのスイッチをOffにすることが重要なんだ。

組織損傷の治療と痛みの治療は別問題で、両者を並行してやるべき。組織損傷は多くの場合、それほど重要ではないことが多い。

電気警報装置が鳴り止まなくなってしまうのが慢性痛なのだ。

軟骨が減っているからとか、ヘルニアがあるとか、脊柱管狭窄があるとか、すべり症だとかどうでもいいことを言っていては、痛みの治療にはならず、慢性痛を作ることになる。


[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-26 21:38 | 慢性痛 | Comments(2)
2011年 04月 24日

ヘルニア狂時代

●小学生が椎間板ヘルニアで手術の必要があると言われているので診てやってほしいと知人が紹介してくださった。

小学生が腰が長い間痛い・・・何かしらストレスがあるのだろうと想像される。たいていはそういうことのサインなんだ。お母様から話を聞くと、最近、学校が面白くないといっているとのこと。

学校生活になにか問題が生じているのだろうから、学校の先生とよく相談をして、愛情深く接してあげるようにアドバイスした。

今は元気になったとのこと。

●中学生が2カ月前、雪かきをした次の日より腰痛。検査の結果、椎間板ヘルニアとのこと。安静にしているが一向によくならない。座位がつらい。

部活(体育系)の先生が当院を受診するようにとアドバイス。

脊柱起立筋が強く張っていて、圧痛があった。TPB後、すぐに痛みは軽減した。

●関西地方、40歳代、男性。1カ月前より、腰、右下肢の激痛で歩行がままならない。椎間板ヘルニアと診断されている。

職場の上司がわたしのところを受診するようにとアドバイス。TPB後、痛みは軽減。とんぼ返りされた。上司の方を私は存じ上げていない。

●70歳代、女性、1カ月前、ちょっとしたことで脇腹が痛くなり受診。TPBで改善した。話を聞くと・・・

数年前、脊柱管狭窄症と診断されて手術をしようとなったが思いとどまったとのこと。

脊柱管狭窄症の手術をした友人をお見舞いにいった。友人はとてもよくなって喜んでいた。あなたも診てもらいなさいよ、とのアドバイスで診察をうけた。その結果、脊柱管狭窄症とのことで手術が必要といわれた。手術をしてもらおうと思った。

ある日、待合室で、知らない人に・・・

「手術をしても最初は少しいいけど、歩き始めるとまたもとのように痛くなる。ここで手術した人はみんな、そうなんだ。」

という話を聞かされた。それで手術はしないことにした。現在は特に辛い症状はない。

__________________

腰や下肢が痛い患者さんはいっぱいいるが、レントゲンやMRIで検査して、ヘルニアや脊柱管狭窄があれば、それが原因だというし、なければ、「異常なし」。

ほとんど、放置で、よくならなかったら手術。手術してもよくなるとはかぎらない。

もうそろそろ、素人さんにも見透かされているのではないか。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が痛みやしびれの原因になることはない。

構造の治療と痛みの治療は別問題なのだ。

椎間板ヘルニアは椎体の圧迫骨折と同じと考えてよい。

椎間板ヘルニアも椎体の圧迫骨折も二通りの成り方がある。

①慢性的な外力で徐々に、いつのまにか。この場合は自覚する痛み(筋痛)はあってもなくてもいいだろう。

②大きな外力が加わりいっきに生じる。

椎体が骨粗鬆症で弱ければ圧迫骨折が生じるだろう。椎体が頑丈なら、圧迫骨折が生じる代りに椎間板にダメージが加わる。髄核が飛び出るかもしれないし、飛び出ないかもしれない。

椎間板ヘルニアや圧迫骨折の治療は新鮮なものが治療の対象となる。

治療は構造の治療と痛みの治療は別問題だ。構造を治すと痛みも治るというものではない。痛みを治すと構造も治るものでもない。

痛みの治療は同時に生じている筋痛の治療なのだ。

飛び出ているものを取ったところで何の解決にもならない。

理想をいえば、飛び出たものを引っ込めてまた新しい椎間板のすることだが、それはできない。アンチ・エイジングは理想なのだが。

顔にしわがいくのと同じく椎間板も老化する。しかし、それが痛みの原因だとするのは間違っている。

重大な骨折や腱、靭帯の断裂や明らかな左右の不揃いなどを除いて多くの場合、構造の治療はほとんど意味がない。

それに反して、痛みの治療はとても重要だ。

痛みは慢性化するし、どんどん拡大することもある。不安や抑うつ状態も引き起こす。

人生に多大な影響を及ぼすものなのだ。

[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-24 09:00 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(3)
2011年 04月 21日

痛みの生理学

b0052170_2053641.jpg


b0052170_2055854.jpg

[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-21 20:06 | 痛みの生理学 | Comments(1)
2011年 04月 14日

痛みは早期に止めるべし

●1カ月前、出産のあと、尾骨が痛くて座れない。

尾骨がずれたのではないかと心配して受診。

産科医は、「しばらく様子をみましょう」とのこと。

局所麻酔を打ったら、すぐに座れるようになりました。

●30歳代、女性、1W前より、誘因なく左膝が痛く跛行。

ある整形外科で診察を受けたところ、レントゲンを撮って「老化」だといわれたとのこと(笑)。

外側広筋に圧痛があった。MPSですね。

局所麻酔を打ったら、その場で痛みは軽減しました。


いずれのケースも急性痛ですから、積極的な治療で早く改善します。

いつのまにか治るかもしれないけど、年余にわたる慢性痛になる可能性もあるのです。

局所麻酔を打つのは敷居の高い治療ではありませんので積極的にやるべきだと思います。

[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-14 19:01 | 急性痛 | Comments(4)
2011年 04月 09日

この時期に多い肩~腕のしびれ・痛み

今日の午前中の外来で同じような症状の患者さんを2人診ました。

お二人とも公務員、4月に職場転換があった。

頚~手指にかけて痛み・しびれあり。

一人はパソコンのしすぎとのこと。

一人は引っ越しの荷造りがきっかけとのこと。

いずれもきっかけとしてはうなずけますが、背景的には職場転換によるストレスがあります。

複合的な要因なんですね。

もし、違った環境ならば、パソコンでも荷造りでも発症しなかったかもしれません。

生物・心理・社会的疼痛症候群です。

もちろんTPBで症状が改善しました。

同じ症例でもレントゲン、MRI撮って、ヘルニアがあるとか、異常なしとかいってお門違いの説明をすればだんだん治らなくなってしまうものなのです。

その差はとてつもなく大きい。

[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-09 12:57 | 急性痛 | Comments(0)
2011年 04月 09日

局所麻酔の貼り薬

雑誌 調剤と情報 2011 2 Vol.17  特集医師から学ぶ慢性の痛み

海外の事例から考える慢性の痛みに対する薬物治療(東京慈恵会医科大学附属病院ペインクリニック北原雅樹)

より 
薬物としては存在しても、剤形がないものもある。代表的なのはリドカイン貼付剤である。リドカイン貼付剤は薬剤の吸収量が少ないため全身への副作用が少なく、高齢者や合併症がある患者にも使いやすいという利点があり、国際疼痛学(International Association for the Study of Pain;IASP)の「神経障害性疼痛の薬物治療ガイドライン」では第一選択薬に推奨されている。

このリドカイン貼付剤の悲劇は、もともと日本の製薬会社が開発していたにもかかわらず、先進国のなかで日本だけが使用できないという現実である。これは悲劇というより喜劇といえるかもしれない。


___________________________

リドカインは局所麻酔剤です。

トリガーポイントブロックの貼り薬といってもいいです。注射よりは効き目がないでしょうが。

b0052170_8264472.jpg



[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-09 08:22 | 痛みの生理学 | Comments(3)
2011年 04月 07日

、痛み医療に対する国家的取り組みを

http://blogs.yahoo.co.jp/pina_12_3/24330587.html









慢性痺痛 VOL.22 No.1 2003 学際的痛みセンターの設立をめぐって 

熊澤孝朗 

☆以下引用_____________________________

何故、日本で痛みへの取り組みが未成熟か?痛みは医療・医学の原点と言われていますが、先端医療を誇るわが国において、何故、痛みへの取り組みが未成熟か?について考えてみました。以下、それらの要因を箇条書きに記します。

1.「痛み」への理解の不足。

・痛みが患者のQOLの中で最重要項目であることについての認識が不足。〔医療者側も患者側も〕

・痛みの概念の最近の変革(症候としての痛みとは異なった機序で発生する病気としての痛み(慢性痛)の存在すること)についての認識が不足。〔特に医師〕

・現時点での、痛みに関する研究の重要性、緊急性に対する認識の不足、助成の不足。
〔社会,特に行政〕

・日本における痛み疾患の実態に関する統計調査と医療経済的視点での推計調査の欠如。〔行政、学界〕

・痛み医療に対する誤った認識(痛みは我慢するもの:モルヒネの使用=末期、精神科的治療への抵抗感など)。〔社会全体〕

2.医療教育の欠陥

・医学部を始めコメディカル領域における痛みに関する教育が確立されていない。

・全ての医療職に対する痛みについての再教育の必要性が認識されていない。

・「痛み」に対するコアカリキュラムが無い。

3.医療社会の縦割り性

・痛みに対する責任診療科の不在(痛みに関係のない診療科は無いが)。

・多診療科の間を結ぶ学際的な医療体制を構築しにくい医療組織形態が温存されている。

4.医療報酬制度の欠陥

・痛み医療のガイドラインが無い。

・薬物療法・手術療法など有形の治療法以外の治療に対する報酬設定に対しての抵抗感。


________________________________

つまり、カルテの開示は要求されるが、私たちは痛みを表す適切な病名もなく、慢性痛の薬もなく、治療指針もなく、保険診療をしているわけだ。

あいかわらず、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で神経が圧迫されて痛いとか、軟骨や半月板や椎間板が損傷しているから痛いなんていっているのが医療現場の現実だ。

急性痛を分かっていないのだから慢性痛もわかっていない。

[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-07 13:59 | 慢性痛 | Comments(5)
2011年 04月 06日

痛みの診断と治療

痛みは次のように定義されています。

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。


つまり「他人の体験」なんですね。

他人の体験を診断したり治療したりするということはどういうことだと思いますか。

他人の体験を診断したり治療したりするにか何をよりどころにすべきだと思いますか?痛みは見えないし測ることもできません。

それは痛みのメカニズムしかないのです。

痛みのメカニズムに沿って診断するしかありません。

痛みの治療は、痛みの電気回路に介入する薬剤なのです。

急性痛は組織損傷(あるいは損傷するかもしれないという恐れ)に対する警告です。このメカニズムはすでに分かっていて、薬剤は局所麻酔か消炎鎮痛剤です。

慢性痛は末梢性感作や中枢性感作をうけていて下行性疼痛抑制系も弱くなっているものです。もはや急性痛の方法では通用しない。

しかし、慢性痛と急性痛は混在することは普通です。

損傷の治療と痛みの治療は別問題です。

[PR]

by junk_2004jp | 2011-04-06 02:02 | 痛みの生理学 | Comments(0)