心療整形外科

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2011年 11月 29日

日本では痛みの治療は、先進国の中では最も遅れており

http://shiga-anesth.jp/pain/P15.htm

最も適切な治療をできるだけ早期から開始する要望が強まっています。

ペインセンターを設立し、痛みの研究、教育面での積極的な活動をさせる.

日本では痛みの治療は、先進国の中では最も遅れており、痛みの治療など、患者中心の医療は、厚生労働省の調べで、日本が世界で遅れている科学技術のトップ10に入っていると報告されています。


http://1.usa.gov/rrG6so

プライマリケアにおいて、腰椎のレントゲン撮影は意味がなく、わずかに得られるかもしれない精神的満足もその高い放射線量を浴びることを考慮すべきだ。


http://1.usa.gov/tZmk9p

MRIによるヘルニアの所見と予後、治療成績はほとんど関係がない。


このような論文はもはやめずらしいものではない。

画像検査の意味は悪性腫瘍、感染症、リウマチ、骨折の鑑別。

画像で得られる所見は痛みの原因ではなく、痛み・筋短縮の結果の可能性がある。



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by junk_2004jp | 2011-11-29 07:36 | Comments(0)
2011年 11月 28日

慢性痛の予防には教育が重要

筋骨格系の慢性痛を予防するには、国民の教育です。

医師の教育も重要です。

筋骨格系の痛みの殆どは筋性疼痛(MPS)です。

除外すべきものとして、痛風などの催炎物質による急性炎症、リウマチ、強直脊椎炎などの自己免疫疾患による炎症性疾患。

結核などの感染症、悪性腫瘍があります。

極めてまれですが、神経障害性疼痛(CRPSタイプ2、幻肢痛)があります。

骨折や靭帯断裂に伴う痛みもMPSと考えたらいいです。構造の損傷にMPSが合併していると考えてください。

構造の治療(骨折や靭帯断裂の治療)と痛みの治療(MPSの治療)は別問題です。

どちらかが治ると一方も治るという保障はありません。


そういうことで私たち整形外科医が毎日診ている患者さんは殆どがMPSなんです。

ただし急性と慢性の違いがあります。

それに不安障害や抑うつ状態が背景にある場合があります。

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、頸椎症、肩関節周囲炎、胸郭出口症候群、頸椎症性神経根症、緊張型頭痛、顎関節症、変形性関節症。すべり症、分離症、坐骨神経痛、テニス肘、モルトン病、手根管症候群、骨盤輪不安定症、腰椎不安定症、腱鞘炎、足底腱膜炎、むち打ち症、打撲、捻挫・・・・・

これらの痛み・しびれはすべてMPSなのです。その痛みの生じるメカニズムは同じです。


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by junk_2004jp | 2011-11-28 14:00 | 慢性痛 | Comments(0)
2011年 11月 27日

慢性痛にいたるメカニズムは?

ご多忙の折、突然差し出すメールの失礼をお許し下さい。           

不躾ですが、筋筋膜疼痛への見解として、以下の様な御意見を、ある治療師の方から伺いました。 宜しく御査収下さい。        

①「筋紡錘の過緊張が持続している慢性痛」についてですが「筋紡錘の錘内筋が過緊張を起こすという現象」は,その錘内筋を支配するγ運動神経の機能異常(中枢性か,末梢性のどちらか)ですからそれ自体で慢性痛を起こすことは考えにくいというものです。         

又、慢性痛の原因の主なものは痛みの領域に存在する神経の血液循環不全(酸欠)であり,神経異常によるもので,神経因性疼痛と呼ぶ、よって,痛みが存在する領域の神経への血流を改善することがこの慢性痛の治療目的となる。   

慢性痛(神経因性疼痛)に関わっている神経は過敏になり、この「過敏性」の現れのひとつが「トリガーポイント」という現象であり、トリガーポイントは治療対象とはならない。神経因性疼痛の原因である酸欠状態にある「神経根」を見つけ出し,そこへの血流を増大させることで症状は消失する。

以上ですが、加茂先生の御意見と少し見解に相違がある様に感じられます、加茂先生はどの様にお考えでしょうか。突然の御無礼をお許し下さい。




http://1st.geocities.jp/frtatumi/sikumi/sikumi.html

そういう風に筋肉が切れないよう、筋肉を護る仕事をする筋紡錘ですが負荷の強さ、急激さ、持続時間の長さ、他、「伸張反射」が起こったときの条件により収縮した筋肉がそのまま元の状態に戻らなくなることがあります。

筋繊維にずっと負荷がかかり続けている、と筋紡錘が感じる訳です。

収縮し続けた筋肉は、やがて「拘縮」という状態になります。

※拘縮:1回だけの刺激によって生じる筋肉の持続的な収縮。痙縮(けいしゅく)。 by大辞泉

シートベルトでいうと、ロックがかかったまま、外せなくなってしまった状態です。

拘縮してしまった筋肉は、揉む・叩く・押す・暖める・冷やす・引っ張る(ストレッチ)・電気を当てる等、通常行われる対処方法では、元の状態に戻すことが非常に難しくなります。

むち打ちの後遺症で悩んでいる方、ぎっくり腰の後の慢性腰痛で悩んでいる方、等が多いのもそういう風に一般的に行われる治療方法では、拘縮した筋肉が元に戻らない為筋肉自体の血行不良や、背骨・骨盤の歪み・関節の可動不全等を引き起こしたままそれが持続し続けるからです。



痛みはポリモーダル侵害受容器の感作ではじまります。

筋拘縮→エネルギー危機→内因性発痛物質→ポリモーダル受容器→脳→交感神経緊張(痛みの悪循環)

ワインドアップ現象、中枢性感作

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_______________

「痛み学」NOTE46. 筋肉はどのようにして縮むのか

http://mchiro.exblog.jp/16565067/

http://mchiro.exblog.jp/16569742/

http://mchiro.exblog.jp/16587005/

http://mchiro.exblog.jp/16595241/



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by junk_2004jp | 2011-11-27 23:39 | 痛みの生理学 | Comments(1)
2011年 11月 26日

プラセボこそ神の贈り物

疼痛学序説 痛みの意味を考える   Patrick Wall著 横田敏勝訳

椎間板ヘルニア溶解術のプラシーボ対称試験のため、全身麻酔下に特に害のない液を注入したところ、その後の回復率が非常に高かった。


第二次世界大戦前のことだが、かつてヨーロッパでこういう実験が行なわれた。

ある国にブアメードという名の健康な身体に恵まれた死刑囚がいた。この死刑囚はある医師から、医学の進歩のために命を捧げてほしいと持ちかけられた。「人間の全血液量は体重の10%が定説となっているが、我々は10%を上回ると考えているので、ぜひそれを証明したい」というのだ。

彼はその申し出を受け入れ、間もなく実験が開始された。目隠しをされてベッドに横たわった彼は、血液を抜き取るために足の全指先を小さく切開された。足元には容器が用意され、血液が滴り落ちる音が鳴り響く実験室の中で、1時間毎に累積出血量を聞かされた。

やがて実験開始から5時間が経ち、総出血量が体重の10%を越えたと医師が大喜びした時、この死刑囚は死亡していたという。

ところが、この実験、実は血液を抜き取っていなかったのだ。彼にはただの水滴の音を聞かせ、体内の血液が失われていると思い込ませただけだったのである。これを「プラシーボ」に対して「ノーシーボ効果」という。

人間のこころは不思議だ。治ると信じることで「プラシーボ」が現れるように、治らないと信じることで「ノーシーボ」という現象が生まれる。

現代の医療はどうなんだろう?心の問題を軽視したため、多くの「ノーシーボ効果」を生み出してないだろうか?検査、検査で疲れている患者に、どこどこが悪い、と権威を持った医者に言われると、たいていの人は悪い所がなくても、「ノーシーボ効果」という病気を生み出してしまわないだろうか?やはり人間の心とは不思議だ。


思い込むとやけどする

ニューヨークのコロンビア大学医学部のハーバート・スピーゲルが実験したことだ。彼はイマジネーションを利用する実験で、米国陸軍のある伍長を被験者にした。彼は、この伍長に催眠術をかけて催眠状態にしたうえで、その額にアイロンで触れる、と宣言した。しかし、実際には、アイロンのかわりに鉛筆の先端で、この伍長の額に触れただけだった。

その瞬間、伍長は、「熱い!」と叫んだ。そして、その額には、みるみるうちに火ぶくれができ、かさぶたができた。数日後にそのかさぶたは取れ、やけどは治った。この実験は、その後四回くり返され、いつもまったく同じ結果が得られた。

さて、五度目の実験の時には、状況はやや違っていた。この時には伍長の上官が実験に同席していて、この実験の信頼性を疑うような言葉をいろいろ発していた。被験者に迷いや疑惑を生じさせる状況のもとでおこなわれたこの時の実験では、もはや伍長にやけどの症状が現れることはなかった。

スピーゲルは、健康や病気、また、病気からの回復にはさまざまな要因が影響をおよぼし合うと考えている。生理的、心理的、そして社会的な諸要因が相互に関係をもちながら、わたしたちの内部で働いていると言っているのだ。プラシーボ効果を理解するためには、心と体、そしてその両者の関係を促進したり制限したりする第三の要因としての環境状況を考えにいれる必要がある。そして、これら三者を結びつけ活性化するものとして、著者は、言葉のもつ重要性に着目したいと思う。

「心の潜在力プラシーボ効果」 広瀬弘忠 より


MRIで神経が圧迫されているから痛いというのは生理学的根拠がありません。痛みやしびれで受診して将来マヒするかもしれないというのは、痒いといって皮膚科を受診して将来マヒするかもしれないといわれるのと同じほど馬鹿げています。

これらはノーシーボとして患者を苦しめます。

痛みの診療において、プラシーボとノーシーボはかかせないのです。

プラシーボ抜きの治療はあり得ません。

トリガーポイントブロックも局所麻酔がポリモーダル侵害受容器や運動神経や交感神経を一時的に不応するということ以外はプラシーボ的効果があります。

医師はいつもそのことを理解すべきです。

手術は最大のプラシーボでしょう。ただしそのプラシーボが効かなかったとき患者さんは経済的にも身体的にも大きな負担をかかえることになります。

一時的に回復しても再発することがあります。

また痛みの本当の理由を知ることは人生に大きなプラスになります。



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by junk_2004jp | 2011-11-26 18:09 | Comments(1)
2011年 11月 26日

強い思いこみに基づく医学


問題は神経根の圧迫によって痛みが生じるかということにつきます。

root pain、根性痛、神経根症状、根症などという言葉でいわれています。

私もそのように習い、信じていましたが、それは全く生理学的な根拠がないことが分かりました。

それどころか、矛盾が多過ぎるのです。

それは医師の個人的な強い思いこみによって語られているにすぎません。

自然科学ではないのです。

痛みの生理学を基本から勉強すべきです。それは痛みの生理学を専門に研究している学者に習うべきです。

入門編は痛みとはどのようなメカニズムで生じるのかはそれほど難しいものではありません。

強い思いこみによって診断され、手術を受けるのはたまったものではありません。

思いこみではなくどういう生理学的な根拠があるのかを説明すべきです。

神経根の炎症説とか血流障害説では説明できません。

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by junk_2004jp | 2011-11-26 12:57 | Comments(5)
2011年 11月 23日

原因が分からないと言われるのは辛いものだ

急性疼痛に対して、「いろいろ検査したが原因が分からない」と言われてその結果、慢性化した痛みに悩まされている人を何人か知っている。


この場合、「原因」とは

①痛みが生じたきっかけ

②痛み発生のメカニズム

この二つが考えられる。


①はたとえば、「旅行から帰ってから」「仕事の疲れ」「運動のし過ぎ」「重いものをもって」「転んで」などで、ときにははっきりとした誘因がない場合もある。

②は単に医師が知らないだけ。

たとえば・・・・「朝起きたら頚が痛くて動かせなかった」としよう。

A. 「寝違えですね。」といって、おまじないのような治療をして薬を出す。この場合、医師は寝違えの本態について知らなくてもよい。

B. 「検査をしましょう。」レントゲンやMRIを撮る。その結果、特に異常がなかったので、「特に異常はありません。原因は分かりません。」と告げた。

C.検査の結果ヘルニアがみつかる。「ヘルニアになっています。けん引して様子をみましょう。」

このような医師の対応が想像される。

たぶん、はやく良くなるのはAのケースだろう。

そういう意味では50肩もそうだ。

五十肩の本態はもちろんMPSなのだが、そのことを知らなくても、五十肩だと告げることは原因が分からないというよりはましだ。

人間にとって、なにかしら病名を告げられて、なにかしらの(儀式的な)治療が必要なんだろう。

たぶん、昔の人はいろんな知識がなかったから単純な儀式的治療で多くのMPSを解決していたのではないだろうか。いわゆる民間療法といわれるものだ。手かざし療法は手を患部にかざすだけでよくなるというものだ。

近い例でいえば、牽引療法がある。

あれでも結構よくなっていたのだろうが、エビデンスがないといわれ始めると人気がなくなってきたようだ。

ヘルニアの手術という大掛かりな儀式的治療が流行るわけもわかる。これもいずれ人気がなくなるだろう。



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by junk_2004jp | 2011-11-23 13:18 | 急性痛 | Comments(2)
2011年 11月 21日

慢性の痛み対策研究経費

厚生労働省のHPより

慢性の痛み対策研究経費

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkyuujigyou/hojokin-koubo20/15.html

税金が投入されるわけです。期待しましょう。

筋肉に対する研究が入ってないのが残念ですね。

脊柱管狭窄やヘルニアが痛みの原因だといっている医師もはいっていますね。

それと、慢性疼痛の関係についてどのようにレポートするのか見守りたい。

矛盾がでてくると思うのだが。

皮肉なことだが、慢性疼痛を予防するには脊椎外科医に診せないことだ。



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by junk_2004jp | 2011-11-21 13:19 | Comments(3)
2011年 11月 21日

本研究は、多くの人が苦しんでいる筋・筋膜性疼痛症候群のトリガーポイントの発生・維持機構の解明を

http://www.jst.go.jp/pr/info/info548/besshi.html

平成20年度「日本-デンマーク研究交流」採択課題一覧


筋・筋膜性疼痛のトランスレーショナルリサーチ―動物における基礎研究からヒトにおける実験的および臨床研究―

水村 和枝(名古屋大学 環境医学研究所 教授)

本研究は、多くの人が苦しんでいる筋・筋膜性疼痛症候群のトリガーポイント(痛みの原因となるポイント)の発生・維持機構の解明を目的とする。

 具体的には、筋・筋膜性疼痛のトリガーポイントの機構解明に向け、日本側は動物モデルを作成して研究を行い、デンマーク側はヒトにおける実験的研究、さらには患者を対象とした研究へと展開し、得られた知見を再度動物実験へと戻すというトランスレーショナルなアプローチを両国の相互補完的な取り組みによって進める。

 本研究交流により、現在多くの製薬会社にとって重要課題である、慢性の筋骨格系の痛みに関する治療法の進展に貢献することが期待される。

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by junk_2004jp | 2011-11-21 01:45 | MPS | Comments(2)
2011年 11月 20日

神経根が圧迫されるとその神経の支配領域に痛みやしびれが生じるというのは間違いです

NHKによると「国民的大誤解」

「神経根がヘルニアや脊柱管狭窄、椎間孔の狭小で圧迫を受けるとその神経根の支配領域に痛みやしびれが生じる。」

これは整形外科医や脊椎外科医によって言われてきたことですが、生理学的根拠はありません。

レントゲンやMRIでまことしやかに説明されていることは間違っているのです。

科学の発達した現代において、100年前の珍説がいまだに語りつがれている。

これによってどれだけ多くの人が辛い思いをしているだろうか。

TKさんが面白いことを言った。

「ヘルニアによって触覚神経が刺激をうけて、触られてもいないのに触られている感じがする。・・・という話はないですね。」

つまり、痛覚神経だけが選択的に異所性発火するという理論はおかしすぎる。

知覚神経は一本で痛覚も触覚も受け持っているのではありません。

痛覚はC線維とAδ線維。

触覚はAβ線維。

それらは交わることがなくそれぞれ独立して脳に到達しています。

脳細胞と1:1の対応をしているのです。

痛覚神経、触覚神経はそれぞれその先端にはセンサーが付いていて、痛み刺激や触刺激を電気信号に変換します。

痛覚神経と触覚神経などはケーブル状になっていて神経後根になり脊髄後角に入ります。

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痛覚神経だけが影響を受けるなんて不思議ですね。

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by junk_2004jp | 2011-11-20 19:01 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(3)
2011年 11月 20日

身体表現性障害

また原因不明の疼痛を身体表現性疼痛障害として称して診ている精神科医の友人、先輩にも伝えたいと思います(筋緊張性頭痛や、筋筋膜性腰痛は知っていても、包括概念としてのMPSは名前も知らない可能性があります)。


これは数日間の治療で下肢痛が改善された医師からのメールです。

身体表現性障害といわれているものの中にはMPSがかなりあるのではないでしょうか。

「身体表現性障害のなかの疼痛性障害」≒MPS(筋筋膜性疼痛症候群、筋痛症)

痛みはexperience(感覚的・情動的体験)と定義されています。

他人の体験を科学するのですから、それは難しい学問ですね。他人の体験をあつかう専門家は精神科医です。

整形外科医とは対極にある学問といってもいい。

ところが、痛みはケガに必ず付いてくるものですから、整形外科医が最初に診ることになってしまったのです。

目に見えるケガが見つからなかった場合は原因不明になったのでしょう。

多くは筋肉のケガなのですが整形外科医はそれについて殆ど勉強してこなかったのです。そして筋肉なら放っておいてもそのうちに治ると思っているのです。

ところが画像検査の発達につれて構造異常が痛みの原因にすりかわってしまった。これが失敗のおおもとです。

痛みはケガを知らせるサインですが構造異常を知らせるサインではありません。

ケガが治ると痛みも治ると信じられてきたのですが、そうではないことが分かってきました。ケガが治ったあとも痛みが続くことがあるのです。




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by junk_2004jp | 2011-11-20 09:26 | MPS | Comments(0)