心療整形外科

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2012年 08月 30日

脊柱管狭窄症という診断から患者さんを守ろう

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Aさん(60才代、男性)は20年ほど前より腰痛もちでしたが、時々のブロック注射でしのいできました。

最近になって、両下肢のしびれもひどくなりいわゆる”間欠性跛行”を呈するようになりました。

脊柱管狭窄症の手術で有名な病院にいきました。

「これは手術しかない」との診断で手術をしました。

一か月入院。痛み、しびれは完全にとれました。

次の一か月は休業して、プールで歩いたりして養生しました。痛みやしびれはほとんどありませんでした。

手術から3カ月目、普通の生活にもどると、また以前のように痛み、しびれがでるようになりました。

現在はまた以前のような痛み、しびれに悩まされています。手術の効果はわずか2カ月だったのです。それは神経が解放されたからなのでしょうか?

私「脊柱管狭窄があっても無症状の人がたくさんいます。」

Aさん「知っています。神経根に注射をして効けばそこが原因だと聞きました。」

私「それは間違いです。神経根は痛みの通り道だったということです。そこが原因だったということではありません。結局痛みのメカニズムを誤解しているのでしょう。」

私「腰下肢痛に対して脊柱管狭窄症と診断するのがブームになっていますが、私はその説には反対しています。」

Aさん「私の知人の中にも何人か手術をした人がいますが、よく持って半年でまた痛くなるといっています。」

私「痛みの神経の通り道が狭くなっているからといって痛みやしびれが生じるとは思えません。」

私「二本脚で立って60年間生活をするということは、いつも重いものをもっているということと同じです。このようにバーベルをもっていると、肘や手が痛くなったりしびれたりしますね。休むと治るがまた持つと痛むなる。それと同じことだと思います。」

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私「これをみて、だれも頚からきているとは思わないでしょ。テニス肘と診断されますね。テニス肘もひどくなると、腕全体に痛みがひろがります。夜間痛がひどくて眠れないことだってあります。」


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by junk_2004jp | 2012-08-30 18:53 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2012年 08月 29日

Chronic pain is learned pain

慢性痛は学習された痛みだ。(中枢性感作)



その学習に医師が一枚かんでいないか。

「ヘルニアや脊柱管狭窄で神経が圧迫をうけて痛い」なんて非科学的な説明を受けると、"痛みの学習”はより強いものになるだろう。画像で見せられるとなおさらだ。

軟骨が減っているので痛い、半月板や椎間板が傷んでいるので痛いなども非科学的だ。

このような非科学的な診断が日本中にあふれている。

これでは慢性痛が増えるはずだ。成人の5人に1人が慢性痛をかかえているという。

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この写真の時代、地域はたぶん今の日本ほど慢性痛をかかえる人は少なかったのではないか。

医師も少ないし、レントゲンやMRIも身近にはないのだから。

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by junk_2004jp | 2012-08-29 19:46 | 慢性痛 | Comments(0)
2012年 08月 24日

ヘルニア術後

掲示板より

私は1年半ほど前に腰の激痛と右下半身の痺れでヘルニア除去手術をしました。

痺れは取れなかったものの、痛みはほぼ解消したのでほっとしていたところ、8ヶ月前からまた痛みも痺れも酷くなってきました。

その間、整骨院でのマッサージ等でしのいでいましたが、ここ4ヶ月ほどは我慢の限界を超えてきています。立っても座っても寝てても痛いような状況です。

MRIも脳内から骨盤まで撮りましたがヘルニアはキレイにとれており、映像からは原因不明との事。

まだ30代ですが、肉体的にも精神的にもまいってしまい仕事も趣味も手につきません。


ヘルニアがあればヘルニアのせい、ヘルニアがなければ原因不明(分からない)。これではだめです。

ヘルニアが痛みの原因と信じてる医師は上記の痛みは非器質性疼痛(心因性疼痛)というでしょう。

ヘルニアの有無にかかわらず、痛みの本態は筋・筋膜性疼痛です。筋肉の強いspasmが痛みの原因です。

慢性痛となれば痛覚系そのものの不具合となります。(中枢性感作、末梢性感作)

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by junk_2004jp | 2012-08-24 14:07 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2012年 08月 21日

ファイザー(株)のリリカのサイト

* 痛みのメカニズム(侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、非器質性疼痛)

*神経障害性疼痛の3疾患

        1)神経根障害
        2)帯状疱疹後神経痛
        3)糖尿病性神経障害

      自発痛、痛覚過敏、アロディニア、感覚障害

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*神経根障害・・・脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアによって神経根障害が生じる


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_____________________

あの痛みが神経障害性疼痛であるはずがない。神経障害性疼痛とはCRPSタイプⅡのことだ。そんなはずがないことは、ちょっと臨床をしたものにとってはすぐに理解できるだろう。

私は不思議でならない。それを一流の学者があの痛みを神経障害性疼痛(CRPSⅡ)だといっている。

この間違った考えを打破しないことには慢性痛の人が増えつづける。

今日は4度手術を受けたが治らないなんてメールがある。

昨日は頚2回、腰1回手術したが両足、両手のしびれが取れないという人を診た。前腕やヒラメ筋のTPBで楽になったとおっしゃった。慢性化したMPSだ。

この間違った(と私は信じているのだが)考え方を是非是正していただきたいものだ。

ファイザーの学術部の意見を聞きたい。

ここにCRPSについて書いた本があるが、CRPSⅡに神経根障害については触れられていない。そんなはずがないからだ。


このありもしない古くからの説がガンだ。多くの医師はこ​れを信じている。だから診断できない。治せない。慢性痛​が増える。

ある教授は異所性発火だといっている。そんなはずがない​。

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「混合性疼痛」なんて聞いたこともないことをいっているが、正しく理解していないからうまく説明できないのだ。


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by junk_2004jp | 2012-08-21 20:11 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2012年 08月 15日

桂歌丸さんの脊柱管狭窄症

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120809-00000033-dal-ent&1344496257

6月12日に自身3度目の腰部脊柱管狭窄症の手術を行っていた。

 歌丸は、手術した腰の状態について「完全には治ってないけど、腰の骨が曲がってるからね。まだ痛いけど(大丈)」と笑顔。「階段上ったり、ソファーが痛くてね。硬いパイプイスみたいなイスがいいんだよ」と説明した。


私は脊柱管狭窄によって痛みやしびれが生じるという説は信じません。

神経線維が圧迫を受けたところでなにもおこりません。

妊婦のお腹や像の足裏を想像してごらんなさい。

痛みの本態は筋痛症です。

健常な高齢者にも脊柱管狭窄は高率にみられるという報告があります。

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by junk_2004jp | 2012-08-15 15:21 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(1)
2012年 08月 10日

急性痛はその場で結果をだせ!

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Aさん(70歳代)は2日前、川の土手の草刈りをしました。昨日より、右下肢痛で跛行。

小殿筋や腓腹筋など遅発性筋痛です。

土手の草刈りというのがキーポイントです。斜面での作業はこのようなことを起こしやすい。

このような痛みには消炎鎮痛剤は無効という報告があります。

圧痛点に局麻を注射すると、症状は改善して跛行はなくなりました。

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Bさん(40歳代、女性)は昨日、介護の仕事中、人を抱えた時、背中に痛みを感じました。

痛みは次第につよくなり、右腕もしびれてきました。

遅発性筋痛です。

圧痛点に局所麻酔を注射すると症状は改善しました。

早期治療がキーポイントです。

レントゲンやMRIを撮って脊柱管狭窄だの椎間板が狭くなっているだのヘルニアだのいっても症状が悪化するだけで治り難くなってしまいます。

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by junk_2004jp | 2012-08-10 16:00 | 急性痛 | Comments(0)
2012年 08月 09日

精神的な痛み?

「精神的なものといわれていたが、ヘルニアの手術をしたら、すっかり治った。ヘルニアによる痛みだったのだ。」

この文章に対して

「ヘルニアの手術をしたらすっかり治ったのなら、それは精神的な痛みだったのだ。」

ということもできます。

痛みとは脳の認知と反応で「個人的体験」と定義されています。

つまり、精神が関係しない慢性痛はありえないのです。生物・心理・社会的疼痛症候群といわれています。

精神的をもう少し詳しくいうと

1)心身症レベル;「心身症とは身体疾患が確立していて、症状が環境によって変化するもの」ほとんどの痛みはこれですね。心療内科がこういう痛みをみます。

2)精神科レベル;身体ー脳の関係がない、脳内だけの妄想的な痛み。松葉つえをついたり演劇的なことが多い。病態を理解できない。詐病ではない。

1)2)を区別するのは難しいことがあります。2)は診断というより、鑑定という感じでしょうか。

1)も2)精神的とか心因性という表現を使うことがありますね。つまりどのような痛みも脳が関係しているのです。

だから私は精神的とか心因性という言葉は使いません。

不安の人、こだわりの人、完全主義の人、全か無的な考えをする人は、医師からヘルニアの画像をみせられた瞬間から、痛みとヘルニアを強く意識をしてしまうものです。

脳内にぬぐいきれないネットワークができる。




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by junk_2004jp | 2012-08-09 01:50 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2012年 08月 08日

第一人者の間で大きく見解がちがう筋筋膜性疼痛症候群・神経障害性疼痛

紺野愼一先生(福島県立医大整形外科教授)    iliholi 03  2010
なぜ「腰痛」は起こるのか

筋肉由来の腰痛もあり、ぃわゆる筋肉のねんざのようなものですが、これは骨・椎間板・椎間関節に異常がなくても発症します。長ぃ時間、前屈みになって仕事をしてきた人に多く、背中を反らす筋肉に負担がかかりすぎて筋肉が萎縮し、血行が悪くなることから生じる腰痛です。これも全体の数% にとどまりす。


水村和枝先生(中部大学生命健康科学部理学療法学科教授) 
Practice of PainManagement 2012/6
日本のデータではないが、痛み専門のクリニックを訪れた患者の85%がなんらかの筋・筋膜性疼痛症候群をもっていたと報告されている。


___________________

研究者によって数%~85%とこんなに大きくはなれている疾患はない。我々開業医は何を信じればいいのだろうか。

_____________

「神経障害性疼痛」にしてもそうだ
 IASP(国際疼痛学会)2008 定義;体性感覚系に対する損傷や疾患の直接的結果として生じている痛み


neuropathic pain 昔は神経因性疼痛といったものだ。

住谷昌彦先生(東京大学麻酔科)
Practice of PainManagement 2011/9
その頃、まさに神経障害性疼痛(当時は神経因性疼痛とよばれていました)が、脳のメカニズムで起こることが研究によって明らかになりはじめ、・・・・


一方、

海渡貴司先生、米延策雄先生(国立病院機構大阪南医療センター)
脊椎神経障害に対して、除圧術、除圧固定術


______________

痛みは見えないし測れない。言葉の定義されているものに対して、解釈の仕方が研究者、医師によって大きくことなる。

これでは患者さんへの説明も個人的な意見とならざるをえない。

私は30数年の臨床経験から、痛みは時間というファクターがとても重要だと思う。


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by junk_2004jp | 2012-08-08 13:59 | MPS | Comments(0)
2012年 08月 07日

神経障害性疼痛という新しい概念は誤解をうむ

脊椎外科医は神経根性疼痛という概念を信じ込んでいる。これを否定すると、仕事がなくなってしまいかねない。

これは神経根(脊椎からの出口の部分)がヘルニアや脊柱管狭窄、椎間孔狭小などで圧迫を受けるとその神経の支配領域に痛みやしびれが生じるというものだ。

MRIの発達で健常人でもこのような変化はよくみられることがわかると、ヘルニアのときは髄核による炎症、脊柱管のときは神経根の血行障害といっているが、これも生理学ではそのような事実は考えられない。

文章や口頭で説明されてもよくわからないので電気の流れを図に書いてもらうことだ。そうするとその矛盾に気づく。

根性痛とは

神経根で生じた痛みの電気信号は脳に向かう。このように受容器以外の部位で痛みが生じるのを異所性発火という。正常な神経線維では起きない。傷ついた神経でおきることがある。

脳は神経根からきたとは判断できず、その神経の先端からきていると誤認する。

根性痛に圧痛があってはいけない。

消炎鎮痛剤は効かない。

一方、神経障害性疼痛(neuropathic pain)はどのように判断するのかといえば、ドイツやフランスでは症状を電話で聞いて判断している。そこにはヘルニアや脊柱管狭窄といった概念はない。

線維筋痛症の人はたぶん全員が神経障害性疼痛にはいるとおもわれる。

脊椎外科医は手術をしても治らないのは神経の障害がすすんでいて元にもどらないからだという。

では元に戻らないまで放置していた責任はどうなるのか。

圧迫を受けたまま保存的に治るのはどうしてか。

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by junk_2004jp | 2012-08-07 14:03 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2012年 08月 06日

「神経障害性疼痛」という玉虫色の言葉

小川節郎先生の「神経障害性疼痛の疫学と現状という論文から。 赤字は私の意見、感想

・神経障害性疼痛(neuropathic pain;NeP)は刺激や炎症による侵害受容性疼痛とは異なり、NSAIDsに治療抵抗性の疼痛と知られている。

・国際疼痛学会では「体性感覚系に対する損傷や疾患の直接的結果として生じている疼痛」と定義されている。

以前はneuropathic painを神経因性疼痛といったものだ。神経線維が傷ついたときに他の神経線維と交通して生じることがある。幻肢痛が代表的。最近は神経障害性疼痛といっているようだ。

・本邦においては、慢性疼痛の疫学調査はいくつか報告されているが、神経障害性疼痛の疫学についての報告はなかった。

たぶん、どういう状態を神経障害性疼痛というのか、研究者の間で一致した考え方がないからであろう。

・国内ではおおむね成人の5人に1人が慢性疼痛

・神経障害性疼痛は新しい概念

・フランス2004年;慢性疼痛保有者の21.7%(全調査対象の6.9%)が神経障害性疼痛

・ドイツ2007年;慢性疼痛保有者24.9%、全調査対象の6.5%が神経障害性疼痛

・ドイツの調査は神経障害性疼痛の特徴的な症状を電話で確認することで神経障害性疼痛の有無を調査している。

つまりレントゲンやMRIは必用がなく、神経学的検査も必用がないわけだ。特徴的な症状をきいて判断する。

    1)針でさされるような痛みがある
    2)電気が走るような痛みがある
    3)焼けるようなひりひりする痛みがある
    4)しびれのつよい痛みがある
    5)衣類が擦れたり、冷風が当たったりするだけで痛みがはしる
    6)痛みの部位の感覚が低下していたり、過敏になっていたりする
    7)痛みの部位の皮膚がむくんだり、赤や赤紫に変色したりする

・ペインクリニック専門医により開発された自己記入式の神経障害性疼痛スクリーニング質問票を用いて、スコアが6点以上を神経障害性疼痛とした。

・本邦では26.4%が慢性疼痛、そのうち24.1%(全調査対象の6.4%)が神経障害性疼痛

・国民の役660万人が神経障害性疼痛

・疾患別の神経障害性疼痛の有病率 

       帯状疱疹患者の10~15%
       脊髄損傷患者の75.3%
       糖尿病患者の20%

・神経障害性疼痛は他の慢性疼痛と比較して重症度が高く罹病期間も長い

脊椎外科医が神経障害というと椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症をおもい浮かべることだろう。しかし、上のペインクリニック医の論文ではそのどちらもでてこない。

ペインクリニック医のいう神経障害性疼痛というのは慢性痛のうちの自律神経症状の強い重篤なものをそういっているようだ。

ほんとうに神経を損傷したあとに痛みがあるCRPSタイプ2と慢性疼痛の重篤なものは臨床的には症状から判断すれば違いがなくこのように表現されるのであろうが、説明がややこしく脊椎外科医がまちがって理解する可能性がある。

 

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by junk_2004jp | 2012-08-06 18:51 | 痛みの生理学 | Comments(8)