心療整形外科

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2013年 10月 26日

MPSとアダルトチルドレン

痛みの慢性化、広範囲化した患者さんにいわゆるアダルトチルドレンの方が少なからずいる。

アダルトチルドレンとは、「機能不全家庭で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持つ」という考え方、現象、または人のことを指す。(ウィキペディア)


不安、抑うつ、パニック障害、摂食障害、睡眠障害などを併発しているケースがある。

恐い父親、適切な愛情のない母親、夫婦げんかの絶えない家庭、酒乱の親、過剰干渉などが子供の心にトラウマとなる。

子供は親の顔色をいつもみている。いい子を演じる。

こころから安心して休むことができない。くいしばりをして顎が痛くなる。筋肉はいつも緊張している。

アダルトチルドレンが、何かの拍子にMPSを発症すると、慢性化、広範囲になることがあるように思う。

心身(筋)をリラックスさせることができない。

トラウマからの脱出がキーとなるが、臨床心理士の力が必用だ。

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by junk_2004jp | 2013-10-26 01:46 | Comments(5)
2013年 10月 26日

MPSをしっていますか?

MPSとは筋筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome)のことで、簡単にいえば筋痛症のことです。

筋肉の凝り、攣りのことです。

激しい痛みから鈍痛、しびれまでさまざまです。

運動器の痛みのほとんどがMPSです。

MPSでない痛みとして、ガン性の痛み、感染症、リウマチ・痛風、幻肢痛などの神経障害性疼痛、精神科レベルの痛み、があります。

医師は医学部で筋肉の痛みについて全く習いません。日進月歩の痛みの生理学についても基礎医学でわずかに習う程度で、臨床を勉強する高学年になると忘れているようです。

多くの運動器の痛みがMPSであるにもかかわらず、ほとんどの医師はMPSを知りません。

そのために正しい診断ができません。間違った診断をしてしまいます。

そのために、当然ですが治せません。

MPSは慢性化しやすい。慢性化とは末梢性・中枢性感作の起きた状態です。

MPSは部位が広がることが多い。最高に広がった状態を線維筋痛症といいます。

急性痛と慢性痛は対処法が違います。急性痛は比較的治りやすいが慢性痛は難渋することがあります。

発症は外傷、生活習慣、労働、運動が引き金となります。

ストレスによる喰いしばり、筋肉の緊張も発症の引き金になったり、永続要因になっています。

MPSは耳鳴り、ふらつき、鼻づまりなどを起こすことがあります。

MPSは不安、うつ、不眠症、便秘・下痢、冷感、口目の乾燥などを起こすことがあります。

代表的なMPSをあげます。

顎関節症、緊張型頭痛、頚椎症、五十肩、胸郭出口症候群、テニス肘、腱鞘炎、腰椎すべり症、腰椎分離症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、手根管症候群、変形性関節症、梨状筋症候群、半月板障害、腱板障害、坐骨神経痛






MPSを知ってますか?

MPSは筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome)のことで、簡単に言えば筋痛症のことです。

運動器の慢性の痛みは少数の例外を除いてほとんどがMPSなのです。

ところが医学部では筋肉の痛みについてほとんど教えることはありません。

医師はMPSを知りません。また痛みの生理学についてもほとんど知らないといってもいいです。

自分の体を守るために、MPSを勉強してください。

代表的なMPSは次のものです。

顎関節症、緊張型頭痛、頚椎症、五十肩、胸郭出口症候群、テニス肘、腱鞘炎、腰椎すべり症、腰椎分離症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、手根管症候群、変形性関節症、梨状筋症候群、半月板障害、腱板障害、坐骨神経痛
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by junk_2004jp | 2013-10-26 00:31 | MPS | Comments(1)
2013年 10月 23日

痛み診療の戦後レジームの脱却

「神経が圧迫されて痛みやしびれが生じる」「軟骨や椎間板、半月板が傷んでいるから痛い」などおよそ生理学では考えられない説が未だにまかり通っています。

そのため、過剰な画像診断が行われています。このことは痛みを持続する方向になりますが、よくすることはありません。

手術も行われていますが、効果はプラセボの域をこえません。

医療費は増え続け、慢性痛の患者さんも増え続けます。

保険診療の病名や保険点数ももはや適切ではありません。

患者さんは難民となり医療機関を渡り歩きます。仕事を辞めさるを得なくなり、ますます経済的にピンチになります。年金の継続も困難になります。

国は早めに手を打つべきです。

筋骨格系の痛みのほとんどは筋筋膜性疼痛症候群(MPS)です。このことを患者さんや医師に教えることは医療費にもいい影響があるばかりでなく患者さんの健康にもおおいに役立ちます。

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by junk_2004jp | 2013-10-23 17:42 | Comments(1)
2013年 10月 22日

今日診たとてもお粗末な4症例

まるで悪魔のような脊柱管狭窄症という概念。

神経を圧迫すると、痛みやしびれが生じるという概念は間違っています。

これが大学病院など大病院で行われています。

症例1

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Aさん(70歳代)はあぐらをかいて、前屈みでする仕事をしています。

両側のお尻から大腿部にかけて痛みがあり、日常生活が困難となりました。

いろいろ治療しましたがよくならず、7月に大学病院で脊柱管狭窄症ということで手術をしました。

しかし痛みはとれません。今度、MRIで再検査の予定でした。

雑誌「わかさ」を読んで当院を受診しました。

中臀筋や梨状筋の圧痛点数か所に局麻を注射しました。

すぐに、その場で痛みが取れて、あぐらも可能、階段の昇降も可能になりました。

Aさんはとても感激していらっしゃいました。

MPSを知っていればこの症例は簡単です。

脊柱管狭窄で痛みがでるなんてことはありません。


症例2

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Bさん(80歳代)は今月はじめ、草むしりをしてからか、お尻から大腿にかけて痛みがでて歩行困難になりました。

ある病院で診察のけっか、脊柱管狭窄症で手術が必用とのことでした。

雑誌「わかさ」をにて来院されました。

小臀筋、外側広筋などのMPSでした。

もちろんTPブロックで改善しました。

症例3

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C(80歳代)さんは足裏の3、4、5指あたりがしびれています。

腰、頚の検査をしたら、頚部の脊柱管狭窄症が原因だということで、6月に頚の手術をしましたがよくなりませんでした。

頚部脊髄症なら、病的反射がでて、痙性歩行など脊髄症状がでますね。Cさんはそういうことはなく単に足裏がしびれているだけなのです。

2日間TPブロックの治療してしびれは改善しました。

症例4

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遠方からこらでたDさん(90歳代)は両側のフクラハギが痛くて歩きづらい。ご高齢ながら、最近までダンスを趣味としてやっておられました。

もちろん診断は脊柱管狭窄症です(笑)。

患者さんは雑誌などを見てトリガーポイント注射を知っています。

医師にTPブロックをしてくれといったところ、

「そんな恥ずかしい治療はしません。」とのことでした。

こんな症例腰からきているといって腰に注射をして、治せないほうが恥ずかしいことです。い

ずれの症例もMPSを知っていれば、触診だけで十分に診断でき、早期ならば数回の治療で完治可能です。

MPSの概念の普及が急務です。



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by junk_2004jp | 2013-10-22 22:28 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(4)
2013年 10月 21日

わかさ2013年12月号

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脊柱管狭窄症の特集です。

トリガーポイントブロックの私の記事がでています。

脊柱管狭窄が原因だといわれている痛みやしびれの本当の原因は筋肉にあります。

つまり、どちらかが誤診しているということになります。

テニス肘や五十肩と同じことです。下肢のテニス肘、五十肩と考えればいいです。

神経が圧迫、絞扼されると痛み、しびれがでるという生理学的事実はありません。

間欠性跛行(しばらく休むとまた歩かれる)は神経症状ではなく、筋肉の症状です。

前屈で楽になる、後屈で痛い、・・・筋肉の症状です。

神経にこのような性質はありません。

みなさんもそう思うでしょ。


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by junk_2004jp | 2013-10-21 01:02 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2013年 10月 17日

プロカメラマン(スポーツ)

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この佐藤真海選手の写真はオリンピック誘致のプレゼンで見ましたね。素敵な写真です。

スポーツ専門のプロカメラマン越智貴雄さんは慢性の腰痛を当院で治療されて、経過がよくバリバリ仕事をされているそうです。

お礼状とともに、最近の写真を送ってくださいました。

佐藤選手の写真も越智さんが撮りました。オリンピック誘致に一役かったわけです。

スポーツカメラマンは重い機材を抱えて、場所取りの移動が激しく、またカメラの方向角度などもいろいろ。そういうことでかなり腰に負担のかかる仕事だそうです。

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by junk_2004jp | 2013-10-17 13:54 | Comments(0)
2013年 10月 13日

なかなか取れないその痛みは「慢性痛症候群」です。

以前は歳のせいだとか、軟骨が減っているからだとか、脊柱管狭窄だとか、すべり症、ヘルニアだとかいろいろ身体の構造上の問題にすり替えられて説明されていた、慢性の痛みについて、結局はそういうことが原因でないということが分かってきました。

痛覚と味覚を比較してみましょう。

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味覚は舌にある味蕾から脳に伝えられます。

舌に塩を乗せれば塩の味がしますが、口をゆすげば塩味はしばらくで消えてしまいます。

「慢性味」という病態はありませんね。塩を取り除いてもいつまでも塩味が続くということはないですね。

一方、痛覚はそうとは限らないのです。それはなぜなのでしょうか。

あなたの慢性の痛みも最初はこのポリモーダル受容器から発したのです。

この受容体「ポリ(多い)」「モーダル(様式)」なのが慢性痛を起こすポイントです。

痛みを感じると反射的に筋肉の緊張が起きます。これは侵害刺激から遠ざかろうとする本能です。

また交感神経の緊張がおきます。

筋肉の緊張や交感神経の緊張で局所の血流障害が生じて、ブラジキニンなどが生じ、これがポリモーダル侵害受容器を刺激します。

この悪循環がいつまでも続くと、中枢神経のほうも変化してくるのです。

もし、ポリモーダルではなくて「モノモーダル」だったなら、侵害刺激に反応するだけで、侵害刺激がとりのぞかれれば痛みはなくなるはずですね。

痛みとは構造上の問題ではないのがおわかりになりますね。

ポリモーダル受容器と脳の間で生じた電気現象の問題なのです。

そしてそれが表現されるのは筋肉です。筋肉の慢性的な緊張です。

たとえていえば、コンピュータの異常です。それを大工さん(脊椎外科医、整形外科医)がみていたのです。

それが間違いだったのです。

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by junk_2004jp | 2013-10-13 12:58 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2013年 10月 08日

柔道整復師の判断が正しくて多くの脊椎脊髄専門医の診断が間違っている

Aさん(70歳代)は4カ月ほど前から、特に誘因なく頚痛、左肩の激痛、左上肢の痛み・しびれが出現。

A大学病院、B労災病院、C**病院など受診。いずれも同じ診断・・・

レントゲン、MRIの結果、C5・6・7が狭くなっているのでそこが原因という説明。手術をすすめられた。

知り合いの柔道整復師に相談したところ、「斜角筋のMPS(筋筋膜性疼痛症候群)だろう」ということで、私のところに紹介状を書いてくれました。

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左右は逆ですがこのような痛みがありました。

斜角筋に強い圧痛がありました。そこに2~3mlの局麻を打ったところ、すぐに楽になりました。

斜角筋のMPSです。

高齢者でC5・6・7が狭くなっているのは普通のことで特に病的な意味はありません。

神経が圧迫されると痛み、しびれが出るというのは間違いです。

若い時にスキーで転倒して以来、頚の具合は悪いとのことでした。

____________________________

この患者さんのあと、その犠牲者であるSさん(40歳代女性)を診ました。

4年前、頚椎ヘルニアで手術、よくならず。

今は全身に痛みが広がっていました。線維筋痛症の診断基準を満たします。

手術という外傷が線維筋痛症を誘発したのか、手術以前にあった痛みが線維筋痛症を誘発したのか、分かりませんが、正しく痛みを管理されていなかったのは事実です。

__________________

医師は神経根がヘルニアや脊柱管狭窄や椎間孔などで圧迫されると痛みやしびれが生じるという、根拠のない思いこみにとりつかれています。

それは明らかに間違いです。

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by junk_2004jp | 2013-10-08 00:22 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(2)
2013年 10月 04日

Locomotive Pain Frontier Vol.2 No.2

メディカルレビュー社のLocomotive Pain Frontier Vol.2 No.2 に当院が紹介されました。
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「損傷モデル」では 腰痛を説明できないと気付き、筋肉のけいれん、緊張に着目

ー腰痛の原因が「筋肉のけいれん、緊張」だという考えに至った経構を教えてください。

加茂 多くの整形外科医は、腰痛を「損傷モデル」の考え方に則って捉えています。具体的にいうと、「椎間板の老化によって生じる椎間板症や椎間関節症、すべり症、分離症などの脊椎の構造異常が痛みの原因である」、「椎間板へルニアや脊柱管狭窄症で、神経根が圧迫されて、その神経が支配する領域に痛みやしびれが生じる」という考え方です。

私も、 整形外科医になった当初、指導医より、そのような「損傷モデル」の考え方を学び、腰痛をそれに則って捉えていました。しかし、臨床現場では、「損傷モデル」の考え方には当てはまらない多くの患者を診てきました。レントゲンやMRI検査により、脊椎や腰椎の構造異常を確認し、椎間板症や権間関節症、すべり症、分離症などと診断しても、痛みがまったくない患者がいます。その一方で、レントゲンやMRI検査により、脊椎や腰椎の構造異常が確認されなくても、痛みを強く訴える患者がいます。また、「椎間板へルニアが神経を圧追しているから痛む」のだと、椎間板へルニアを治す手術をして神経の圧迫を解除すると、確かにそれで治る患者もいましたが、治らない患者もいました。

こうしたことから、「現実的に、損傷モデルでは腰痛に上手く対応できない」と考えた私は、痛みを臨床的、生理学的、疫学的に捉えなおし、「腰痛の本態は、筋肉のけいれんや緊張による痛みである」という考え方に至りました。

ー「筋肉のけいれん、緊張」により腰痛が生じるメカニズムを教えてください。

加茂  どこかで腰を打った、転んだ、重い物を持ち上げて、ぎっくり腰になったなどによる一過性の大きな侵害剌激”や、毎日、車を運転したり、草むしりをしたり、スポーツをしたりすることによる“慢性的な侵害剌激、あるいは裁判中など大きなストレス下にいるときに生じる“心理的緊張などで、痛み神経が刺激されると、脊髓反射により筋肉がけいれん、緊張し、痛みが生じる(腰痛) というメカニズム(図1)です。また、 痛みがあれば、筋肉がけいれん、緊張するので、ますます痛みが強くなり、さらに筋肉がけいれん、緊張して痛みを強くするという悪循環を形成します。

その過程において、痛みは、同じ神経高位(デルマトーム)内で脊髓反射する筋肉へ広がっていき(図2 A→B、C点)、さらに神経高位を超えて広がり、反対側に及ぶこともあります(図1)。当初は、一時的な1ヵ所(局所)の痛みであったのが、慢性的な部分の痛み(不全型慢性広範病症)となり、やがて慢性的な広がりをもつ部分の痛み(慢性広範痛症)から、最終的には慢性的な広がりをもつ全身的な痛み(線維筋痛症)に至ります。

ー一過性の大きな、あるいは慢性的な侵害刺激により、構造異常も生じているため(図1)、それが痛みの原因になっているとは考えられませんか。

加茂  確かに、構造破綻をレントゲンやMRIなどの画像検査で確認できることはありますが、それは先に述べたように腰病の原因ではありません。痛みはあくまでも筋肉のけいれん、緊張により生じており、構造異常とは関係ありません(図1)。

痛みの治療'構造異常の治療、 両方を治すことがべストだが、まずは痛みの治療を優先

ー先生の考えに則れば、腰痛をどのような方針で治療すればよいのですか。

加茂  痛みと構造異常をそれぞれ分けて考えるので、「痛みの治療と構造異常の治療はイコールではない」ことが前提となります(図1)。その上で、痛みも、構造異常も、両方とも治すことがべストです。 しかし、現在の整形外科学的手技では、構造異常を治せないことが少なからずあります。また、痛みが続けば、前述したように痛みがどんどん広がっていきますし(図2)、中枢性感作を起こし、中枢性痛覚過敏、さらには末梢性にも痛覚過敏がみられるようになり、場合によっては線維筋痛症に至ることもあります。中枢性、あるいは末相性の痛覚過敏がみられたり、線維筋痛症に至ったりすれば. おいそれとは治りません。とはいえ、誰が、線維筋痛症に至るのかはあらかじめ予測することも不可能です。したがって、痛みはできるだけ早くとることが重要で、腰痛患者を診れば、まずは痛みの治療を積極的に行っていくことが原則になります。

筋肉のけいれん,緊張を解くトリガーポイントブロック注射を中心とした治療を展開

ーでは,痛みはどのように治療するのですか。

加茂 痛みの原因となっている筋肉のけいれん、緊張を解く治療を行うことが最も有効で、その方法として、トリガーポイントブロック注射、 トリガーポイント鍼療法、ストレッチング、虚血性圧迫法(指圧法)などがあります。私自身は、トリガーポイントブロック注射(写真1)を積極的に試みています。

ートリガーポイントブロック注射とはどのような治療法ですか。

加茂  けいれんや緊張して、痛みを生じている筋肉の中には、 「筋硬結」あるいは「索状硬結」とよばれる部位が発生しています。これらの中に、物理的に力を加えると1前みを強く感じる圧病点が認められ、その中でも特に周辺を含めた広範囲に痛みを発生させる圧痛点があり、それを発痛点(トリガーポイント)とよびます。

トリガーポイントプロック注射とは、圧痛点、発痛点(トリガーポイント)をブロックすることで、筋硬結、索状硬結とよばれる硬くなった筋肉を弛めて、けいれんや緊張を解き、病みの電気信号が脳に伝わらないようにする治療法です。具体的には、これまでに報告されているパターンを念頭に置いて、圧痛点、発病点(トリガーポイント) を探りあてて、そこに27G. 19mmあるいは38mmの注射針を、触診しながら想定した病みを感じている筋内の位置まで刺し、0.5%塩酸メピバカインなどの局所麻酔薬を1 ~3ccほど注入していきます(写真1)。

除外診断→積極的診断→治療的診断により急性痛のうちに治癒を目指す
ートリガーポイントブロック注射を含めて、実際の腰痛診療の流れをお話しください。

加茂  腰病を訴えて患者さんが当院を受診されたら、最初に行うことは「除外診断」です。 レントゲンやMRI などの画像診断や血液字的検査を実施し、腰痛を生じるような悪性腫瘍、感染症、リウマチおよびその周辺の炎症性疾患、骨折などの明らかな外傷など、治療すべき構造異常があるかどうかを確認します。ただし、急性痛の場合、時間をたっぶりとって、丁寧に問診すれば、話を聞けば、たいていの場合、検査をしなくても除外診断が可能です。また、慢性痛の場合は、ほとんどの患者さんが他院でありとあらゆる検査を受けられており、当院を受診された段階では除外診断ができているというのが実際です。

いずれにしろ、除外診断の結果、前述した疾患がないことを確認したら、腰を押さえたり、伸ばしたりして、腰痛がどのような状況で強くなったり、弱くなったりするのかを調べる「積極的診断」を行います。その上で、ある治療をしたときに腰痛がどのように変化するか、どのような治療が腰痛に効果を発揮するのかを診る「治療的診断」を行います。

腰痛診療では特に「治療的診断」が重要で、その際に、私は先ほどお話ししたトリガーポイントブロック注射を試みています。 トリガーポイントブロック注射は反応が早く、効果をすぐに確かめることができるからです。急性痛の場合は、トリガーポイントブロック注射を1~数回行えば、ほとんどが治ります。 しかし、慢性痛の場合はそうはいきません。慢性痛では、治療的診断でトリガーポイントブロック注射を行っても、すぐに痛みがぶり返してきます。また、こうして痛みがすぐにぶり返せば、慢性痛だと判断して、さまざまな治療法を駆使しなければなりません。だからこそ、繰り返しになりますが、慢性病にならせないよう急性痛のうちに、トリガーポイントプロック注射を積極的に行うことで、早期に治癒することを1番の目標として診療にあたっています。

脳・脊髓の関与が大きい慢性痛は傾聴、共感、受容、支持、保証の上、総力戦で治療する

ー慢性痛に至った場合はどのような治療をするのですか。

加茂  急性痛でもそうですが、慢性痛では、「患者の訴えをよく聴き(傾聴)、その訴えに共感し、受容し、患者に支持を表明し、何らか(腰痛が治ること)の保証をする」という心療内科的な診察手法がより必要かつ重要になります。その上で、あらゆる方法を駆使して、慢性痛に対処します。治療選択肢としては、急性痛と同じく、けいれんや緊張して凝り固まっている筋肉にアプローチするトリガーポイントプロック注射や、低出力レーザ一照射、極超短渡照射、電気治療、マッサージなどのほか、ププレノルフィン貼付剤やトラマドール/アセトアミノフェン配合剤といったオピオイド製剤などの鎮痛薬があります。また、慢性痛では心身症的要因が強いこともあり、抗うつ薬や.抗てんかん薬、抗不安薬も治療選択肢となるケースがあるほか、認知療法や認知行動療法などを用いることもあります。このようにカード(治療法)はそれなりに揃っていますが、そのカードをどう切るか(いつ、どの治療法をどのように試みるか)には決まったストラテジー がないのが現状です。慢性痛の患者個々に、有効だと思われる治療法を試みてはその効果を見極めながら診療しています。

ー最後に今後の展望をお話ください。

加茂  実は、これまで述べてきた私の腰痛をはじめとする運動器疼痛、運動器慢性疼痛の治療の基本的な考え方は、 l983年にアメリカの医師.Janet G.Travell先生と, David G.Simons先生らが提明した、筋肉が原因となって痛みやしびれを惹起する筋筋膜性疼痛症候辞(MPS)という概念にほぼ合致していました。 今後は、腰病に悩む多くの患者が1人でも多く救われることを目指して、多くの整形外科医が、「損傷モデル」ではなく、「舫肉のけいれん、緊張に、心理・社会的な問題が絡み合った生物・心理・社会医学モデル」で痛みを捉えられるようにするために、MPSの概念の普及に努めていきたいと考えています。現在、同研究会を組織し、MPSの周知活動、情報提供、電子会議による研究、識論. 情報共有、および学術集会の開催などを行っています。

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by junk_2004jp | 2013-10-04 18:16 | Comments(0)
2013年 10月 02日

切らずに治す!脊柱管狭窄症・らくらく療法

主婦の友ヒットシリーズ   「健康」特別編集   1000円

私の記事がでています。

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いろんな保存療法が紹介されていますが、それは脊柱管狭窄症が原因といわれている痛みはMPS(筋筋膜性疼痛症候群)だという証拠です。

つまり、最初が間違っています。神経が圧迫・絞扼を受けているから痛い、しびれるという説が間違っているのです。

神経線維は圧迫を受けてもなにも生じません。絞扼を受けると麻痺が生じますが脊柱管狭窄症で麻痺を生じた症例は極めて少ないと思います。

最初が間違っているので早期除痛のチャンスを逃すことが少なくないと考えます。

MPSは慢性化しやすい。痛みが広がることがある。早期診断早期治療がなにより重要。

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by junk_2004jp | 2013-10-02 13:45 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)