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2013年 12月 27日

外傷後の痛みは不安が持続させている

careNet.com より

外傷後は疼痛、うつおよび不安がよくみられることが以前から報告されている。今回、下肢外傷患者における2年間の縦断的研究の結果、受傷後1年間は疼痛が不安やうつの予測因子となるものの、その関連は弱く、2年間を通してうつは疼痛の予測因子とはならず、不安と疼痛の関連が唯一有意であることが示された。

米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRenan C. Castillo氏らによる検討の結果で、「今回の結果は、不安が急性疼痛の持続に重要な役割を果たしていることのエビデンスになる」とまとめている。Pain誌2013年12月号(オンライン版2013年8月30日)の掲載報告。


次の図はcareNet.comの牛田 享宏先生の講義からとってきました。
大雑把にいって5~6人に一人が慢性痛になるということです。

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次はある方からいただいたメールです。

加茂整形外科医院
加茂先生

はじめまして。私、東京都のA (51歳 男性)と申します。

大変ご無礼とは思いますが、長文のメールで失礼させて戴きます。加茂先生のホームページや掲示板は毎日読んで素人ながら勉強させて戴いております。

この度、Bで治療を受けさせて戴きました。B先生の治療を受けるまでの経緯を簡単に書かせて戴きます。

【経緯】

2012年6月29日夜9時半頃。自宅近くの飲食店の帰り道で自宅に帰る途中の事でした。
息子が運転する車には妻と娘と私の3人が乗車していました。
赤信号に停車中に物凄い金属音と共に身体が前に突き飛ばされる様な衝撃に襲われました。追突です。
しかも、相手は時速30Km/h程度でノーブレーキで追突してきました。

【症状】

妻は首が痛いと言い、私は首と腰に痛みを感じていました。翌日から毎日地元の整形外科に通院することになりました。診断は頸椎捻挫、腰椎捻挫、椎間板ヘルニアと言われました。

【2012年7月〜2013年3月頃迄の治療】

7月〜9月迄は痛みも強く歩く事も困難な状態で休職。毎日整形外科に通う日々が続きました。
この頃の治療法としては、温熱療法、低周波治療、首や腰の牽引、マッサージ。薬は痛み止めと塗り薬でした。

検査から1ヶ月が経過した頃に担当医に首、肩に強い凝りが生じ、右手、右足に痛み痺れがあると言うと、
MRIを撮りましょう。と、言われました。が、後日MRI写真を見ても異常なしとのこと。


その後、妻も私も病状は悪化し続け整形外科以外に地元で有名な整骨院に行くことにしました。
そこの整骨院では身体全体の矯正(復元整体)と八光指圧と呼ばれる施術を受けました。
施術を受けた直後は良いのですが時間の経過と共に直ぐに痛みや痺れが戻ってくる状態でした。
良くなるどころか状況が変わらない日々が続きました。


【2013年5月〜10月頃迄の治療】

藁をも縋る思いでネットで病院や治療院を探し続ける毎日。
生きる希望も無く、ネガティブな思想に陥っていました。
ある時、先生のこちらのサイト(http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/)に辿り着き衝撃的でした。
自分の症状はこれではないか?これまでの診断、治療方法では治せない事をこの時理解しました。


【ヒーリングやカンセリング】
ここからは、ヒーリングの話になります。
故 長尾弘先生と言う治療家の先生を知り、そのお弟子さんの先生の治療を受けました。
心の問題も多分にあったのだと思います。不思議と心がスッキリすると歩くのが不自由だったのが少しずつ普通に歩ける様になりました。しかし、痛みが消えた訳ではありません。
ただ、不思議な事は心の状態により筋肉に何らかの作用が働くのではないかと言う事が解ってきました。

【現在の治療】

その後、JMPS所属のB先生の病院を見つける事ができました。
2013年12月初めてBの治療を受けました。
主に右半身(頚部、臀部、大腿部、膝、脹脛)に計8箇所にトリガーポイントブロック注射をして戴きました。
すると、直ぐに楽になりました。暫くは2週間おきくらいに通院してくださいとの指示でした。

凝り固まった筋肉から少しずつ解放されていくのが私も妻も実感できました。
先生の活動や情報公開が無ければここまで辿り着けませんでした。
これで、本当に安心しました。ありがとうございました。


先の整形外科の先生もMPSを知っていれば私や妻もこんなに苦しまなくても済んだと思いますが、
加茂先生の情報発信やJMPSの活動が無ければ知り得なかった情報が公開されていたことがとても有り難かったです。


【余談】

余談ですが、私は工学部(電気工学)の出身です。が、元々医学には興味がありました。
しかし、医学の道は経済的な理由もあって断念し工学の道を歩んできました。
所詮、仕事は人と人との関わりが多く、管理職と言う立場になってからは心理学の重要性を認識し、
恥ずかしながら、臨床心理士を目指して勉強しております。


臨床心理や心身医学の勉強をしている中で「筋肉の鎧」が出てきますが、筋筋膜性疼痛症候群が当に「筋肉の鎧」のことなのかわかりませんが、私の身体はその鎧に覆われていた事により痛みや痺れが生じていたのかと。

筋筋膜性疼痛症候群は、物理的な側面からは筋肉の微小損傷から索状硬結が発生し発痛点と関連痛を引き起こし、心身医学的側面からは「筋肉の鎧」や「性格の鎧」が強く依存しているのではないか?
と、自身の経験から感じた次第です。

ヒーリングやカウンセリングによる結果を考えました。
素人的な考え方ですが、私は、例えば、怒り、妬み、誹り、愚痴、恨み、憎しみ、盗み、貪欲、不安、恐怖、取り越し苦労などの心の持ち方が更に筋肉を緊張(鎧化)させ、それらを取り除くことも大切な事と思った次第です。

【最後に】

私も妻も加茂先生の情報発信が本当に救いでした。
ありがとうございました。
今後の先生の益々のご活躍を陰ながらお祈りさせて戴きます。
これから益々寒さも増してきますので、どうぞ、お身体に気をつけてください。

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by junk_2004jp | 2013-12-27 21:41 | 交通事故診療 | Comments(6)
2013年 12月 24日

最近のCareNet.comより

腰痛の程度、配偶者のネガティブな態度で負のスパイラルに

慢性腰痛患者の疼痛の程度は、配偶者のネガティブな態度と非常に密接に関係していることが明らかとなった。米国・ラッシュ大学のJohn W. Burns氏らが患者とその配偶者を対象とした前向き研究の結果、報告した。著者は、「慢性筋骨格系疼痛の治療効果に夫婦間の相互作用が影響を及ぼす可能性があり、これまでまったく関心がもたれなかった領域も治療の標的とするためのさらなる研究が望まれる」とまとめている。Pain誌2013年12月(オンライン版2013年8月6日号)の掲載報告。


筋肉痛の熱感受性に神経成長因子生成が関与?

遅発性筋肉痛(いわゆる筋肉痛)は、伸張性収縮負荷によって筋侵害受容器の機械感受性が増大することで生じることが知られている。今回、中部大学生命健康科学部のFernando Queme氏、同教授の水村和枝氏らは、ヒトにおいて遅発性筋肉痛時に熱感受性の増大はみられないことを示すとともに、遅発性筋肉痛ラットモデルによる検討で、伸張性収縮による神経成長因子(NGF)の生成量が不十分な場合は熱感受性が増大しない可能性があることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「今回の知見は、新たな薬理学的ターゲットと治療アプローチの探索に役立つ可能性がある」と報告をまとめている。Journal of Pain誌2013年11月号(オンライン版2013年9月21日号)の掲載報告


首や腰の痛みと精神的苦痛は相互に関連する

頚部や腰部の疼痛と精神的苦痛との相互作用に関する理解は、公衆衛生の観点から重要である。スウェーデン・カロリンスカ研究所のKari Paanalahti氏らは、大規模な地域住民を対象とした前向きコホート研究を行い、脊椎痛および精神的苦痛の併存は、女性に多く、男女いずれにおいても回復が不良で、脊椎痛と精神的苦痛は双方向の関連性があることを確認した。Spine Journal誌オンライン版2013年11月18日号の掲載報告。


慢性腰痛に対する腰椎固定術は長期転帰を改善しない

慢性腰痛の治療において、保存療法に対する手術療法の有効性については議論の余地があり、長期転帰はほとんど知られていない。スイス・Schulthess KlinikのAnne F. Mannion氏らは、平均11年間にわたる追跡調査を行い、脊椎固定術と認知行動・運動療法とで患者の自己評価に差はないことを示した。保存療法で悪化しなかったことから、手術のリスクを考慮すれば慢性腰痛に対する腰椎固定術は支持されるべきではない、とまとめている。Spine Journal誌オンライン版2013年11月6日の掲載報告。


中等度~重度の慢性腰痛にトラマドール・アセトアミノフェン配合剤が有用

トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合剤徐放性製剤(TA-ER、商品名:トラムセット配合錠)は、2つの有効成分の相乗作用により迅速かつ長期にわたる鎮痛効果を発揮することが示されている。韓国・ソウル大学ボラメ病院のJae Hyup Lee氏らは、第3相二重盲検プラセボ対照並行群間試験により、同製剤が中等度~重度の慢性腰痛の鎮痛と、機能およびQOLの改善においてプラセボより優れており、忍容性も良好であることを明らかにした。Clinical Therapeutics誌オンライン版2013年11月1日号の掲載報告。


慢性腰痛の痛みや機能障害などの改善に水中療法の集中プログラムが有効

水中療法の週5回2ヵ月間集中プログラムは、慢性腰痛患者の疼痛、機能障害、身体組成値および体力測定値を改善するとともにQOLを向上させることが認められた。スペイン・グラナダ大学のPedro Angel Baena-Beato氏らによる比較臨床試験で明らかとなった。Clinical Rehabilitation誌オンライン版2013年10月31日号の掲載報告。

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by junk_2004jp | 2013-12-24 16:26 | 慢性痛 | Comments(0)
2013年 12月 11日

ヘルニア手術の失敗、裁判に勝つ

だいぶ前になりますが、このブログである方(X氏)と激論をしたことがあります。

X氏はYクリニックでヘルニアの手術をして痛みが取れたそうで、ヘルニア犯人説を信じています。

X氏は「Yクリニックではモニターをみて手術をするので安全だ」と主張。

Yクリニックの名前はあとでメールで教えてくれました。そしてそのHPを読むようにと言われました。Yクリニックは脊椎脊髄専門医で私は脊椎脊髄の専門医ではありません。

このたび、偶然にもそのYクリニックでヘルニアの手術をしたA氏は、痛みは取れず、同クリニックで再手術。

一生、車いすの状態になってしまいました。おまけに全身の痛みを管理していかなくてはならない。

先日、A氏から「裁判で勝った!」との電話がありました。手術の過失が認められたのです。

「ヘルニアが神経を圧迫しているために痛む」こんなことはありえません。

神経を圧迫、絞扼すると麻痺になる、つまり動かない、感覚がないというのなら正しいのです。

つまり誤診のうえに過失が加わったわけです。A氏にとっては人生を全く狂わされたのです。

このようなことは二度とおきないようにしないといけませんね。

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by junk_2004jp | 2013-12-11 00:04 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(4)
2013年 12月 06日

私の本を読んだ整形外科医からの質問

先月号のフナイに副島隆さんのところで、先生の御本の掲載があり、早速取り寄せて先生ご執筆の「トリガーポイントブロックで腰痛は治る!」を拝読させていただきました。

大変驚きの内容に愕然としておりますが、先生のお話を果たして俄に信じてよいものか分かりません。

私も第5腰椎分離すべり症(1cm強のすべり)で永年慢性の腰痛がありますので、患者さんの腰痛には常に興味があり、自分なりに対応しているつもりです。TPBも必要に応じて積極的にやっています。

以下質問です。

①「神経損傷モデル」を先生は否定されていますが、神経根ブロックの際の患肢の放散痛はどういうふうに説明されるのでしょうか?

②絞扼性神経障害の数々をどう説明されるのでしょうか?

先生のお考えは、一部では正しいと思いますが極論すぎてはいませんか?お時間がある時にでも、よろしくご返信下さい。


拙著をお読みいただき、またご質問、ありがとうございます。

すべり症や分離症(疲労骨折を除く)は健常者でも腰痛患者でも同じような割合であるということはよく知られています。

また、ポリモーダル侵害受容器はこのような構造異常に反応するものではありません。

慢性腰痛の患者さんをレントゲン撮ったら、たまたま分離すべり症があったというのが本当のことでしょう。

このことは患者さんの腰痛にお墨付きを与えますし、ますます痛みが持続するのに貢献するでしょう。

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痛みがなぜ慢性化するのか?・・・痛みの悪循環で説明されています。

質問①

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神経は細胞膜によって、外はナトリウムイオン、内はカリウムイオンに分極されていますが、針で穴をあけると瞬時にナトリウムイオンが流入します。(脱分極)その電気現象が脳に伝えられると脳は下肢に放散する痛みとして認識する。



質問②

絞扼性神経障害は上記のような神経の電気活動が起きない状態です。つまり痛みとは真逆の生理現象です。
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上記図が神経の絞扼障害です。痛みやしびれではなく、知覚鈍麻~脱失です。

この神経に触覚神経などが混線(脊髄後角で)すると、CRPSタイプ2といわれる極めて難治な痛みになることがあります。

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by junk_2004jp | 2013-12-06 18:13 | MPS | Comments(1)