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2015年 12月 20日

不安障害+線維筋痛症

Aさんは全般性不安障害と全身の痛みがあります。

ある心療内科で、「抗不安薬を飲んでいたら地獄を見ることになる。」と言われますます悪化しました。

抗不安薬についてはいろいろな批判があることは知っています。

抗不安薬はAさんにとって必要な薬で、それを使いこなすことが心療内科医の腕の見せ所ではないでしょうか。私はそう思います。

症状の改善とともに抗不安薬を少なくしていき、3ヶ月ぐらいで0にできました。痛みはあるものの日常生活には支障のない程度になりました。

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by junk_2004jp | 2015-12-20 10:47 | 線維筋痛症 | Comments(6)
2015年 12月 17日

神経可塑性障害としての「本態性疼痛」

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痛みの慢性化

基礎医学的視点 加藤総夫著

生理的疼痛の生物学的有益性に対し、このような痛みは、過度で、生物学的意義が薄い。これを、その発生メカニズムに基づいて「本態性疼痛」(筆者造語)と呼ぶことを提案したい。

組織損傷や侵害受容などの一時的な原因の存在しない、または同定できない痛みは急性であろうと慢性化していようと、時間経過によらずこのような「本態性疼痛」と呼んでよいだろう。

痛く苦しいことだけがその特徴である本態性疼痛の本質的背景は、痛みのさまざまな側面の制御にかかわる中枢神経系機構の可塑的変化であり、このような可塑的変化がしばしば時間に依存して成立するにすぎない。

したがって、本態性疼痛は、「神経可塑性障害」(筆者造語)の一つと捉えることができる。

「慢性痛(chronic pain)という言葉には「時間(cronos)」の要素が入っているが、本質的問題は発生機構であって時間経過ではないので、この語は適切ではない。

多くの臨床および非臨床研究の研究の結果やその解釈の不一致は、このような生理的疼痛と本態性疼痛の機構の混同や、慢性痛と本態性疼痛の機構の解釈の混乱に起因しているよいってよいだろう。

痛みの一時的な原因が末梢にありながら、その増悪や維持に中枢性機構が関与。

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不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

組織損傷を伴うもの=生理的疼痛(筆者造語)
そのような損傷があるように表現されるもの=本態性疼痛(筆者造語)≒神経可塑性障害

「頚部背部腰部の本態性疼痛」「腰部および下肢の本態性疼痛」「膝部の本態性疼痛」「全身の本態性疼痛(線維筋痛症)」このような病名に統一したらいい。



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by junk_2004jp | 2015-12-17 03:24 | 慢性痛 | Comments(0)
2015年 12月 15日

整形外科教室は統計学教室になってしまった。

最新の「日本整形外科学会雑誌」の「JOS掲載原著論文要旨」で興味を引いたもの2題

⭕️症候性腰椎椎間孔部狭窄症の診断ツールの開発

画像上認められる腰椎椎間孔部狭窄は無症候性が多いため診断に難渋する。

JOAスコアの自覚症状と他覚所見の各項目、疼痛誘発手技(ケンプ、パトリック、ボンネット)の臥位時、座位時、・・・・

多変量解析、カットオフ値、感度、特異度・・・

カットオフ値を5点以上に設定した場合、画像上で認められる椎間孔部狭窄は有症状化している可能性が高い。


⭕️腰部脊柱管狭窄診断のための自記式問診表(SSHQ)の診断精度

感度、特異度、陰性的中率、カットオフ値。
新しいカットオフ値を用いたSSHQversion1.1はSSHQversion1.0に比して感度と陰性的中率が高い。したがってプライマリ・ケアでは脊柱管狭窄のスクリーニングにはversion1.1が有用。



ざっとこのような内容。統計学の知識がないとチンプンカンプン。

なぜ症状のないものと症状のあるものがあるのか。

その病理学的所見に差があるのか。

痛みやしびれの起こるメカニズムはどうなっているのか。

疼痛誘発手技の生理学的意義は。

どのようにしたら痛みやしびれがよくなるのか。

手術をしてよくならない場合は統計の誤差の範囲とみるのか。

つまり、医師でなくても、問診表をみることによってスクリーニングできる。診断ツールによって有症状化しているものを選別できる、というわけだ。

なぜそうなのか、痛みのメカニズムはどうなっているのだろうかといった根本的なことは考える必要はないのか。それが学問ではないのか。

こんなことで診断され手術されてはたまったものではない。

一家に一つ、「狭窄症発見アプリ!」(200円)なんてねw。



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by junk_2004jp | 2015-12-15 02:25 | Comments(1)
2015年 12月 14日

痛みの定義と分類

[痛 みの定義] 国際疼痛学会   1986年

An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage.

精 神科医 Harold Merskey を座長とするグループ

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。


痛みは「体験」と定義されています。それは数値や画像で表されません。そういうものを分類して名前をつけることは難しいものです。

??感覚性の痛み・・・・「ピンを踏んで”イタイ!”」・・・Aδ線維の早い痛み
??情動性の痛み・・・・「ジワジワ、不安、怒り、後悔」・・・C線維の遅い痛み

臨床上問題になるのは情動性の痛み

①組織損傷を伴うもの
②損傷があるように表現されるもの

カルテに書く病名はたとえば

⭕️第一腰椎の圧迫骨折及びそれに伴う痛み

⭕️腰部と下肢の損傷があるように表現される痛み

と書くのが正解なのだ。

これではあまりにも長ったらしいのでなにかいい表現がないかということになる。

①組織損傷を伴うもの=急性痛、炎症性疼痛、侵害受容性疼痛=組織損傷性疼痛=組織損傷の警告としての痛み

②損傷があるように表現されるもの=慢性痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛、疼痛性障害=非組織損傷性疼痛=組織損傷の警告としての痛みではない。


上記のようになると思うが、これにしてもクリアカットではない。

組織損傷が骨折、腱断裂のように明らかなものとテニス肘や打撲などミクロの損傷のものがある。

損傷の治癒、炎症の終了がおおよそのところ3ヶ月といわれているので、それ以上続く痛みは「②損傷があるように表現されるもの」といわれる。

強い痛みは数時間、数日で②に移行するといわれている。(CRPS)

実際に損傷があるのに②なってしまうのだ。

また、もともと扁桃体や前頭前野に難があった場合は、損傷当初より②のような痛みになることもあるだろう。

このように痛みという「体験」を分類することは例外があるのでとても難しいことだ。

臨床の場では、微小損傷を証明することは困難だし、他人の頭の中(前頭前野、扁桃体)を想像できない。

いつごろから、どうして痛くなったのか、どのような時に痛いのか、どんな感じの痛みなのか、を聴いて①か②を想像する。

治療をしながら診断を確定する。治療的診断。

「神経を押さえて痛いのは?」 「はぁ?」

「軟骨や椎間板の老化で痛いのは?」 「はぁ?」

「筋硬結があって痛いのは?」 「はぁ?」

そのように説明を受けているだけなのです。だから議論が噛み合いません。

そのようなことは何も根拠のないことなのです。

勝手に痛みの定義を変えたり、分類して言葉を作るということは、何でもありということになってしまいます。タイのピッサマイさん。




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by junk_2004jp | 2015-12-14 14:02 | Comments(0)
2015年 12月 12日

慢性痛問題

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それが先天的なのか(発達障害のような)アダルトチルドレンのように小児期の環境によるものなのか、はたまた痛みの悪循環が続いたために二次的にそうなったのか。

あるいは先天的要素があった上に何かのエピソードがあって開花したのか。

それをどういう病名で保険診療をすればいいのか。

慢性疼痛=神経障害性疼痛=疼痛性障害=痛覚系の歪み=認知の歪み=中枢神経の可塑的変容

そして、保険診療ではどのように対応すべきなのか。患者さんの満足はどうして得られるのか。

行政、保険者、労災、自賠責、損保、生保、司法、患者、医師の情報の共有は大切なのだが、いまのところ得られていない。

経済的負担はどうすればいいのか。

保険診療でやる場合は、医師の肉体的、心理的負担、経営的な問題など山積。

抗うつ薬や抗不安薬で、何とか生きている人、それにたいしてネットでの非難の嵐。

検査をしまくって、ヘルニアだとか脊柱管狭窄だとかいって、まじないのような手術。しばらくいいがまた痛い。2度3度と手術をくりかえす。

立ち直るのにうんと時間がかかる。それを保険診療でやる。

理解できて治療に成功する人、理解できるが、なかなか良くならない人、全く理解できない人。それは患者さんの責任ではなくて、脳機能の問題のように思う。

いまの保険診療の状態では、医師は疲弊、忙しいが経営困難。

患者さんは家庭、職場がある。どう対応すべきか。

医師はもっと痛みについて勉強すべき(2~3日でよい)。


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by junk_2004jp | 2015-12-12 12:40 | Comments(1)
2015年 12月 09日

(廣済堂健康人新書) 加茂 淳

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12月23日ごろから書店で。

12月28日よりアマゾンで。予約受付中!

その腰・肩・ひざの痛み治療はまちがっている! --トリガーポイント療法でツライ痛みが解消する

(廣済堂健康人新書) 加茂 淳    ¥864


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主として「慢性痛」に焦点を合わせて書きました。表題は出版社です(笑)。

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by junk_2004jp | 2015-12-09 13:31 | Comments(5)
2015年 12月 08日

腰痛 2800万人時代 ~変わる“常識”~ 心理・社会的疼痛症候群

NHK クローズアップ現代 2013年7月2日(火)放送

今春、厚生労働省は驚くべき調査結果を発表した。国内の2800万人が腰痛に苦しんでいることが、全国調査で判明したのである。しかもその8割が原因不明であることも明らかになった。こうした中、日本整形外科学会など関係学会はこれまでの腰痛治療の常識を覆す「治療ガイドライン」を発表した。発症から72時間未満の急性腰痛の場合でも「安静は必ずしも有効な治療法といえない」と明示。さらに多くの腰痛の原因は「心理的・社会的ストレス」だとし、日常生活の改善こそが腰痛予防につながるとされたのである。今、腰痛治療の現場は、心療内科医とチームを組んだ体制が作られるなど、大きく変わろうしている。人々の社会生活を大きく損なさせる腰痛をなくしていくことは出来るのか。番組では、著名人の腰痛体験や治療の最前線のルポを通して、“国民病”の現在と未来を描き出す。 


脊柱管狭窄や椎間孔狭窄、椎間板ヘルニアが痛みの原因になることはありません。

高齢者では健常人でも6〜7割にヘルニアや脊柱管狭窄があります。

生理学では神経を圧迫してもなにもおこりません。

神経を絞扼(締め付ける)すると「麻痺」が生じます。麻痺とは無感覚ということです。

「痛み・しびれ」と「麻痺」とは全く違う現象です。

どうして痛みが起きるのか。

なぜ痛みが慢性化、広範囲化するのかわかっています。

正しい知識で治療をすることです。

手術をしても良くならないことがありますし、よくなったとしてもまた再発することが多いです。

そして2度3度と手術をする人が少なくありません。

よくなることがあるのはプラセボ効果、儀式的効果だと思われます。




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by junk_2004jp | 2015-12-08 17:59 | 慢性痛 | Comments(2)
2015年 12月 04日

痛みはネ、早いとすぐによくなる、こじれると本当に治りにくくなる

Aさん、数年前、健康のためよくウォーキングをしていました。

歩くと股関節の前面に痛みを感じるようになりました。

股関節が悪いのかと思いある整形外科を受診し、「脊柱管狭窄症」と診断されました。

投薬治療を受けましたがよくなりませんでした。

脊椎の手術件数を誇るとても有名な病院を受診しました。「腰椎椎間板症」という診断で腰椎の固定術を受けましたがよくなりませんでした。

医師は「こんなにきれいに手術が行われているのになぜ痛みを訴えるのか分からない。」といいました。

Aさんはその医師に見切りをつけて、ペインクリニックへいきました。

ペインクリニックではお決まりの硬膜外ブロック、神経根ブロックを何度か受けましたがよくなりませんでした。

ペインクリニック医「うちではもうやることがありません。」

痛みはお尻にも両方の下肢にも背中や肩にも広がってきました。

==========

「オゥーキングすると股関節の前面が痛い。」この時点で私のクリニックを受診すれば、

私はレントゲンも撮らず(希望すれば撮りますが)診断、治療してその場で効果を確かめることができます。

腸腰筋のMPSです。腸腰筋の使いすぎによる攣り、コリです。

腸腰筋は歩行に関係する筋肉です。特徴的な圧痛点があり、すぐに診断できます。

その部位に少量の局麻などを注射してやるとすぐによくなります。

このような症例を何度も経験しているから言えるのです。

痛みは医師の経験、知識に大きく左右されるものです。そして物凄く大きな差になります。

痛みの旬に的確に治療すればすぐに良くなることが多いのですが一旦こじれてくると本当に難治になります。

痛みはケガや使いすぎ(これもケガなんですが)によっておこります。

痛みの治療とケガの治療は別のことと思ったらいいです。ケガが治っても痛みが続くことがありますから。

ただし、痛みの電気信号を受信して認知・反応する脳は個人差が大きい。もともと不安、完全主義、抑うつ、などなどの脳は当初から慢性痛のような経過をたどることもある。

痛みの悪循環

痛み中枢の可塑性(歪み、学習、もとにもどらない)=神経障害性疼痛=慢性痛症候群

痛みの部位が広がる=せき髄のグリア細胞が関与


上記の症例、たとえばですよ、

「テニスをしたあと、肘の外側が痛い。」

といって整形外科を受診するとほとんどの医師は「テニス肘です。」といって説明しますね。

それを「頚の脊柱管が狭いからです。」とか「頚の椎間板が狭くなっているからです。」

という診断をして頚の固定術をしたがよくならない。「手術は100%のでき。」

こういう例えと同じなんですよ。

都会の有名病院。今更期待薄です。

患者さん自身が痛みについて勉強することです。


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by junk_2004jp | 2015-12-04 02:11 | 慢性痛 | Comments(4)
2015年 12月 01日

「慢性の痛み対策基本法」の議員立法化

瀬戸隆一衆議院議員のブログより

先日、慢性の痛み対策の議員連盟WTにおいて「慢性の痛み対策基本法」の議員立法化を目指した議論を行いました。

慢性の痛みに悩む方は日本において2000万人とも言われており、安倍内閣が掲げる「1億総活躍社会」の実現のためにも、基本法の法制化を行い、取り組みを加速化していければと頑張っております。


誰もがいつでもどこでも保険診療で、痛みに対して生理学に基づいた正しい説明と治療が受けられるように。

 ぐっどばいペイン事務局より

【「第1回 慢性の痛み関連患者会・支援者リーダー研修会」のご案内】

この度、厚労省「慢性の痛み対策研究事業」の一環として「慢性の痛み関連患者会・支援者リーダー研修会」をぐっどばいペインが主管し開催することが決まりました。

日は、平成28年3月19~20日の一泊
場所は、晴海グランドホテル(東京)です。

参加・宿泊費無料で交通費も8割以上助成する予定です。

 http://goodbye-pain.com/h280319-20.htm

志のある方は是非、応募して参加してください。

なお、第一次募集締め切りは12月29日と設定していますので早めの応募をお願いします。

《応募方法》

 「参加申込書」及び「提出レポート」に記入の上、FaxまたはEメール、郵送等にて応募してください。
 メールフォーム

 http://form1.fc2.com/form/?id=899678 からも送れます。



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by junk_2004jp | 2015-12-01 02:08 | 慢性痛 | Comments(3)