心療整形外科

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2016年 05月 31日

軽度頸髄マヒ+MPS

自分でもいろいろな治療を受けたのですが八方ふさがりで原因が分からず困ってしまいました。

事の始まりは、2014年頃から夜寝ていると足が突然勝手に蹴とばすような動きになり起きてしまうことがありました。2014年末、後ろから追突されムチ打ち、その時は、1ヵ月もすると治ったと記憶しています。2015年元旦にお参りに行ったときは階段を上がることが出来ました。3月ぐらいになって朝起きると足がもつれて変な歩き方の時がありました。


A大学病院整形外科・・変形性頚椎症・・・・すぐに手術することをすすめる

B大学病院・・・原因が分からずやはり頚椎の中で神経が圧迫している事で足の力が入らないのでは?手術は慎重に。

_______________

膝蓋腱反射亢進

フスクローヌス、わずかにみられる。

バビンスキ(ー)  トレムナー(ー)

軽度の痙性歩行

腰、腸腰筋、外側広筋、内側広筋、腓腹筋などに圧痛あり。

私の診断:頸髄マヒ(軽度)+MPS

頸髄マヒによる歩行障害にMPSが合併

頸髄マヒは軽度なのですぐに手術が必要かどうかは私は判断を控える。脊椎外科医と相談のこと。

圧痛点に局所麻酔を注射する。

とても症状は改善した。下肢が上がるようになりズボンが履けるようになった。

どれが頸髄マヒの症状でどれがMPSの症状なのか。

MPSを知っている医師はほとんどいないのでこのような症例は診断が苦手だと思う。



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by junk_2004jp | 2016-05-31 21:32 | MPS | Comments(0)
2016年 05月 31日

MPSの理解=痛みのメカニズムと心身医学

MPS(筋筋膜性疼痛症候群)を理解するツボは

「痛みのメカニズムを学ぶ」

「痛みの心身医学(心理・社会的)を学ぶ」

この二つが重要だ。

こじれた慢性痛は臨床心理士にでもなったつもりで対応する。

「傾聴・共感・受容・支持・保証」これがキーポイント。

鍼やTp、マッサージなどのテクニックも重要だろうが(これはもう卒業しているものとして)、ツボは心身医学にあると思う。

うまくいけばもつれて絡まった糸が解けるかもしれない。

症例

Aさんは数年前より右膝痛があった。一年ほど前より右下肢の広い範囲に痛みや痺れがあり座位や歩行に支障あり。

私の著書を本屋でみつけて「私のことが書いてある!」と思った。b0052170_4375884.jpg

それでいろいろやってみたが上手くいかなかった。

遠方から3日間治療にこられた。

圧痛点に注射してもあまり効果はなかった。

慢性痛用の薬に対しても効果はなかった。

先日@より診療に行かせていただいたAの夫です。先生に治療とカウンセリングしていただいたおかげで、帰ってきてから心が晴れ晴れした様子で、以前とは比べられない程、表情も明るくなって前向きになり、私もとても安心できました。



b0052170_453519.jpgこの本をお貸しした。次の日、目に涙がみられた。よくなる予感がした。

薬を希望されたので1剤処方した。


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by junk_2004jp | 2016-05-31 04:51 | MPS | Comments(0)
2016年 05月 27日

間質性膀胱炎と慢性痛

私の著書「トリガーポイントブロックで腰痛は治る」を読んだ泌尿器科医が私の主旨に賛同されて東京診療を見学に来られた。

夜間頻尿、睡眠障害、ドライマウス・ドライアイ、筋骨格系の慢性痛

これらは一連の病態なのだ。

いろんな病気があるのではなく一つの病態の症状なのだ。

慢性的なストレス(不安、怒り)→慢性的交感神経の緊張

泌尿器科医

「膀胱も筋肉でできていて、筋肉が緊張して容量が小さくなっているのです。膀胱内に局所麻酔を注入することもあるのです。」

私             

「第一選択薬はなにですか?」

泌尿器科医

「世界的にはトリプタノール(三環系抗うつ薬)です。」

「間質性膀胱炎、トリプタノール」で検索してみてください。たくさんヒットします。

トリプタノール(三環系抗うつ薬)は慢性疼痛の治療薬でもあります。

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by junk_2004jp | 2016-05-27 18:58 | 慢性痛 | Comments(5)
2016年 05月 25日

ザ・慢性痛

回復は局所の圧痛点の治療と、運動によって加速される。痛みが6ヵ月間あるいはそれ以上続くと、予後がだんだん悪くなる。圧痛点の局所治療は一時的緩和を生じるが、圧痛は戻ってくる。


慢性痛=神経障害性疼痛=心因性疼痛=身体表現性障害(疼痛性障害)

痛みの定義

「不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

痛覚系そのものが過敏になった状態(火災報知器の故障)=中枢性の痛覚過敏症

痛みそのものが治療の対象

トリガーポイント注射や鍼だけでよくなればいいのだが、そうとはかぎらない。

こじれにこじれた痛み。苦悶表情。

認知行動療法は基本だが、痛くて動けない。

痛みが神経質にさせるのか、神経質が痛みを慢性化するのか。

取り付く島もない。

薬はトラムセット、トラマール、リリカ、ノルスパンテープ、サインバルタ(三環系抗うつ薬)、リボトリールなど

何がどの程度で効くのやら。

Aさんはインプラント後、両下肢痛のため歩行困難になった。眉間にシワを寄せ、目を強く閉じて苦悶様。痛い痛いでまさに取り付く島がない。

トリガーポイント注射効果ない。トラマール注100mg打ってみたが・・。

あまりに痛みが強いため、入院生活が上手くいかず、数日で退院する。

帰り際にノルスパンテープを貼る。

帰宅してから電話があった。別人かと思うほどの明るい声だった。

「電車に乗っているときからすーっと痛みが消えて歩けるようになりました。入院中はわがままを言ってすみませんでした。」

私「それはよかったですね。ノルスパンテープが効いたのでしょう。主治医にいってしばらく続けてみてください。」

というようなことが今日ありました。

慢性痛は個人的な脳の活動ですから、エビデンスもなにもあったものではありません。


もう一つのエピソード

Bさんは以前からの患者さんです。

線維筋痛症(あるいは慢性の広範囲の筋痛症)で、時々、数日ホテルから通院されます。

薬は他医から三環系抗うつ薬がでています。

先生、今回も治療、本当にありがとうございました。すごく丁寧に注射していただき、感謝感謝です。

お蔭様で100%以上の治療ができて、体調もよくなり、回復にむかいだしました!!

右腕が~!と訴えておりましたが、実際には、右後頭部と首の付け根(耳の下あたり)にうっていただいた注射が、今回一番、体調回復にききました。

もちろん、右腕・指も、頭がゆるんで楽になりましたし、全身にうっていただいたのが、一番の理由だと思います。

いろいろなところが緩み出し、体調が回復してきました。もう本当に良かったです、安心しました。ありがとうございました。

あと、石川にいる間に「5月22日お誕生日おめでとうございます」とお伝えしようと思ってたんですが、遅くなってしまいました。

テニスの世界ランク1位、ジョコビッチ選手も5月22日が誕生日なんですよ。私は大ファンなので、不思議だなーって嬉しく思ってます。

今年1年も、加茂先生に、たくさんのしあわせが咲きますように、お祈り申し上げます。



慢性痛と一口に言っても、人それぞれです。糸口がどこにあるのか、不思議ですね。

ただ、フィニッシュに持っていけるかどうかですね。フィニッシュに持っていけなくても、人生をそれなりに送れれば上出来です。

慢性痛を診る医師は本当に自分の体を壊さないようにしないとね(笑)。


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by junk_2004jp | 2016-05-25 21:10 | 慢性痛 | Comments(0)
2016年 05月 24日

病名が不適切にもほどがある

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_594.htm

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疼痛学序説ー痛みの意味を考えるー Patrick Wall 著 横田敏勝 訳

筋筋膜痛症候群

線維筋肉痛症候群と異なり、筋筋膜痛症候群(myofascial pain syndrome)の痛みは1つの領域に限局している。圧迫が痛みを生じる圧痛点(トリガー点)がある。このときの痛みは、遠隔部に拡がり、患者が訴えていた痛みに似ている。

トリガー点の下に、ピーンと張った筋肉の帯を触れる。この帯にある筋肉を伸展したり、この帯に局所麻酔を注入したり、針を刺したりすると、痛みは緩和する。1930年代、初期の痛みの専門家のある人たちが、筋肉や靱帯の中に少量の高濃度食塩水を注射して、自分たち自身にこの病態に似た状態を再現した。痛みが注射部位から遠隔部に拡がり、丸1日間持続するのを感じた。患者はトリガー点やピーンと張った帯のある筋肉を動かせないかもしれない。あるいは、その筋肉を動かせば痛みが誘発される。筋筋膜痛症候群のトリガー点は、鞭打ち症のような脊椎損傷部位に現れるかもしれない。多数の研究者がトリガー点の領域から採取した生体組織を調べたが、異常は発見されなかった。ピーンと張った帯は収縮している筋肉によって作られるが、この収縮は痙撃するほど強くない。一部の人たちの痛みは、2ヵ月間続き、後遺症を残さずに消失する。対照と比較した研究はなされていないが、回復は局所の圧痛点の治療と、運動によって加速される。痛みが6ヵ月間あるいはそれ以上続くと、予後がだんだん悪くなる。圧痛点の局所治療は一時的緩和を生じるが、圧痛は戻ってくる。

これらの病態では、問題と原因が圧痛点になければならないと,患者たちが確信している。圧痛点にそれを納得させるような異常が見当たらないので、本書でもう馴染みになったサイクルが始まる。

多くの医師たちは、局所性の原因がない局所性の痛みはありえないと思い込んでいる。したがって、局所性の原因を証明できないので病気は存在しないと結論する。これは、赤ん坊から沐浴水を独断的に放ることと同じである。この病態については、検討に値する筋の通った仮説がある。たとえば、脊髄内の少数の運動ニューロンの興奮によって、興奮性が高まった領域にピーンと張った帯が生じる。そして、この領域が感覚を生じるというものである。註1)実際には、原因がないこの痛みは、医師たちがそれを観察したことを認めているのに、英国では正しい病名で診断されていない註2)。

1)訳者は、筋繊維の微小損傷と考えている。  2)わが国では数年前、トリガー点への局所麻酔薬注射の保険適用が認められた。



筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の診断基準 (Simons,1990)

International MYOPAIN Society

●大基準
1局所的な疼痛の訴え
2筋筋膜の圧痛点から関連痛として予測しうる部位での疼痛あるいは違和感
3触れやすい筋肉での索状硬結の触知
4索状硬結に沿った一点での強烈な庄痛点(ジャンプサイン)の存在
5測定可能な部位では、可動域のある程度の制限
●小基準
1圧痛点の圧迫で臨床的疼痛の訴えや違和感が再現する
2 圧痛点付近で索状硬結に垂直に弾くような触診を加えたり、圧痛点に注射針を刺すことで得られる局所的ひきつり反応
3筋肉を引きのばしたり(ストレッチング)、圧痛点への注射により疼痛が軽快する

診断には大基準5項目すべてと、少なくとも1つの小基準を満たすことが必用

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日本でもMPSを知っている医師はほとんどいない。

そのため適切な病名が使われていない。

病名が適切でないため、医師の頭は混乱していて、早期に適切な治療ができず、無駄な検査・手術を繰り返し慢性痛患者であふれている。

保険診療報酬も極めて不適切だ。

病名を適切に変更して、理にかなった診療報酬に改めれば、慢性痛患者は激減し、医療費もかなり下がるものと思われる。

椎間板ヘルニア 、脊柱管狭窄症 、坐骨神経痛 、頸椎症 、椎間板症 、神経根症 、すべり症 、分離症 、肩関節周囲炎、腱板損傷、頸肩腕症候群、胸郭出口症候群、テニス肘、手根管症候群、肋間神経痛、変形性関節症、半月板障害、アキレス腱周囲炎、腱鞘炎、足底腱膜炎、シンスプリント、・・・

これらの病名はすべてMPSだ。

急性痛=損傷の治療+痛みの治療 (ストレスが背景にある場合は痛覚閾値の低下があり当初より慢性痛のような様相を呈す)

慢性痛=痛み認知システムの治療

MPSの診断、治療には心身医学の知識が必要



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by junk_2004jp | 2016-05-24 04:35 | MPS | Comments(0)
2016年 05月 22日

「慢性の痛み対策in大津」に参加して

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痛みの慢性化を防ぐのにはどうしたらよいか?

慢性化してしまったらどうしたらよいか?

皆さんの知りたいところだ。それには、

痛みはどのようにして起きるのか?

痛みが長く続き慢性化することがあるのはなぜか?

痛みが広範囲に広がっていくことがあるのはなぜか?

このようなことを今の時代の生理学で説明されていることを、多くの人々が共有することが最も重要だと思う。

しかし、

「神経が圧迫、絞扼を受けると痛みやしびれが生じる」

「老化した組織、変性した組織、傷んだ組織は痛みの原因になる」

と整形外科医や脊椎外科医がさんざんいってきた、今も言われ続けていることが間違っていることに気づくことだ。

医学はあまりにも実利的なので、これらの従来の説は「誤診」ということになり社会的な混乱や影響がはかりしれない。

このようなシンポジウムでそこらへんが思い切って言えないのが残念に思えた。

痛みの診断、治療で大切なこと

中井吉英先生(元関西医科大心療内科教授)は問診と触診と述べられた。

機械診断(レントゲン、MRI、エコーなど)は痛みの診断には弊害がある。

そりゃそうだ。痛みは experience (体験、経験)と定義されている。他人の experience が機械診断で分かるはずがないのだ。

人は一旦そのような画像を見せられるとそれにこだわってしまう。

これは除外診断、怪我診断のため。

除外診断とは「悪性腫瘍、感染症、リウマチ・痛風」これらは病理学的に特異的疾患。これを除外する意味がある。

これらを除外すれば、痛みの原因は「外力」なのだ。

痛みは極言すれば電気信号。人間はホタルではない。

月で生活すれば、慢性痛は激減する。

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痛みの治療と組織損傷(図のB)の治療は別々のことなのだ。痛みの治療を優先すべき。

半月板損傷、腱板損傷、椎間板ヘルニアは中高年では健常人でも半数以上の人に見られるもので修復する必要はない。

痛みの悪循環が続いて、痛みを認知する中枢(脳)が過敏になったのか、

もともと痛みに対して過敏な脳を持っていたのか。(不安・うつ)←(発達障害、アダルトチルドレン)

慢性化した痛みの治療

学際的治療、集学的治療

医師(ペイン、整形、心療内科、精神科)、看護師、理学療法士、心理療法士、鍼灸マッサージ師、ケースワーカーなど

チーム医療が必要なわけだが、保険診療では賃金が保障されていない。。

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痛みはポリモーダル受容器の受容体で電気に変換されることからはじまる。

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脊髄後角から脊髄にはいり、大脳の背外側前頭前野に達する。

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その痛みを早く止めろ!

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自信を持って動くことがだいじだ。




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by junk_2004jp | 2016-05-22 11:55 | 慢性痛 | Comments(2)
2016年 05月 13日

脊椎外科医の誤診

症例

70歳代Aさん

今年4月中旬、ぜんまいを取りいく。ぜんまいは急斜面にはえているのでロープを両手で掴みながら降りて採取する。

背中にはリュックサックを背負う。

翌日より両手のしびれ(ジンジン)とお箸が持ちにくい。クビも痛い。

某病院のかかりつけ内科で相談したところ整形外科受診をすすめられた。

整形外科で「頚椎ヘルニア」で「もう少しで歩けなくなる。」と診断。手術を予約。

行きつけの整骨院の紹介で当院受診する。

両側前腕の外側伸筋、内側屈筋に圧痛点多数あり。クビにもいくつかの圧痛点あり。

30ゲージ(極めて細い)針でワンポイント0.1mlほどの0.5%メピバカインを注射した。

レントゲンは撮らなかった。

4日後、再診。症状はすっかりとれていた。

つまり、手のしびれやお箸が持ちにくいのはヘルニアのせいではなくて、一日中、ロープを持ってぜんまい採りをしていたので前腕の筋肉がコチコチになっていたせいなのだ。

こんなことは誰でもわかるのではないか。

もちろん脊髄麻痺症状はない。(病的反射なし)

将来脊髄麻痺が起こるかどうかは全く別次元の話だ。


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by junk_2004jp | 2016-05-13 20:37 | 急性痛 | Comments(2)
2016年 05月 09日

「痛みの駆け込み寺」より「いつでもどこでも簡単に痛みの治療」

家庭医や総合診療医が簡単に痛みの治療ができることが慢性痛を防ぐキーポイントになる。

痛みは国民性や宗教観、あるいは医療保健制度とも関係があるように思う。だから他国のエビデンスをそのまま持ってきても日本ではどうかと思う。

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この説明は間違いでしょう。

特異的⚪️痛とは病理学上の問題で「悪性腫瘍、感染症、リウマチ、痛風」。画像診断はこれらの有無をみるもの。

そもそも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が腰痛の原因にすることはできない。

特異的でない痛み=非特異的⚪️痛とは上記以外が原因となった痛み=外力がきっかけとなった痛み。

骨折は特異的な痛みではない。損傷が画像でわかるだけだ。

痛みの治療と損傷の治療は別の問題です。

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整形外科医はBを治療すると痛みが治ると思い込んでいる。

ペイン医も整形医の延長上の思考で伝統的に神経根、硬膜外、星状神経節を標的とする。

慢性化すると脳の認知に問題が生じるのだが、心療内科医の登場となる。もっとも最初より不安、うつがある場合は痛みの閾値が低く(痛みに超過敏)はわずかな外力(環境変化)で痛みが生じることがある。

整形外科医、ペイン医、心療内科医がそれぞれ独自の小さない視野の望遠鏡で痛み患者を診ている。

総合医が一人で全部をこなせばいよ。複雑な骨折の修復は整形外科医に頼む。

痛みの治療のキーポイントは「旬をのがすな」だ。痛くない方法で除痛してやることだ。急性痛を治すのは簡単だけれど、慢性化すると困難になることが多い。

レントゲンやMRIの所見で患者の不安を煽る診断は百害あって一利なし。

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by junk_2004jp | 2016-05-09 18:38 | 痛みの生理学 | Comments(0)
2016年 05月 01日

過敏になったポリモーダルを探せ!

症例  中学1年生

2年前、柔道で左膝を傷める。曲げ伸ばしが痛い。

半月板損傷と診断されている。関節鏡による手術を考えているとのこと。

当院の患者さんだった人のすすめで当院受診する。

過敏になったポリモーダルがあるはずだ!それを探せ。

レントゲン、MRI、関節鏡、エコーではわからない。

それを探すのは触診しかない。

圧痛点だ。圧痛点の直下に過敏になったポリモーダルがある。

それこそ痛みの犯人なのだ。

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半月板損傷が痛みの犯人ではない。ここの発想がキーポイントになる。

内側広筋に3〜4個の圧痛点があった。

30G、1cmの注射針でワンポイント1mlぐらい注射する。

過敏になったポリモーダルを眠らせてしまうのだ。

すぐに立ち座りしてもらう。

「痛くない」にっこりする。

半月板が痛みの原因だと思っている人にとってはこんな治療は一時抑え、まやかしと思うことだろう。

痛みの悪循環を止めて動かすことがいい結果をうむ。

ポリモーダルがなぜ過敏になり、2年たってもそれが続いているのか。

痛みの生理学だ。

ポリモーダルが過敏になるのは、リウマチ、痛風の内因性、悪性腫瘍、感染症でなければ外力でしかない。

起電は外力なのだ。

痛みの悪循環、つまり、痛いことが原因で次の痛みがおきる。

次第に痛みを認知、反応する中枢も過敏になる(中枢性感作)。

これが現在の痛みの生理学の教えるところだ。

ポリモーダルは半月板の損傷に反応して過敏になっているのではない。

つまりいつも言っているように「構造の修復」と「痛みの治療」は別問題と考えることだ。

中年になると膝の痛くない人も痛い人も同じ割合60%に半月板損傷があると言われている。

疫学的にもポリモーダルが半月板の損傷に反応していないことは明らかだ。

半月板を修復したところでポリモーダルの過敏が治るという保証はない。実際のところ手術成績はどうなんだろうか。術後も痛みが続く人はよくみかける。

半月板を修復して痛みも治るというのが理想かもしれないが、関節鏡自体が外傷となり新たな痛みのもとになる可能性もあると言われている。

半月板の損傷がその時の外力で生じたのか以前からあったのか、今となってはわからない。

いつのまにか骨折があるように「いつのまにか半月板損傷」もある。

同じことが椎間板障害にもヘルニアにも腱板障害にもいえる。

このへんの発想が整形外科医がとても苦手にしているところだ。

画像に写った構造異常が痛みの原因だと思ってしまう。異常がなかったら治療できない。

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この人は突き指で指の靭帯断裂をした。靭帯断裂は修復できなかったが痛みがないのでリング様の装具をつけて仕事をしている。

理想は靭帯も修復できて痛みもない。

もっとも悪い結果は靭帯修復もできず痛みもある。

次に悪いのは靭帯は修復できたが痛みがある。

痛みがあると人生が変わる。


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by junk_2004jp | 2016-05-01 23:26 | Comments(1)