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2017年 07月 23日

慢性疼痛患者の心得


慢性疼痛患者の心得

患者と家族の心得

慢性疼痛患者さんが心得ておくこと
痛みが長引くと、痛みのことしか考えられなくなってきます。
脳の「痛みを感じる部分」と「感情をコントロールする部分」は非常に近い所にありますので、感情は痛みの感じ方に大きく影響します。落ち込んだりストレスがかかった時に痛みが悪化するのは、この理由によります。特に「うつ病」と「慢性の痛み」は、深い関係があることが知られています。

また、「今日はいつもより痛いようだ」「あ、今痛みが来た。こんどはまたいつ痛むだろうか」「一生このままだろうか?」と痛みについて繰り返し考えることで、脳の「痛みを感じる部分」と「感情をコントロールする部分」が刺激され、痛みの神経回路がヒートアップして、過剰な活動を始めてしまいます。つまり、思い詰めれば思い詰めるほど、痛みはひどくなるのです。

こうして長い間繰り返し考え続けると、脳の痛みの回路は勝手に働き続けるようになります。こうなると、実際に体に異常がなくても、激しい痛みを感じるようになります。最終的には、脳の痛みを解釈する部分が異常をおこし、頬や足の筋肉を指でちょっと押しただけでも、「痛い」と感じるようになってしまいます。こうなるとかなり治療が難しくなります。
この状態は患者さんが自分で作り出してしまうことが多いため、ここでは、「難治」にならないための心構えをお話しします。


<自分で痛みをコントロールする方法を身につける>
* 痛みについて考える時間を減らす
何かに気を取られたり、集中しているときには痛みを感じないことが多いと思います。そのようなことを見つけ出し、痛みから気をそらせるよう努力してください。
この「何か」を見つけて、それに集中し、痛みを忘れている時間を増やしてください。(このことを「コーピング」といいます。)
「痛みについて考える時間を減らすこと」は、「脳の痛みの神経の過剰活動を減らすこと」とイコールです。
このコーピングがうまくいくと、薬の効果が現れやすいという大きなメリットがあります。全く薬を使っていない患者さんでも、「痛みはあるが気にならない」という、不思議な状態で治療を卒業していく方もおられます。
逆に、どんなにたくさん薬を服用しても痛みについて考え続けていると、薬の効果は相殺されてしまいます。

* 落ち込まない
「この痛みには治療法がない(に違いない)」「本当に治るのだろうか?」「この痛みで私の人生はめちゃめちゃだ」などという考えが心に浮かんだら、その悲観的な考えをすぐに中断してください。落ち込むと、痛みが悪化するだけではなく、痛みを克服しようとする意欲まで失ってしまいます。

* 一人でぼんやりする時間を避ける
多くの場合、忙しいときには痛みを感じません。
逆に、「家でぼんやりテレビを見ているとき」、「寝る直前、なにもすることがないとき」などには、痛みが強く感じられます。
こういうときに感じた痛みが、また患者さんを落ち込ませます。ですから、何か夢中になれること、空虚ではない時間を意識的に作っていくことが大事です。

* 趣味や気晴らしを有効に利用する
慢性の痛みを持つ患者さんの多くは、今まで好きだった趣味や、友達との外出、旅行などをやめて、家に引きこもりがちになります。痛いので出かけるのをためらってしまう気持ちはわかりますが、そうして独りで家に引きこもることで、ますます痛みのことを恨めしく考え続ける環境を作ってしまいます。
今まで好きだったこと、好きだった人との活動は続けてください。


<家族や社会から孤立しない>
* 建設的な生活を続ける
朝、決まった時間に起きて、決まった時間だけ家庭や社会で働くという建設的な生活を放棄しないでください。痛みが長引くと家事を放棄したり仕事を辞めてしまうことがありますが、健全な生活のパターンが崩れると、徐々に、一日中痛みのことを考えながら寝て過ごすようになってしまいます。こうなると、治療はかなり難しくなります。

* 痛みがあっても、「やるべきことはやる」
痛みを理由に、予定された行動をキャンセルしないでください。痛みがあっても、家事や仕事などの「やるべきこと」は今までどおり行うようにしてください。

* 痛みを食卓の話題にしない
慢性顔面痛患者さんの9割は女性ですが、痛みにとらわれた生活では、朝起きたときから自分の痛みについて家族にぐちを言い続けてしまうことがあります。繰り返し痛みについて話し続けることは、脳の痛みの回路を活性化させて、痛みを悪化させる原因になります。
また、うんざりした家族があなたを避けるようになり、孤立してしまうこともあります。痛みのことは、必要最小限の話題にしてください。

*疼痛緩和よりも社会復帰を
慢性疼痛(特に非定型顔面痛・非定型歯痛)の最大の問題は、患者さんが社会生活を止めて、家に閉じこもってしまうことです。ひどくなると、一日中横になっているような状態になります。
非定型顔面痛・非定型歯痛は命にかかわる病気ではありませんが、痛みのために、人生の重要な時期を引きこもって過ごし、仕事、友人関係を失ってしまう人は少なくありません。気がついたら、結婚の機会や仕事を失い、両親もいなくなって、経済的に立ち行かなくなっていたということにならないよう、「社会生活を続けること」、「社会に復帰すること」を第一目標としてください。


<その他の注意>

* 家族に依存しすぎないこと
患者さんが家族に依存し、家族も過剰に手厚く患者さんの世話をしている場合には難治になることがあります。
「痛みがあること」で、なにか得をする・嫌なことをしないですむことを「疾病利得(しっぺいりとく)といいます。「家族が大事にしてくれる」「家事をしなくて良い」などが代表的な「疾病利得」です。
そして、「疾病利得」がある場合には難治です。本人が無意識に治りたくないと思っているためです。

* 筋肉をリラックスさせる
体に力が入り、筋肉が固くなってしまわないように気をつけてください。軽い体操や、こっている場所に温湿布をあてるのもいいでしょう。筋のこりは、痛みを悪化させます。
また、浅くて速い呼吸もやめて、お腹から、ゆっくり深く呼吸してください。


<患者さんの家族が心得ておくべきこと>

* 疼痛性障害の痛みは、患者さんの脳が感じている痛みで、本物の痛みです。仮病扱いして、患者さんを責めるのは筋違いです。

* 患者さんに、「まだ治らないのか」とか「我慢できないのか」というようなプレッシャーを与えるのは逆効果です。ストレスは疼痛を、一層悪化させます。

治療を妨げるような事をしない。(第一選択は、抗うつ薬による薬物療法です。中途半端な知識で、抗うつ薬の減量を忠告したり、他の習慣性のある薬や健康食品を勧めたりしないこと。)

患者さんをいたわりすぎることも、痛みを悪化させる可能性があります。患者さんが自分でできること、今までやってこれたこと(家事など)は、患者さんに任せてください。毎日痛みについて長々と話を聞くことは、患者さんの意識を痛みに集中させるため、逆効果です。必要以上に痛みを家族の話題にしないことが重要です。


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by junk_2004jp | 2017-07-23 10:51 | 慢性痛 | Comments(3)
2017年 07月 13日

怒り

次のような相談メールしばしばあり。
なんとも腹立たしい。
医師は悪意は決してないのだが、なぜ勉強しないのだ、なぜ反省しないのだ。なぜ同じ事を繰り返しているのだ。

この病院で手術した患者をたくさん診てきた。
この病院は腰痛治療で有名なのだが笑わせる。
専門医ってなんなんだ?
早期に適切な治療をすればこの患者の人生はよい方向に向かったものを。
この患者、もし私が最初から診ていればレントゲンも撮らないで、数日〜数週で回復しただろう。
私は1年前に腰椎椎間板ヘルニアになりました。
そして、A病院で受傷2ヶ月後、3ヶ月後に開窓術を2回、受傷6ヶ月後に脊椎固定術を1回、合計3回の手術を受けました。
4月から仕事復帰していましたが、6月の初めに箱を持つ作業をしていたら右足と腰に激痛が走りました。その後、右足の痛みと痺れは取れないです。
A病院を受診しましたがレントゲンで見る限り固定した所のズレもないし特に異常なしとのことでした。
薬を飲んで今も自宅療養で安静にしているのですが良くなりません。それどころか、左足、左手にまで痺れを感じるようになりました。
イライラした気持ちでいたところ、仲間の整形外科医から著書「脊椎外科の罠」ーある医療難民からの衝撃の叫びー
という本が届いた。
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手術は成功、しかし消えない腰の痛み。あの診断は正しかったのかー?
真実を求め立ち上がった患者たちに、仕掛けられた数々の罠。
10人に1人は腰痛を患うとされるこの時代。
これはあなたにも起こりうる物語。
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by junk_2004jp | 2017-07-13 20:45 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(2)
2017年 07月 11日

椎間板ヘルニアは腰下肢痛の原因ではありません(2例)

症例1:本を読んだだけで、症状はかなり改善していました。ヘルニアが痛みの原因ではありません。心理・社会的疼痛症候群=筋筋膜性疼痛症候群です。
歩行困難な中ふっと手にした先生の本。呼ばれた気がします…。ヘルニアが大きいので思い切ってオペをしたらどうかっと言われました。今年1月にも1度動けなくなりヘルニアが少し出てきたのでリリカと湿布が出されました。夜勤中に脚が動かなくなり退職しました。4月5月と痛みしびれもなかったのですが6月は寝たきりに近い生活でした。
手術かぁ~っと落胆していたところ、先ほど本屋で偶然先生の本が目に入り読むにつれて、いてもたってもいられず御連絡した次第です。昼には手術をして生まれ変わるしかない(笑)っと自分に言い聞かせていました。専門医の先生にまだまだ働きたいので歩ける様にして下さいっとお願いしたら、手術しか…。のお返事でしたので。ところが偶然にも午後にはこの本に出会い、今日読めて良かった!運命を感じました!お忙しいとは思いますが、さっそく伺います!本当にこんな出会い!ないですよね!嬉しくて長々と書いてしまいました。

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症例2

1年半前にヘルニアと診断されて、腰から下半身にかけて慢性的な痛みが続いており生活に支障をきたしております。

平成28年(西暦20164 1回目のMRIの検査で、ヘルニアと脊柱管狭窄症があると伺いましたが、

脊柱管狭窄症で神経が圧迫されているのかの確認のため、ブロック注射を行ない一時的に神経を麻痺させた結果、痛みが全く感じなくなり、ヘルニアと脊柱管狭窄症だという診断結果が確定されました。

上記の結果をふまえ手術を検討しましたが、家族から手術よりも加茂先生の行なう治療法を薦められ、時期を考慮していました。


前略、4日間お世話になりましたAです入院前には、ともて気持ちがめいり、将来も不安になっていましたが、先生に治療していただいてから、痛みスイッチがオフになり始め、気持ちも穏やかになりました。

体を動かしながら、心もポジティブに生活してまいりたいと思っております。本当に有難うございました。


Aさんは入院されてトリガーポイント注射ですぐに症状がなくなりました。
お話を聞くと子供のころより緊張→痛みのタイプでした。(厳しい父親)
ヘルニアや脊柱管狭窄が痛みの原因になることはありません。
心理・社会的疼痛症候群=筋筋膜性疼痛症候群です。


疼痛学序説ー痛みの意味を考える Patrick Wall

椎間円板の役割について外科医の混乱は、突出した椎間円板を取り除く手術の割合が、国によって大きく異なることに反映されている。10年前に10万人あたり英国では100人、スウェーデンで200人、フィンランドで350人、米国で900人であった。この割合は現在下がり続けていて、神話がばらまかれて、少数の人の利益になるが多くの人の不利益になるような不名誉な時代は終わった。不利益をうけたある人たちは、手術の結果、明らかにいっそう悪くなった。



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by junk_2004jp | 2017-07-11 20:52 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(1)
2017年 07月 10日

オーストラリアの慢性痛対策のビデオ

慢性痛は3ヶ月以上続く痛みで中枢(脳脊髄)で痛覚が過敏になった状態で痛みそのものが治療の対象です。

火災報知器がとても過敏になって、お湯を沸かしたりタバコに火をつけたりしただけで鳴り出すような状態です。

強い痛みなら数時間で慢性痛になることがあります。

悪性腫瘍、感染症、自己免疫疾患(リウマチなど)、痛風、偽痛風は特異的疾患で、除外してください。

慢性痛=神経障害性疼痛=中枢神経の可塑性疼痛≒心因性疼痛

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by junk_2004jp | 2017-07-10 01:26 | Comments(0)
2017年 07月 08日

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が痛みやしびれの原因になることはありません

「椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄が神経根を圧迫、絞扼してその神経根の支配領域に痛みやしびれが生じる」これ間違いです。

この間違いを専門医が言っていますので気をつけて。

クビや腰の手術をして慢性痛に苦しんでいる人をたくさん診てきました。

生理学的には全く間違っています。

神経は圧迫を受けても何も生じません。絞扼されると痛みやしびれではなく麻痺が起こります。この麻痺は神経症状です。

痛みやしびれは神経症状ではありません。

健常者でも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄はごく普通にみられます。

痛みは悪循環する、痛みは広がる、痛みは慢性化する、痛みは変化する。

このような事実を説明するには「筋痛」しかないのです。

Aさんは数日ホテルから通院を3回くりかえされました。

X月Y日
Aと申します(@県在住55歳)。TVで拝見させて頂きました。
半年前に腰痛と足のつっぱりしびれ等があり整形外科にて診察頂き脊柱管狭窄症、間欠性破行と診断されました。治療法はブロック注射痛み止投薬、ビタミン剤です。
3、4分も歩行すると坐骨、(両足)太もも裏側から脹脛の痛み、しびれがあり、なかなか良くならず難儀しております。
遠方なもので予約診療等あれば教えて頂きたいのですが、宜しくお願い致します。
1週間後
お世話になり随分と楽になり先生、看護師さん、スタッフの皆様には大変お世話になり感謝申し上げます。
3週間後
治療をして頂き大変楽になりありがとうございました。腰、お尻から脹脛の痛みがまだあります。来月8日から4日間の予定ですが宜しくお願い致します。
6週間後
先生、ありがとうございました。また楽になりました。治療を受け確信できた事、腰痛=ヘルニア、狭窄症、間欠性破行…等々はすりこまれた情報と神経が痛いと言う誤った概念と思い込みであり、今まで治療をし良くならない、治らないからと、また、他の整形外科へと、まるで整形外科難民のような私も先生とお会いでき解放されました(笑)。改めて感謝申し上げます。

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by junk_2004jp | 2017-07-08 04:09 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(1)