心療整形外科

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2004年 11月 02日

むち打ちは損傷か?

損傷と痛みはいつの場合も分けて考えるべきです。それらは比例関係がありません。

損傷があるのなら損傷の手当、痛みがあるのなら痛みの手当を別々にするということです。

「むち打ちは損傷か?」ということですがそれを証明することは困難に思えます。ヘルニアが見つかっても今回の外力で生じたという証拠はありません。分からないというべきでしょう。

しかし、経験上、また多くの文献では必要以上に安静を保つべきではないといわれていますので「損傷」というよりは「強い一過性の衝撃」と考えています。それで私は「外傷性頚部症候群」という損傷か損傷でないのか曖昧な病名をつけています。

ストレスによって筋骨格系にすぐに痛みを作るタイプの人がいます。(私はそのタイプではありませんでストレスが皮膚に出るタイプです。)そのようなタイプの方が追突事故にあいますと、そうでない方よりも強く痛みがでるものと思います。それは個人差です。

外傷が引き金になって「うつ状態」になっても不思議ではありません。(素因の有無にかかわらず)外傷を引き金とした反応性のうつ状態という病名にして診断書を書くこともあります。このようなことは裁判がからんでくることがありますから医師は注意をして言葉を選ばなくてはいけません。

構造異常(ヘルニアなど)と痛みの関係は明らかでないわけですから、慢性化した痛みはうつ状態によるものとして治療したほうがいいでしょう。ヘルニアの有無は忘れた方がいいでしょう。
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# by junk_2004jp | 2004-11-02 18:28 | 交通事故診療 | Comments(0)
2004年 11月 02日

うつの痛みと侵害受容性疼痛

うつの痛みも基本的には侵害受容性疼痛です。うつ状態は慢性的な交感神経緊張状態にあるのです。下図は侵害受容性疼痛の図ですが交感神経の緊張は外力によってもストレスによっても起きることを示しています。
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痛みの悪循環がおきて6ヶ月を超えて痛みが持続すると「慢性痛」ということがあります。帯状疱疹後神経痛、神経損傷、幻視痛、癌性疼痛など特殊なもの以外、慢性痛は侵害受容性疼痛が慢性化したものです。

下図において侵害受容性疼痛は第一現場と第二現場の情報のやりとりです。慢性化とともに脳の責任が強くなってくるように思えます。
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# by junk_2004jp | 2004-11-02 18:01 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)
2004年 11月 02日

専門医

日本には全身を診てくれるホームドクターであるGPの制度がなく、いきなり専門医に行くために、たとえば整形外科のドクターは抗うつ薬の使い方に詳しくないし、精神科のドクターは椎間板ヘルニアなど知ったことではない、など、慢性疼痛障害の患者さんは、日本では適切な治療を受けられずに、なかなか治らないことで自分を責めて苦しんでいるケースは多いのではないかと思います。

以上、あるサイトから引用。

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そうなんです。みんな専門医になりたがります。日本ではこの肩書きはあったほうがいいでしょう。専門医のほうが何となく位が上のように思われるかもしれませんからね。

医師のほうからすれば専門医のほうがそれは簡単だと思いますよ。あけてもくれても同じことをやっているわけですから。GPのほうがいろいろなケースで的確に判断しなければいけないのですから専門医よりも難しい仕事だと思います。専門医のほうがいろいろ経過も分かることが多いですし、初診の医師より恵まれているわけです。

日本では臓器別の専門医ですから、自分の眼鏡でしか病気を見ることができない人がいます。視野が極めて狭いのです。だから最初から専門医に診てもらうのは考え物です。

理想をいえば症状別の専門医がおればいいのです。たとえば「筋骨格系の痛みの専門医」「めまいの専門医」などです。

精神科医はむち打ちやヘルニアに対してはほとんど知識がない、あるいは責任を持って説明できない、あるいは他科の領域を侵したくない、ということです。

整形外科医はうつや神経症に対しては精神科医とむち打ちやヘルニアの関係と同じことになります。
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# by junk_2004jp | 2004-11-02 17:28 | 医療不審 | Comments(0)
2004年 11月 02日

気づかない人

Bさん(70歳代、男性)はいつも気むずかしい不機嫌な顔をしています。70歳までは建築関係の職人でした。1ヶ月前よりAM4時ごろになると左のお尻の部分がやめて(本人弁)目が覚めるようになりました。日中はほとんど気になりません。時々耳鳴りがするので耳鼻科で診てもらったことがありますが異常なしとのこと。一時、右肩が痛くて動かすことが困難となりある整形外科で診てもらって手術を勧めたれたが、放置している間に治癒。心臓のあたりがチクチク痛いので内科で「心筋梗塞」(?)といわれ現在薬を続けてのんでいる。夜間頻尿あり。

仕事をやめた数年前からなんやかやと医者通いが始まったわけです。本当に心臓疾患があるのか疑問に思いますが・・・。

Bさんは以前より当院の患者さんで数年に1度数回の通院で腰痛が治っていましたが今回はなかなか治りません。Bさんにストレスの話をしても全く通じません。Bさんの顔がますます不機嫌になっていきます。

「お薬を飲んでみましょうか。」
「内科の薬を飲んでいるからいやだ。」
「そういわずに、寝る前に安定剤を飲んでごらんなさい。」といって処方しました。

「お薬を飲んでどうでしたか?」
「何にも変わらん。」

「注射の効果はありますか?」
「よくならん、前はすぐによくなったのに。」
「で、今日は注射はどうしますか?」
「してくれ」

マッサージしたり、電気あてたり、牽引したり、Bさんの症状が治まるのを待つよりしかたがないです。
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# by junk_2004jp | 2004-11-02 12:39 | 症例 | Comments(0)
2004年 10月 31日

21世紀の脊椎治療の重圧に直面:今後の医療の行方は?

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_325.htm

腰痛は脊椎疾患か?筋疾患か?脊椎治療?

ほとんど(圧迫骨折、腫瘍、感染症以外)の腰痛は脊椎に関する知識がなくても治療可能。

脊椎の専門家が脊椎にほとんど関係のない腰痛について論議をしているということの矛盾。

侵害受容器と発痛物質と脳が関係した疾患である。二次的には筋肉も関係。下図のパーツさえあれば腰痛でも背痛でも頚痛でもおきる。

突飛な話、人間が無脊椎動物だったとしても・・・・・

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# by junk_2004jp | 2004-10-31 20:36 | 慢性痛 | Comments(1)
2004年 10月 29日

全く痛くないですって!

Aさん(78歳、女性)は本日インフルエンザの予防注射のために来院されました。

3年ほど前は両膝が痛くて通院していらっしゃいました。痛みが強いため何度か往診にいったこともあります。

今は全く痛くないそうです。このようなケースはしばしばあるのです。

「軟骨が減っているから痛い、軟骨は再生しない、だから一生痛みと付き合っていかなければならない」という先入観が一部の医師にはあるのです。だからこのようなことを不思議に思うことでしょう。

患者さんにはそのような考え方を押しつけないようにしましょうね。

痛みは損傷モデルではなく生物・心理・社会的疼痛症候群モデル、Total Pain (全人的痛み)なのです。

悲観的な見方をするより楽観的な見方をしたほうが治ることでしょう。治癒を保障することは大切なことだと思います。
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# by junk_2004jp | 2004-10-29 12:37 | 症例 | Comments(2)
2004年 10月 28日

整形外科医よもっと心身医学を!

70歳代、女性、昨年12月、ぎっくり腰、A病院受診。しだいに痛みは右大腿部に移る。B病院受診、入院、ミエログラフィーで神経が圧迫されているということで「脊柱管狭窄症」の診断を受ける。C医院でリハビリを続け、薬(消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、血行改善剤、胃薬)も続けて飲んでいるがよくならない。数日前より左わきばら痛が出現する。急に息苦しくなって病院に運ばれたことがある。(パニック障害でしょう)

ご子息が私のHPを見て病態を教えてもらい理解されて来院されました。

左腰、臀部、大腿~膝にかけて圧痛点が多数あり。寝付きはよいが朝早く目が覚める(2時半~4時半)。食欲不振、体重減少、頭痛、口渇き、疲労感、考えがまとまらない。

圧痛点をブロックすると痛みはなくなりました。構造異常によるものではなくうつ状態による症状と判断し抗うつ薬を飲むことにしました。今までの薬は中止しました。脊柱管狭窄症があるからうつ状態になったのではありません。ストレスがうつ状態の原因でしょう。

最初のぎっくり腰も「寝違え」と同じことでストレスによるものと思います。脊柱管狭窄症という病名は画像診断上はそうであったということで、今の症状の原因とは思えません。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_93.htm

痛みがあっちこっちに動くことはよくあることです。おそらく、きっと、必ず、治ると思いますよ^^。
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# by junk_2004jp | 2004-10-28 12:31 | 症例 | Comments(0)
2004年 10月 27日

寝違え

今日、MR(医療担当者に医薬品の適正使用・有効性・安全性などに関する情報の提供・収集・伝達を行う仕事)のAさんが寝違えで受診しました。

圧痛点のブロックですぐに治ってしまいました。ほおっておいても数日で治ってしまうでしょうが不便ですし憂鬱です。

寝違えは筋肉の強い収縮が原因ですが、夜寝ているとき(無意識の世界)に頚に力が入っているのでしょう。ストレスが原因です。

顎関節症、緊張型頭痛、朝の手指のこわばり、しびれなども同じ理由だと思います。
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# by junk_2004jp | 2004-10-27 19:42 | 症例 | Comments(0)
2004年 10月 26日

損傷と痛み

損傷と痛みは分けて考えるようにすべきです。それらは比例するものではありませんし、損傷が治れば痛みも治るというものでもありません。あきらかな損傷がないから痛みもないということもありません。

損傷があるのならその程度に応じて損傷部を相応の方法、期間、固定すべきです。
痛みを伴っているのなら早期から痛みの治療をすべきでしょう。損傷が治癒したあとも痛みが続くこともあるからです。また痛みの治療を積極的にすることは損傷の治癒にも好影響を及ぼします。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_44.htm
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ではむちうちは外力が加わったわけですが「損傷」なのでしょうか「衝撃」なのでしょうか?

「今の医学ではむちうちが損傷なのか衝撃なのか分かりようがありません。損傷があったとしても微少損傷であきらかな損傷ではありません。衝撃が加わったという表現のほうがいいかもしれません。」

損傷でも衝撃でも交感神経の緊張がおこりますが、その程度は大きな個人差があります。

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_143.htm

http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_231.htm
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# by junk_2004jp | 2004-10-26 01:39 | 急性痛 | Comments(0)
2004年 10月 05日

脳の不思議

TVで超能力による遠隔透視をやっていた。スパイ活動や犯罪捜査に利用されている。人間のもっている能力は計り知れない。

遠隔透視をしているときの脳の電気的活動の状態は、視覚領野は活動していないのに、それを認識(読み解く)する部分の脳が活発に活動している。つまり、見ていないのに見える、という状態だ。

これを「痛み」に置き換えてみると視覚領野は大脳皮質知覚領野になる。そこが全く活動していないのに、それを認識する部分の脳が活発に活動しているという状態が心因性疼痛でないかと思っている。

知覚領野がわずかに活動しているのにそれを認識する部分の脳が強く活動している場合もあると思われる。それを数量化できないのでどこからを心因性というかを決定するのは事実上できない。

遠隔透視を「心因性視覚」といってもよいのだろうが、やはりちょっと違和感を感じる。

痛みの治療は大脳皮質知覚領野の電気的な入力をストップさせる、または認識する脳の活動を沈静化させるということになる。

大脳皮質知覚領野の電気的活動の入力は末梢神経の先端についている侵害受容器から行われる。神経の途中から入力されることはきわめて特殊な例以外にはありえない。(だからヘルニアが原因になることはない)

痛覚は他の感覚と違い慣れるということはない。マッチポンプを繰り返し次第に強くなることがある。

私のしている仕事は局所麻酔で侵害受容器の活動を一時的に止めてやることだ。そうすることにより知覚領野の活動は止まり、それを認識する脳の活動も止まる。そしてマッチポンプが止まるということだ。
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# by junk_2004jp | 2004-10-05 22:52 | 慢性痛 | Comments(0)