心療整形外科

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2004年 11月 28日

ストレス前後の痛み

清原選手が2000本ヒットを打った、たしか次の日、背筋痛で、それが終わったら腹痛で試合を休みました。

緊張した仕事が終わったとたんにどーっと疲れや痛みが出るというパターンではなかったかと思います。そうでないかもしれませんが。

先日72歳の男性が左大腿部の裏側が急に痛くなり出して跛行を呈して来院されました。何も原因と思われることがない、過去にこのようなことがない、とのことでした。

大腿部の裏側の圧痛点3ヶ所をブロックすると治りました。「ホンコサン」(報恩講)というこの地方の仏事の役が終わったところでした。

痛みの出現は物理的外力的な出来事よりも、このようにストレス的なことと関係しているものです。

掲示板にお礼を書いてくださいましたヨッシーさんが先日ぎっくり腰で来院されました。大阪、東京と出張があるそうです。
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# by junk_2004jp | 2004-11-28 18:17 | うつ・不安・ストレス | Comments(4)
2004年 11月 26日

あたりまえ感の見直し

圧痛点が痛みの起きている場所です。あたりまえのことなのに、根性痛とか、根由来の関連痛とか、仙腸関節由来の疼痛とか、椎間板性疼痛とか空想上のことを考え出すから迷路にはまり、結局は説明に矛盾を来すのです。

最新の疼痛治療戦略
これはH16年5月第77回日本整形外科学会学術集会LUNCHEON LECTURE(昼弁当を食べながら受けるレクチャー)のもので、東京大学大学院医学系研究科 生体管理医学講座麻酔学教授 花岡一雄先生の講演です。

神経根やヘルニアやその他の構造上の破綻の話題は出てきません。最新の疼痛治療戦略にはそのようなファクターは含まれていないわけです。これはもっともなことで、痛みとそれらの関係はないということです。

交感神経ブロックや硬膜外ブロックなどでインパルスの入力を抑制する、上位中枢へのルートを切断する、痛みの認知を抑制するといったことが必要となる

神経ブロックの意味はこういうことです。痛みの悪循環を遮断することによって痛みを終息させようとするのです。

トリガーポイントブロックしらみつぶしゲリラ一掃作戦、簡単、痛くない。発痛物質の物理的な洗い流しも期待できる。
神経根ブロック一ヶ所集中待ち伏せ作戦、ABCDE点で起きた痛みが全部その神経根を通るとはかぎらないので確率わるい。透視をしながら行う。ブロック治療に痛みや恐怖感を伴うことが多いと聞く。発痛物質の荒い流しは期待できない。私はなぜわざわざするのかわからない。
硬膜外ブロック広範囲待ち伏せ作戦、広範囲に神経根に薬液がいきわたるのでその量やブロックする時の体位が影響か。発痛物質の荒い流しは期待できない。

医師は神経根に原因があると思っているので神経根ブロックや硬膜外ブロックを行うことが多いが期待するほど効果があがっていないようだ。わざわざ、痛みの通るであろう神経根に待ち伏せして攻撃しなくてもよさそうなものに。
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# by junk_2004jp | 2004-11-26 17:20 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2004年 11月 24日

本日の症例

Aさん(50歳代、男性、会社員)はぎっくり腰のたびに来院されます。今回は昨日(勤労感謝の日、休日)家で庭仕事をしていて急にギクッと腰にきました。これで十数回目だそうです。不思議なことにいつも休みの日に家にいるときに起こるそうです。会社で仕事をしているときにはなったことがありません。このようなことも、物理的な原因というよりか心理的な原因を示唆します。ストレスから解放されたときが危険な時間帯です。

Bさん(70歳代、女性)は1ヶ月前より左膝が痛くなりました。正座はできません。「前に右膝が痛くなって頭がパーになって計算もできなくなった時、先生になおしてもらいました。」(本人談)私は忘れていましたのでカルテを探してみました。
H12年5月来院。1月に右膝をひねってより痛む。右膝には水が溜まっていました。眠れない、食欲ない、疲れる、外出したくない、といった症状がありました。「うつ状態」に伴う関節炎と診断し、抗うつ薬投与とともに関節炎の治療をして約4ヶ月でほぼ治癒。
今回は右は全く痛みはない、左膝内側に圧痛点、水はたまっていない。圧痛点をブロックするとすぐに膝痛はとれてしまい正座ができるようになりました。

病名は前回も今回も「変形性膝関節症」とつけましたが、前回と今回とでは大きな違いがあります。大きなストレス(情動的)が関節炎を起こし水がたまるのではないかと考えています。今回は膝周辺の筋筋膜痛(心身症レベル)ですぐによくなると思われます。

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# by junk_2004jp | 2004-11-24 18:17 | 症例 | Comments(1)
2004年 11月 23日

矛盾に気づくには

ヘルニアや腰痛の従来の説明に対して疑問をもつには、ある程度の基礎的な知識が必要です。患者さんが基礎的な知識を持っていることは少ないので患者さんが疑問を持つことはあまりないでしょう。

整形外科医や医療従事者には基礎的知識はあります。整形外科医で従来の説明に何の疑問も持たない人がいるはずはありません。

神経根部にいかなる理由を付けて責任を求めても、圧痛点の説明はできないし、本を読んだだけで治る人がいたり、手術をしても治らない人がいたりする事実をうまく説明できないのです。

インターネットの掲示板をみているとよく言われる言葉は「ヘルニアはいろいろな治療がある。自分にあった治療法をみつけよう。」これは一見バランスのとれた意見のように見えますが、医師が診察室で患者さんに言ったとしたらどう思われますか。

次のようなメールをいただいたことがあります。私がすべてをクリアカットに説明できるはずもありませんが、臨床経験、臨床所見、文献検索、生理学的考察、体験談、民間療法などを総合的に考えると現在のところ私の主張とならざるを得ないのです。

http://junk2004.exblog.jp/d2003-12-12

先生のホームページをみて大変参考になったばかりかいままでもやもやしていた事柄がすっきりいたしました。特にMRI所見と症状・病態との関係が必ずしも一対一対応しない点につき、やはりそうであったか!と気が楽になりました。さまざまな書籍、先生方のお話を聞くよりも勉強になりました。どうもありがとうございました。

先生のHPを拝見していままですっきりしなかったことがよく理解できるようになりました。大学で教えられることと実地の現場があまりに乖離していて何をよりどころに治療していけばいいのか迷っていたところでした。 

はじめまして。当方、B県のC整形外科医院の理学療法士をしております、Aと申します。先生のHPを拝見させていただきまして、普段疑問に思っているところを洗いざらい解決するように感じ、うれしさでメールを送らせていただいた次第であります。先生の集められた文献は、ぜひとも多くの痛みに悩む方々に参考にしていただきたいと考えております。
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# by junk_2004jp | 2004-11-23 01:42 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)
2004年 11月 22日

自明の理

痛みやしびれ(神経原性麻痺のことではないですぞ)に対して画像診断は無意味である。(悪性腫瘍、骨折、感染症の除外診断の意味はある)

画像診断は痛みや痺れに無意味であるをいう時にはこのように但し書きをしなければならないのがややこしいところである。これはもう自明の理であるにもかかわらず、いまだに信奉している人がいることは驚きである。

そのようなことを言っている医師は看護師を雇用するときMRIやレントゲン所見を履歴書に添付してもらわなくてはいけません。分離症やすべり症があるのなら雇用すべきでないかもしれません。またヘルニアの有無も検査しておくべきでしょう。労働のためヘルニアになったといわれるかもしれませんから。画像所見のある人は看護師として雇用するのは不適当かもしれません。

お見合い写真にも添付してもらったほうがよいかもしれません。

保険加入のときも画像所見の有無は考慮されるべきでしょう。

これらはブラックジョークです。人権侵害ですね。画像所見と痛みは無関係です。
「画像所見と痛みは関係ある。」と主張するなら、看護師を雇うとき検査をして、所見がある場合はそれに見合った労働環境にすべきでしょう。

患者自らが先頭にたって「痛みやしびれの原因を構造上の欠点にするな」というキャンペーンをすべきでしょう。上記のようないわれのない差別が生じることも考えられなくもないからです。
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# by junk_2004jp | 2004-11-22 11:53 | 慢性痛 | Comments(2)
2004年 11月 21日

バックレターより

今日のファイルより
誰か、もっと腰痛の理論を
ジョージア州の最新研究は、椎間板に起因する腰痛の診断と治療の不確実性を強調する


どうもあちらの整形外科医もあ~のこ~のとよく分からないようだ。痛みの生理学者、脳科学者、心理学者などの意見や知見がでてこない。

整形外科医はもうすっこんでいてもらって痛みの生理学者、脳科学者、心理学者など異なった分野の意見を聞きたいものだ。

脊椎専門医(思い浮かべてごらんなさい!)がどれだけ集まっても参考になる意見は出ないでしょう。

ほとんどの腰痛(非特異的腰痛=骨折、悪性腫瘍、感染症でない)は脊椎専門医の分野ではなく、生理学者、脳科学者、心理学者の分野なのだ。そのことは私とともに1Wも臨床をすれば勘の良い人なら分かると思う。

緊張型頭痛、偏頭痛、群発頭痛が脳外科的ではなく心療内科、ペインクリニック的な問題であるのと同じです。
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# by junk_2004jp | 2004-11-21 22:44 | 慢性痛 | Comments(3)
2004年 11月 20日

急性腰痛~大腿痛

Aさん(50歳代、男性)は昨日、走ったあとに左臀部~大腿後面に痛みがでる。10年前に脊柱管狭窄症の手術、術後2年間は調子よかったが以後時々腰痛あり。今年、8月に腰痛、2~3ヶ月鍼灸などに通いようやく治癒したと思っていたら、昨日再度大きな腰痛におそわれる。知人にすすめで来院する。

b0052170_0341899.jpg腰をくの字に曲げている。ベッドで腹這いになれない。
図のような圧痛点あり。腰と臀部の圧痛点ブロックをしてしばらくすると腹這いの体勢がとれるようになる。それから大腿部の圧痛点をブロックする。20mlの局麻。10分ぐらいの治療でほぼ痛みは取れて普通に動かれるようになる。

注射は一時押さえだと思っていたとのこと。おそらく10年前の手術も今のような症状だったのではないだろうか。

簡単にピンチ脱出の手助けはできるが再発をふせぐということになると、習慣からの脱出ということで、自分で勉強してもらわなくては。まず腰に自信をもつこと!!腰痛は人間工学的な問題ではなく生物・社会・心理学的問題でおきるということを理解すること。
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# by junk_2004jp | 2004-11-20 00:51 | 症例 | Comments(1)
2004年 11月 19日

急に左大腿部が痛くなりました

Sさん(80歳代、女性)は昨日、テレビを見ていて急に左大腿部の前面が痛くなりました。歩行は辛そうです。

7年前には急に右下肢が痛くなり、動けなくなって2ヶ月間某病院に入院したことがあります。最初はMRIを受けられないほど痛かったそうです。座薬を使っているちに少しずつ改善して、MRIを受け「坐骨神経痛」という診断でした。歩行器で歩く練習などリハビリを続け退院。退院後もしばらくはすっきりせず鍼灸、マッサージなどに通いました。今は、右側はすっきり治っています。

左大腿全面の強い圧痛点2ヶ所をブロック注射しました。痛みはもちろん改善しました。腰からくるのかとおっしゃいましたので、自分でも気が付かないような心の動きに関係していることが多いのだと説明しました。

最初は思いあたらないとおっしゃていました。ひまでしたのでしばらくお話しされるままに聞いていました。

気の進まない白内障の手術を12月にすることになったそうです。手術の前に2回検査にいかなければいけないのですが、今日がその第1回目の日。もちろん今日の検査はキャンセルしたそうです。ひょっとしたらこんなことが原因なのかもしれません。

痛みの初発はこのようなものなのです。
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# by junk_2004jp | 2004-11-19 13:19 | 症例 | Comments(0)
2004年 11月 19日

TMSに対する誤解

TMSは治療法ではなくて痛みの生理学的な病名です。それは下図で端的に表されます。この図は日本医師会雑誌「疼痛コントロールABC」の最初にでてきます。東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター教授の花岡一雄氏によるものです。筋骨格系の痛みのほとんど(侵害受容性疼痛)はこの図で表されます。もっともこの図にはTMSとは書かれてはいませんが。
b0052170_7341811.gif

「腰痛は怒りである」といううまいキャッチコピーを付けたばかりに一部には理解できなく誤解している人がいます。

TMS=高域値機械的刺激、悪性腫瘍、感染症以外の侵害受容性疼痛と言い換えてもいいのです。ほとんどの筋骨格系の痛みのことです。いちいち会話で「高域値機械的刺激、悪性腫瘍、感染症以外の侵害受容性疼痛」なんていえませんね!でTMSといっているまでのことです。好き嫌い、宗教、自己啓発などと全く遠いもの「生理学的な極めて常識的な」ことです。

この図をよく見てください。痛みの治療は「認知と反応」の悪循環をいかにストップさせるかということです。構造的な要素は書かれていませんね。そもそも痛みには「構造的要素」がないのです。筋肉の攣縮が書かれていますから、ストレッチなどの運動は効果があるのです。
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# by junk_2004jp | 2004-11-19 08:06 | 慢性痛 | Comments(0)
2004年 11月 18日

腰痛~下肢痛

Bさん(50歳代、男性)、1ヶ月前、ゴルフで急に右腰痛(この時は下肢痛なし)、そこが治ったと思っていたら1W前より、左腰痛~左下肢痛(ふくらはぎは正座のあとのようなしびれ)。次第に強くなり、昨日から5分も歩けない。寝返り痛い。浅い眠り。

b0052170_12382100.jpg赤点は圧痛点、青はしびれ

圧痛点(臀部1,大腿部2,下腿部1ヶ所)ブロックする。10分後、下肢のしびれや痛みはなくなったが臀部はまだ痛みを感じるとのこと。臀部に長針を使って追加ブロックをする。痛みはほぼなくなったとのこと。

ストレスについて説明すると、2ヶ月前にはかなり強い前胸部痛、それが治ると右肩痛、それが治ると腰痛が始まったとのこと。

奥様とは1年前に死別。 「うつ状態」に伴う身体症状(痛み)ということを考慮に入れつつ経過をみるべきケースです。

                      *

このように、痛みやしびれは神経根ブロックや硬膜外ブロックなどをするよりも簡単で痛くない安全な方法で取れてしまうことが多いものです。もちろん治療でもありますが、診断の意味や、患者さんの安心や理解の上でも重要だと思っています。痛みの起きている現場は圧痛点なのです。だから局所麻酔をそこに打つと痛みが消えるのです。しかし、医師は神経根に原因があるとかってに思いこむことが多いのです。この症例のように痛みがあっちこっち移動しているケースはしばしばありますが、ストレスの発露の変化ととらえるべきです。

MRIを撮り、ヘルニアだの狭窄症だのと不安を煽ればますます悪化していくのが目に見えています。

それにしても今、気づきましたが左側が多いですね!そういえば五十肩も左が多いかな?何か意味があるのでしょうか?
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# by junk_2004jp | 2004-11-18 12:57 | 症例 | Comments(3)