心療整形外科

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2018年 08月 17日

同じ日に変形性股関節症2例

2例とも70歳前半、女性

① 若い頃より臼蓋形成不全(両側)を指摘されていて将来的には手術が必要となると言われていたので無理しないようにしてきた。

痛みが強くなり受診すると、末期なので手術(人工関節)が必要といわれた。

手術がいやなので、整体師(オステオパス)にかよった。股関節周囲の筋肉を緩める治療をうけた。

おかげで杖なしに歩かれるようになった。しかし時々痛むので当院を受診した。当院受診のきっかけはTVを見てとのことだった。

腸腰筋、内転筋、臀筋に強い圧痛があったので、トリガーポイントブロックをした。すぐに痛みは改善した。

「臼蓋形成不全のため変形性股関節症になったのですね。正常な股関節にくらべ不安定なのはいたしかたない。そのために股関節周囲の筋肉に強い負担がかかっているのです。変形=痛みではなく、変形=不安定=筋緊張=痛みと考えてみてください。

残り30年間の人生をどのように生きていくのがベストなのか考えてみましょう。たとえば旅行や買い物に行く時に前もって使う薬を選択する。私のような治療は保険で安価ですし危険はありませんのでどのように取り入れていくか。

② 2年前、右股関節の手術(人工関節)。数日前より強い股関節痛。昨日当院来院、腸腰筋、内転筋、臀筋など圧痛部位に注射、アセトアミノフェン投与。

本日、再診、「しばらくよかったがまた激痛。関節が抜けているのではないですか?」

再び、同じ部位に注射。楽に歩けた。「脱臼していませんよ。周りの筋肉が強く緊張しているのです。」

人工関節を選択しても約3割に痛みが続くというデータがある。つまり中枢性の痛覚過敏状態が続いているのだ。





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# by junk_2004jp | 2018-08-17 19:16 | 慢性痛 | Comments(0)
2018年 08月 03日

遅発性筋痛

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筋痛の基礎医学の第一人者は水村和枝先生。今は名古屋大学を退官されている。

これは2009年の論文。数年前にMPS研究会で講義を受けたことがある。

その時も「その発生機序は今もって不明である。」ということだった。

「何らかの条件で慢性化し、より重篤で慢性の障害の元となる可能性もはらんでいる。」

ギックリ腰も一種の遅発性筋痛なんだろうと思う。遅発性が数分とかうんと短いと考えてみる。

痛みの定義

不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある。

では、この遅発性筋痛は「組織損傷を伴うもの」なのか「そのような損傷があるように表現されるもの(つまり組織損傷がない)」なのか。

発生機序が今もって不明なのだから、私たちが考えても無駄というものだ。多分組織損傷があったとしても電子顕微鏡レベルのもので安静にする必要がないのだろう。

ほとんどの慢性痛はこの遅発性筋痛によるものだと思う。

草むしりをした翌日から膝痛、雪かきをした翌日から膝痛、バス旅行で半日すわっていた後日から膝痛。

内側広筋や腓腹筋の遅発性筋痛なんだろう。

五十肩も坐骨神経痛も椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症も・・・

医師は伝統的にこの診断治療が下手だ。それはレントゲンやMRIをみて診断しようとするから。

症例1

60歳代、ゴルフをした翌日から、お尻から下肢にかけて痛い。歩行困難。2つの病院で検査を受けたがヘルニアや脊柱管狭窄ということで様子を見ましょうということだった。

当院、1W前受診、お尻や下肢にできた圧痛点に局所麻酔を注射した。今日、2回目の受診、とてもよくなったと喜んでいた。遅発性筋痛以外に考えられない。MRIなどの検査は不要。

症例2

5日前階段を踏み外して、腰痛で動けなくなる。腸腰筋や臀筋にできた圧痛点に注射した。改善した。
腸腰筋、臀筋の即発性筋痛(私の造語^^)。

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# by junk_2004jp | 2018-08-03 19:25 | MPS | Comments(2)
2018年 08月 01日

ギックリ腰

今日は6人ぐらいのギックリ腰を診た。

多くは腸腰筋などの筋筋膜性疼痛だ。

腸腰筋は鼠蹊部の上の圧痛点でブロックしている。

そのほか、臀筋や脊柱起立筋に圧痛がある。

圧痛点に注射したあと、立ち座り、クビや肩を動かす、深呼吸を何度かする。

これでほとんどの場合、改善する。

もちろんレントゲンはとらない。

==========

① 春にタイヤ交換をして腰痛になり、以来続いている。両側の腸腰筋のスパズムだった。もちろんその場で解決した。腸腰筋はブロックによく反応してくれる筋肉だ。

② 脊柱管狭窄症で手術が必要か、と言われている人、腸腰筋の筋筋膜性疼痛だった。

③ 日系ブラジル人、ブラジルにはギックリ腰という言葉はないとのこと。(ポルトガル語)この人が知らないだけかも。

③ 慢性腰痛の75歳の男性、腹筋背筋を毎日50回ずつしているとのこと。

  慢性腰痛の人は「不安の人」と「頑張り屋」がいる。

  やりすぎなんだね。ペースがつかめないのだ。

  私なんか1回もしたことがないが腰痛に悩んだことがない。

  「腹筋背筋は10回ずつにしてみたら」とアドバイスした。




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# by junk_2004jp | 2018-08-01 19:41 | MPS | Comments(0)
2018年 07月 30日

HOW TO TEACH DOCTOR ABOUT MPS (医者にいかにしてMPSを教えるか)


HOW TO TEACH DOCTOR ABOUT MPS 

繊維筋痛症と同様、MPSもしばしば誤解されている。今日でさえ、MPSの徴候や治療を理解していないのみならず、その存在すら信じない医師が少なからずいるのは驚きである。MPSの治療は、正確な診断があってはじめて行うことができる。

本日の3症例

① 60歳代後半、女性

9ヶ月前、平泳ぎをして右膝の裏に痛みあり。鍼に数回通院。病院でヒアルロン酸注射を続けたがよくならず。病院を変えたが同じようなことだった。左膝も痛くなってきた。歩き方が変なせいか右の股関節や太ももにも痛みが出てきた。娘の勧めで当院受診。

腸腰筋、大腿直筋、内側広筋、腓腹筋などにできた圧痛点に局所麻酔を注射した。(0.5%メピバカイン、数ミリcc)
すぐに痛みが軽減した。

MPSです。痛みは慢性化とともに広がることがあります。

② 70歳代前半、女性

3年前、剪定をしてより、左肩痛。服の着脱時に痛む。MRIの結果、肩板断裂ありであまり動かさないようにいわれている。

棘下筋や大胸筋などにできた圧痛点に注射。よく動かしてもらう。すぐに痛みがなくなった。

MPSです。

③ 70歳代後半、女性

両側の頚痛、右下腿痛、2月ごろ、咳がとまらず、クビも痛くなった。いろいろ検査を受けたが咳の原因も分からなかった。
炎症の値が高いということで筋肉リウマチという診断でステロイドを飲んでいるのだが・・・。現在は咳は止まっている。

今日で3回目の診察だが、あまりよくならないと心配している。ステロイドは止めてアセトアミノフェンにした。

「雪かきをして、近所の人とトラブルになり、強く叱られた。」それから眠れなくなり、食欲もなくなった。そのころから咳や痛みが出てきた。

MPSです。発症のきっかけは強いストレスだと思われる。

いずれの症例も筋筋膜性疼痛症候群(MPS)なのだが、医師はこの病名を知らない。だからどれだけ検査をしてもこの病名にたどりつくことはない。

3症例とももし私が、痛みが生じてすぐにでも診察していれば、レントゲンやMRIも撮らずに1〜数回の簡単な治療でよくなっていた可能性がある。

医師が大学でMPSを習わないということが問題だと思う。ほとんどの痛みはMPSなのだが・・・。




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# by junk_2004jp | 2018-07-30 18:28 | MPS | Comments(0)
2018年 07月 27日

激しい痛み(痛み行動)ほど心理・社会的な要素が大きいものだ

60歳代後半、男性、会社員

1ヶ月前、ゴルフをした翌日より右お尻から太ももの前後に、また右の膝周辺に強い痛み出現した。

過去にこのような痛みを体験したことがない。

夜間痛も強く眠りも十分とれない。

痛む部位に手を当てて歩行はかろうじて可能。(痛み行動)

数軒の病院を受診して、半月板損傷や脊柱管狭窄症を疑われているものの経過観察に終わっている。

お尻や膝周辺大腿部の多数の圧痛点に少量の局所麻酔を注射した。

痛みはうんと楽になり歩行もスムーズになった。もちろん筋筋膜性疼痛症候群だ。

たぶんストレス(心理・社会的)が大いに関係しているものと思う。

この年齢は老人でもなく若くもない。職業もそろそろ肩を叩かれるころ。なんやかやとストレスがあるのだろう。

そういうことを説明して初診を終えた。1週間後再診予定。


40歳周辺、女性、会社員(立ち仕事)

1ヶ月前より、誘引不明で左のお尻から下腿にかけて痛みに悩まされている。

某病院で腰のレントゲンを撮ったが異常なし。MRIの順番を待っている。

知人に私のところで2回で治ったからと受診を勧められた。

筋肉の攣りしか考えられない。ヘルニアがあってもなくても関係ない。

腸腰筋や臀筋、下腿筋にある数カ所の強い圧痛点に30ゲージ注射針で局所麻酔を注射した。

すぐに痛みは取れた。

ストレス(心理・社会的)が関係しているように思うことを告げた。心当たりがあるような様子。

「何回で治るかは、医者はいつの場合も分からないのです。貴方の知人は2回で治ったのですね。貴方は1回で治るかもしれませんよ。あるいは薬が必要かもしれません。それはストレス、たぶん人間関係かな、に関係しているからです。とりあえず心配な病気ではありませんので安心してよく動いてください。」

ということで初診を終えた。1W後再診の予定。


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# by junk_2004jp | 2018-07-27 19:08 | Comments(0)
2018年 07月 12日

高齢者の腰椎圧迫骨折と慢性の腰痛

3人の腰椎圧迫骨折後の慢性の腰痛の患者さんがいます。70歳後半〜80歳代、女性。

① 5年前転倒受傷、骨セメント注入手術を受けるも痛みが続く。靭帯の骨化が原因ではないかと手術を受けたが痛みは改善せず。現在は両方の下肢まで痛みが広がっていて歩行など、日常生活困難。

② 3ヶ月前の転倒。痛みが続いている。片側の下肢に痛みが広がっていて、歩行困難。

③ 半年前の転倒。腰に広く痛みがあり、寝起きなどの動作が困難。

==============

高齢者の腰椎圧迫骨折の治療

❶ 痛みの治療
❷ 骨折の治療
❸ 骨粗鬆症の治療

この3つがありますが、それぞれ別の問題と思ったらいいです。重要さは❶痛みの治療です。❷骨折の治療は無理をしない程度の安静でいいです。1ヶ月ぐらいコルセット。

骨折が治ったら痛みも治るという問題ではありません。

長期臥床はよくない。

❸骨粗鬆症の治療はできればすればいいでしょう。薬。

痛みの治療は当初より積極的に行うべきだと思います。痛みは慢性化するととても厄介です。痛みが下肢に広がることはよくあることです。トリガーポイント注射、アセトアミノフェンなど

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# by junk_2004jp | 2018-07-12 16:27 | 慢性痛 | Comments(3)
2018年 06月 25日

医師が痛みについてどの程度の知識があるかを知る

運動器の痛みの原因

長時間の固まった労働(草むしり、パソコン、理容師・美容師、運転手、調理師など)

繰り返される緊張した労働(包丁、ハサミ、マウス、レジ、流れ作業など)

高齢者の不慣れな労働、運動(雪かき、タイヤ交換など)

高齢者の過剰な運動(歩きすぎなど)

下り坂の歩行やランニング(伸張性収縮)

不意に起こる(立ち上がる時、ゴルフなど伸張性収縮)

不意の外力(むち打ち、転倒、打撲、捻挫など)

ストレスによる夜間の食いしばりや握りしめ、歯ぎしり

引っ越しや職場が変わるなどの環境変化、身近な人の死など(軽うつ)

旅行(長時間の座位、階段)

手術、無理な整体

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このようなことを聞き、どの部位に痛みがあるか触診して筋肉の緊張や圧痛を調べる。そのような医師は信頼できる。

レントゲン、MRIを見て診断する医師は信頼できない。だって、そのような変化は健常者にも同じ割合で存在することがわかっているし、生理学的にも痛みの原因にはならない。

画像は骨折やリウマチ、仮性痛風など特異的疾患を疑うときは有用。

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高齢者(70歳以上)の60〜70%に脊柱管狭窄が見られるというデータがある。脊柱管狭窄があっても痛いとは限らないわけだ。

脊柱管狭窄があっても痛みのなかった人が、半日がかりで草むしりをした。次の日より腰、太もものあたりに攣ったような痛みを感じた。湿布で様子をみていたがよくならない。

病院受診でレントゲンやMRIで「脊柱管狭窄症」と診断されるわけだ。これは日本全国、大学病院から中核病院、専門病院同じだと思う。

ここに問題がある。

私に言わせりゃ「誤診」だ。

脊柱管狭窄があるという事実がなぜそこの痛みを生じたのか、どうすれば解決するのか、説明できるのか。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のような感じだ。

では、脊柱管狭窄症のない人は、半日がかりで草むしりをした。次の日より腰、太もものあたりに攣ったような痛みを感じた。

この場合は異常なしと診断されるわけだ。

どういうメカニズムで痛みが起きているのか全く知らないわけだ。

この場合は、長時間のしゃがみこんだ姿勢による腸腰筋の筋痛のことが多い。

患者は脊柱管狭窄症というレッテル張りをされ、いっそう治りにくくなる。おかねを使って悪くなる。

一般に「見立て」の正確は次のように思っているだろうが

MRIなど高度医療機器のそろった病院の専門医>>町の診療所の医師>>鍼灸師、カイロプラクター、整体師など

この分野だけはそうとは限らない。逆の場合が多い。

それはエピソードを聞いて触診をすることに時間をかけているかの違いだ。また筋痛の知識の有無にもよる。

構造異常が痛みの原因ではありえない。

痛みは電気現象なので構造異常が電気現象を起すことはない。

痛みの悪循環を説明できない。

慢性痛を説明できない。




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# by junk_2004jp | 2018-06-25 14:01 | Comments(7)
2018年 06月 23日

反面教師

左足のかかとを階段で強打しました。医師の診断で2週間は安静にと湿布などで患部を冷やし、足を使わないようにと言われました。
炎症がある状態ではMRIが撮影できないからという事で怪我から2週間待ちました。
事情があり、別な病院で2週間後MRIを撮影しましたが、アキレス腱近くに血腫が有る事が解りました。その為、現在ギブス をはめて、安静にするように言われている状態です。
痛み止め、炎症止めは、MRIを撮影する為に毎日2週間飲んでいました。この数日、ギブスと松葉杖の状態で動いてしまったことも関係するのでしょうが、痛み止めを使用しない状態で痛みがどのくらいなのか試して見ました。
現在痛み止めなしでは、痛みが出てきている状態です。以前見ていただいた右足はかなり酷い打撲でした。結局後を引きずる形になってしまったので、今回の怪我は治療を誤りたくないと思っています。
何より後に残らない治療を今心が けたいのですが、トリガーポイント注射が血腫がある状態で望ましいですか?先生ならどんな治療をしますか?お忙しいところ申し訳ありません。先生の見解をお尋ねしたいと思います。

私は打撲や捻挫、骨折の時でも痛い部位(強い圧痛のある部位)数カ所に30ゲージ針(極細)で局所麻酔(0.5%メピバカイン)をワンポイント1〜2cc注射します。もちろん了解を得てですが。

組織損傷に伴う炎症が起きると神経成長因子(NGF)が産生され末梢のポリモーダル受容器や脊髄後角が過敏となり、ますます痛みが強くなります。

痛みが強くなると痛みの悪循環が成立します。(脊髄反射による筋緊張や交感神経の緊張)

痛みの悪循環が続くと慢性痛になります。(中枢性、末梢性の痛覚過敏)

下行性疼痛抑制系の機能低下
時間的加算(次第に強くなる、部位も増える)
長期増強(痛みの記憶)

これを防ぐには局所麻酔の注射がとてもよい。数日間続ける。

それは、組織損傷の治癒にもいい影響がある。

医師は局所麻酔を一時の痛み止めとしか思っていないのだろうか。

組織損傷の治療にはある程度の安静が必要だが、ギプス固定のような強固な固定はいただけない。

ゆるい固定のほうがいいようだ。包帯固定程度。そのほうが組織損傷の治癒にいい。

MRIによる組織損傷の程度を見ることはあまり有効ではないと思う。組織損傷に対する恐怖が生じる。

私は中学生の孫の捻挫などにもそのように対応している。

質問者も局所麻酔注射でとても改善した。

高校生サッカー選手、半月板手術をしたが改善せず。圧痛点注射(トリガーポイント注射)で改善して試合に出ることができた。

半月板損傷が痛みの原因ではないのです。

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長友選手は半月板損傷があるとのことですがなにも問題ないですね。

中高年の健常者、膝痛者、ともに60%に半月板損傷がみられます。


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# by junk_2004jp | 2018-06-23 21:44 | Comments(0)
2018年 06月 21日

痛みの専門家はだれ?

整形外科医は痛みの専門家ではありません。

最も痛みと遠い存在なのかもしれません。形の修復を専門としているわけですから。

痛みはExperience(体験、経験)と定義されています。

整形外科医が痛みと関係があるとすれば、ケガの初期だけです。

慢性痛はケガが治った後の痛みですから整形外科医の出番ではないのです。

運動器に強い痛みを訴えて病院に来た場合、整形外科医、ペインクリニック医、心療内科医が必要です。

整形外科医は修復すべき損傷(ケガ)の有無を検査。骨折や腱の断裂などあっても早急にしなくてよい。

ペインクリニック医は痛みの原因を検査して早急に痛みを止めること。ここが一番大切。

心療内科医は心理・社会的な面の検査。

急性痛で強い痛みを訴える場合は以外と「心理・社会的」要素が強いものです。そういう痛みは不合理な痛みなので抑制が効かない。

ところが、なぜか整形外科医が運動器系の痛みの専門家に祭り上げられたのです。

40年前は金沢大にはペインクリニックはありませんでした。全国的にもそろそろでき始めたころでしょうか。

そのような経緯があって整形外科医が痛みを診始めたわけです。

痛みは繊細な考察が必要ですが、整形外科医になる人は体育会系という感じでミスマッチだったのかもしれない。


痛み系は独立した存在。

急性痛はこれにケガがつきます。

急性痛でも心理・社会的な問題の場合、ケガの存在はない。この痛みの方が激しい。
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ケガ

慢性痛はケガの要素が無くなったもの、つまり痛み系の故障。



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# by junk_2004jp | 2018-06-21 04:54 | Comments(4)
2018年 06月 20日

慢性疼痛の機序(日本ペインクリニック学会・第34会大会 リフレッシャーコース)

横田敏勝(滋賀医大・生理学第一講座)

急性痛を遷延させて慢性痛への移行を促進する因子の一つとして神経成長因子(NGF)が考えられている。NGFは炎症部位で産生され、侵害受容線維を直接過敏化する。また後根神経節に運ばれて細胞体の遺伝子発現を変化させる。脳由来神経栄養因子(BDNF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、P物質などの遺伝子の発現が上昇・・・・脊髄後角侵害受容ニューロンを過敏化

国際疼痛学会:

「慢性痛は治癒に要すると期待される時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行性の非癌性疾患に関する痛みである。」

  • 痛みの持続時間は特に指定されていない。
  • 急性痛から移行する慢性痛と、組織損傷の徴候がない自発性慢性痛とがある。
  • 慢性痛を早期に診断して対応すること。
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臨床家は細かいことまで覚えることは必要ないと思うが以下は知っておくべきこと。

急性痛を放置すると、ミクロの世界で様々な生理学的現象が起きて、痛みに対して過敏になってくる。

早期に痛みを遮断することはとても重要なのだ。

痛みを我慢させてはいけない。

痛みの治療と構造の治療は別問題。痛みは早急に、構造はじっくりと。

「痛み止め」を嫌う風潮が我が国にあるが・・・慢性化を防ぐには最初の一手が重要。

ぎっくり腰などは組織損傷の徴候があるのかどうか?。伸張性収縮による筋の攣縮なのだろう。ミクロの世界では損傷があるのだろうと思う。その損傷は全くきにしないで良い程度。

急性痛移行型の慢性痛自発性慢性痛

この二種類の慢性痛を区別することは困難、エピソードから想像するしかない。

自発性慢性痛とはもともと最初から慢性痛だったということだろう。つまり、痛覚が過敏な状態を最初から呈していたのだ。(不安障害、発達障害、抑うつ状態、アダルトチルドレン)そして、明らかな外傷のエピソードがない場合。



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# by junk_2004jp | 2018-06-20 21:57 | 慢性痛 | Comments(0)