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心療整形外科

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2009年 05月 24日

心因性の痛み

MPSを知っている医師は「心因性疼痛」という言葉は使わないでしょう。

心因性疼痛は、構造異常(ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症・・・)が痛みの原因だと信じている医師がこれらでは説明がつかない痛みに対して用いることが多いのではないでしょうか。

痛みは脳と体(主として筋肉)の情報のやりとりですから脳(こころ)が関係しない痛みはありえません。

火事のときに火傷を負っているのも気づかず夢中になって人命救助をした・・・・このようなことは想像できますね。これはマイナスの心因性の痛みといってもいいでしょう。つまり心因が原因で痛みを感じなかったという意味です。

脳:体の責任割合が100:0、あるいは0:100ということはどんな場合にも考えにくいのです。

身体表現性障害、その中の疼痛性障害や身体化障害という精神科分野の診断カテゴリがありますが、これは情動が身体症状(主として痛み)として表現されるというものです。この診断分類もたぶんMPSをしっていれば不要になるのではないかと思うのです。

痛みのはじまりは単純なことが多いのです。ところが慢性化とともに「ワッケ分からん」(金沢弁)ようになるものです。

脳:体の責任割合など検査の仕様もありません。

痛みが辛い、不安→病院を訪れてもレントゲン、MRIと型通りの検査、同じような説明→医療不信、経済的困難→こだわり、とらわれの世界

痛みとはそういうものなのです。だれでもその世界に迷い込んでしまう可能性があります。このようになると、医師と患者の信頼関係も築きにくくなるものです。受容、支持、保証して気長にいくよりありません。

とにかく早い時期に適切な説明、治療が重要だと思います。

大学ではこのことをしっかり教えないといけません。

ヘルニア、脊柱管狭窄なんかで痛みがおきると思いますか?

すべり症や軟骨障害、椎間板障害で痛みがおきると思いますか?

痛みはC線維の先端についているポリモーダル侵害受容器が感作されてはじめて生じます。それがすべてのはじまりなのです。

「ワッケ分からん痛み」になる前に手を打つ、適切な説明をすることが大切です。

by junk_2004jp | 2009-05-24 07:20 | うつ・不安・ストレス | Comments(0)


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