2009年 09月 11日
地域医療振興協会の地域医療・家庭医コース研修中です。 頼もしい研修医です! 膝痛→軟骨が悪いor半月板が悪い→このように思いこんでいる医師はたくさんいます。そうではないのですね。ほとんどは筋痛なのです。医師2年目でそれに気づくとは恐れ入ります。 尿路結石で腹痛を訴えてきた方を診察していますと、背部に明らかなトリガーポイント(腰方形筋を横から押したところ)があり、1mlだけ局麻するとなんと腹痛がなくなってしまいました。 その腹痛は腰方形筋の関連痛だったのでしょう。 尿路結石は無症候性でたまたま見つかったのではないですか? 過敏性腸症候群で腹痛を繰り返している方にも同様のトリガーポイントがあり、劇的に効きました。内臓疾患でも関連痛で筋肉のスパズムが生じているのでしょうか。 過敏性腸症候群は腸の機能性の疾患ですね。腹筋や腰方形筋のspasmとの関連はあると思います。 慢性の腰痛や線維筋痛症では便秘・下痢を合併していることはしばしばあります。 腸の機能とお腹まわりの筋肉のspasmはとても関係があるのでしょう。 過敏性腸症候群はトリガーポイント症状と考えて治療するというのもいいアイデアかもしれませんね。 若い人は頭が柔軟でいいですね^^。 それに引き換えなんと頭の固い専門医の多いことでしょうか。もううんざりです。 最近は脊柱管狭窄症ブーム(笑) 足腰が痛いとMRIをとって「脊柱管狭窄症」 硬膜外ブロック、オパルモン(血流改善剤)、メチコバール(ビタミンB12:末梢神経改善剤) よくならない。 ある70歳代のご婦人が「ロデオボーイ」に乗ってより臀部~下肢痛になる。 脊柱管狭窄症との診断。硬膜外ブロック、薬などの治療うけるもよくならず。 お友達に私の著書「トリガーポイントで腰痛は治る!」を見せてもらう。 ご主人「お前、筋肉がいたいのではないのか?」 患者さん「でも病院の先生は脊柱管狭窄症だと・・・」 最近はこの分野は素人さんの方が正しい(笑)。 病院の先生にいいました。 患者さん「トリガーポイントブロックをうってくださいませんか?」 医師「そんなの効かないよ。効いたとしても一時抑えですぐに戻っちゃいますよ。」「どうしてもしたかったらその先生のところへ行ったら?」 脊柱管狭窄症で頭の中がいっぱいなんです。だからほかのことが思いつかない。 ということで、いらっしゃいました。 殿筋やひ腹筋などの筋痛症でした。 TpB後はすぐに楽になりました。 早い話が運動会の翌日に足腰が痛い、あれなんですね。それが運悪く、条件がそろうともとにもどらなくなってしまうのです。 毎日、こんな患者さんがいっぱいいらっしゃいます。 脊柱管狭窄症によって痛みやしびれが生じるという概念そのものに間違いがあると思っています。 マニュアル本がへんてこなんです。 整備士の男性が腰痛下肢痛で脊柱管狭窄症の診断を受けて治療してきますが一向によくなりません。仕事が困難になっていますので切実です。 腰方形筋と外側広筋の筋痛症でした。TpB後はすぐに痛みの改善がありました。 「整備士としての長年の経験がおありですから、機械のどこが具合が悪いかだいたいの見当がつくでしょう。」 「医師の場合はマニュアル本に欠点があるのでどうにもなりません(笑)」 ![]() ![]() 「腰部脊柱管診断サポートツールマニュアル「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン」 これらの内容は生理学的に理解し難いことがあります。 100歩譲っても 「筋筋膜性疼痛症候群MPS」との鑑別診断について一言も触れていない点が信用できない最大のことなのです。 「脊柱管狭窄症(腰椎椎間板ヘルニア)と似たような症状を呈するものとして筋筋膜性疼痛症候群がある。その鑑別には注意を要する。鑑別診断の要点は・・・・・である。」 このように書いて診断をする医師に注意を喚起する必要があります。 それがなされていない。 MPSの存在を知らないのか無視しているのか。 痛みが続く→うつ、不安、慢性痛→痛みの拡大、線維筋痛症 ■
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by junk_2004jp
| 2009-09-11 01:22
| MPS
|
Comments(14)
![]()
鍼灸マッサージ師です。尿路結石の方の腹痛には昔からその場所(膀胱経の志室という経穴)に
強めの持続圧迫をするように教わりました。一時的かもしれませんが痛みが和らぐようです。 患者さんもあまりの痛さにすぐに病院に向かいますがね。 ![]()
じゃあ、胆道ジスキネジーも、TPに注射したら効果ありそう・・・
はい、専門外に深入りしたくはありませんが・・・
先日、次のような話がありました。 その患者さんは当院で肩こり、パニックなどの治療をしている方です。 ある日、右わきばらが強烈に痛くなり救急車で病院へ。 整形外科では肋軟骨にヒビがはいっているw。 内科では胆石がある・・・ という診断。 いろいろ検査しているうちに痛みがなくなる。 今度、胆石の手術をするそうな。 このような話を聞くと、痛みの本態は胸の筋肉のspasmだったのでしょう。 たまたま検査したら無症候性の胆石(サイレント・ストーン)がみつかったというストーリーだと思います。 パニック障害はのどなど呼吸器に関係する筋肉のspasmなのかもしれませんね。 ![]()
おお、筋肉spasm説はさまざまな方面に広がっていきそうな予感 w(゜o゜)w
鍼灸の先生が扱っている症状ならば、多くは◎なのかもしれませんね。 研究が進んだら、ひょっとして手術適応が今より少なくなっちゃうのかも・・・・・? ![]()
お若い先生なのですね。
サラリーマンをそこそこやってると、役員、上司、同僚の、汚い面がよく見えてしまいます。 会社とはこう言うもんだと悟ります。 政治の世界も永田町の論理とかありますし。 医者の世界。 勿論、私はこの世界の部外者ですが、純粋に医学、科学だけの正論が通る世界では無いことだけは、想像できます。 そう言った困難な世界でも、やってゆく、タフな若武者になれることを願っております。 話題と関係ありませんが、医師会のCM ttp://www.med.or.jp/etc/tvcm/ ![]()
ロデオボーイに乗ると脊柱管が狭窄するのですね。(骨で出来てるんですが…)
お二人とも、本日、2回目。
ロデオの方、痛みはとれたが重い感じが残っている。 整備士の方、腰方形筋のための側ワン改善、痛み軽減。 いずれもMPSです。早期治療の必要性を痛感します。 いずれも画像診断の必要性はないと思われます。 視診、触診、治療的診断でMPSは診断できます。 ![]() ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
胆石、尿管結石→TP、なのかTP→石なのか?
あるいはこの二つは無関係なのか。 椎間板ヘルニア→TP、TP→ヘルニア あるいは無関係なのか。 いろいろなことを総合すると、TPが先にありき、のほうがいいのかな。 ![]()
「と言うわけで、先生のおっしゃた通り、行ってきましたよ。その先生の所に。TPBでよくなりましたよ。先生、誤診ですよw。殿筋やひ腹筋などの筋痛症ですよw」
親切に教えてあげたら、なんて思います。 ![]()
尿路結石があるのにTPBって関連させ過ぎ!笑
経験者ですが取れば激痛~天国です! ここまでくれば宗教団体ですね。逆にMPSの認知を遅らせているのがわかります。
私も尿路結石を経験したことがあります。
物事は分析して考えることです。他人を笑うのはその次ですぞw。 >最近は尿路結石で腹痛を訴えてきた方を診察していますと、背部に明らかなトリガーポイント(腰方形筋を横から押したところ)があり、1mlだけ局麻するとなんと腹痛がなくなってしまいました。 この文をよく読んでください。 腹痛を訴えてきた人が腰方形筋にある圧痛点に注射したら治った、ということですね。それはその痛みが腰方形筋のspasmだったという証拠です。 あなたはこの現象をどのように説明しますか? http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/images/img8.jpg この図の①を見てください。腰方形筋の関連痛は腹部にもあります。 腰方形筋にTP症状があったという事実と結石があったという事実。痛みはTPのせいだったという事実を述べているのです。 ![]()
尿路については当てはまるかどうかわかりませんが、
内臓には神経(痛覚)のとおっていないところも多いわけで、 神経のとおっていないところに不具合がおきたときに、 そこから何かが発せられて、周辺の筋肉が痛む、ということではありませんか? だから、痛んでいる筋肉にTPBをしたら、とりあえず痛みは治まるということではありませんか? たまたま結石が小さければ、そのまま痛みは復活しないでしょうが、 大きければ、またそれが原因となってTP症状が復活することもあり得ますよね? TPがあったから調べたら結石もあった、というパターンと、 結石があったからTP症状が出た、というパターンと、 両方あるとは考えられませんか?
上にも書きましたが、
胆石、尿管結石→TP、なのかTP→石なのか? あるいはこの二つは無関係なのか。 ということですね。 |
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