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心療整形外科

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2009年 10月 26日

ヘルニアと線維筋痛症・・・・いったいどちらの診断が正しいのか・・

この問題はとても重要なのだけれども、誰もが腫れものに触るように避けているようだ。

今回、提示する症例は何も特殊なことではない。ヘルニアと診断されているが実は線維筋痛症だったという症例はとてもたくさん経験している。

診断(分類)はとても重要だ。そもそもヘルニアによって痛みが生じるという非科学的なことを今でもいっていることに驚く。

Aさん(30歳代、女性)(了解を得ています)

お盆中、腰に突然激しい痛みが走り動けなくなってしまいました。

お盆明け、整形外科を受診MRIでL4L5ヘルニアと診断され痛み止め内服薬等処方され絶対安静と理学療法で治療と言われました。

安静にしたく無くても痛みで体が動かないので否が応でも安静になってしまいます。

理学療法の為に毎日通院するには距離的、金銭的、肉体的にも無理でしたので近所の整骨院へ通い始め、電気やマッサージ、牽引を。

整骨院に通い始めて直ぐ腰の痛みは軽くなっていったのですが 逆に今度は下肢(最初は特に左足)の痛みと痺れに見舞われ、遂には両足になり歩けず物凄い痛みに発展し、救急車で この****病院へ搬送されてそのまま入院となりました。

その時はあまりの激痛でMRIを撮ることすら出来ず、診察でヘルニアと診断、「1ヶ月入院し安静にして様子を見て それでもダメな場合は手術」と主治医に言われました。

入院1週間目にMRI。L5・S1のヘルニアが3週間前より更に巨大化していました・・・・

しかし、こちらの整形は特に腰に関して腕が良いと評判で物凄く混んでいて入院も手術も3~4ヶ月待ち。整形の中でも脊柱専門が3人の医師で構成され、・・・・・脊柱専門チーム3人の中のリーダーB医師は私に手術を勧めて来ます。

3週間経った事もあるのでしょう、昨日の回診では「手術をする決心がつきましたか?」なんて言われてビックリ…。

そこで私はトリガーポイントブロックを ここで受けることが出来るかB医師に質問しました。

そしたら「Aさんには効きませんよ。無意味です」と笑顔で言われ、それ以上聞こうとする私を煙に巻くようにして去って行きました。・・・・・


ヘルニアと線維筋痛症・・・・いったいどちらの診断が正しいのか・・_b0052170_20302164.jpgAさんは、2年前に交通事故にあい、腰椎の圧迫骨折をしたのですが、以来体調不良が続いています。私の本「トリガーポイントブロックで腰痛は治る」は知人の紹介で読んでいます。

目まい、頭痛、腹痛などの症状もあります。

私の診断では「線維筋痛症」でした。

現在は痛みはまだあるものの、買い物に行ける状態です。

現在は線維筋痛症(交通事故が引き金となった)として治療しています。手術をしなくてよかったと思います。腰にまた新たな骨に達する傷を負うことになるのですから、さらに複雑な痛みになっていたことだろうと思います。

先日、読売新聞の夕刊に「線維筋痛症の診断、治療のガイドライン」がでていました。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20091022-OYT8T00704.htm

MASAKAZUさんの掲示板「ヘルニア治療をされているかた。 」より

MASAKAZUさんもヘルニアと診断されていたのですが、線維筋痛症の診断基準(分類基準)を満たしていました。

ようやく診療指針が出ましたね。

今後、全国の医療機関に周知を図るとのことですが、はてさて、特に整形外科の先生方の心にどのくらい響くことでしょうかね^^)

痛みを理解できない、理解しようとしない、画像診断中心で、筋肉には興味がない、今まで施してきた手術を含め、自己否定をしなければならない・・・

受け入れるにはかなりの勇気が、そしてプライドも捨てて、患者の立場になれる先生でなければ。


by junk_2004jp | 2009-10-26 20:24 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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