2009年 11月 06日
A病院は脊椎手術でとても有名で、他府県からも患者が押し寄せ手術待ちが数カ月とか。 しかし、私のところにはA病院で手術をしたがよくならない、悪化したという人が毎月1、2名がここのところコンスタントに来院する。 合計10名は診たであろうか。中にはとても辛い状態になっている人もいる。私の本の中にも症例として書いてある。国松さんはご存じですね。 中にはよくなる人もいるのだろう。だから有名なのだ。 これが個人でやっているのなら、医師は耐えられないストレスになると思う。たとえ9人がよくなったとしても1人が悪くなれば医師としては辛いものだ。多くの医師が経験することだと思う。 昨日来院されたBさんは両手のしびれでA病院で手術された。 「しびれは全く取れませんでした。それどころか背中や頚が痛くなりました。」 医師に「しびれは取れません」といわれたとか。 私「ではなぜ手術したのですか?」 Bさん「入院している人が手術ですっかりよくなったといったもので・・・」 Bさんの前腕に強い圧痛があったので、TPBをすると、軽くなったとのことだった。 しびれというと医師は神経が圧迫されていると説明することがある。 「手術中、神経にふれるので、しびれが残るとのこと。」このように説明する医師もいるとのことだ。理解に苦しむ。神経なんていつでもどこでも何かにふれている。 整形外科医は骨折などの手術をするとき、神経や血管をガーゼや勾でそれを避けるが、そのためにしびれが残るとは思ってもいない。 「しびれ」とは線維筋痛症の人やうつ状態の人にもしばしば見られる症状で筋痛症の症状だと考えるほうがよい。 多くは筋痛症による微小循環障害なのだ。 _________________ 「後から診る医師ほど名医になれる」 前医がだめだったので次の医師に来ていることが多いのだから。後医は前医を非難することは可能だが、その逆はない。 後から診るほど、経過も分かるわけだ。 私も最近、後医になることが多くなったが、前医と考え方が違うとはいうが、前医の技術的な問題をいうことはない。 「多くの医師はそのように教育されてきたので、その医師の個人的な資質の問題ではない。」というようにいっている。 一方、次のように言われるケースもあるとのこと(コメント欄より) 手術が的確に行われていないケース ③は医療ミスをいっている。①は前医の技術的問題。②は考え方の違い。 特に③は神経障害性疼痛、CRPSタイプ2ということで、今後の保障問題にもなる。手術によって解決することはない。 ①②については議論したいところである。 ところでどんな病院でも100%の治癒率はありえない。 ではこのような説明をする医師が手術した場合、良くならないケースも①②③のどれかにあてはまるのだろうか? 「手術は完全に成功した。治らないのは心の問題があるからだ。」 他人がした手術でよくならないときは①②③で自分がした手術でよくならないときは心の問題にされていないか。このような話はよく。 心(脳だとすると)が関係しない痛みなんてこの世にありえない。痛みは個人的なexperience(体験)と定義されている。つまり個人的な認知なのだ。 結局、痛みは治療的診断が唯一の最終的診断(分類)方法なのかもしれない。 急性痛、急性痛が長引いただけの慢性痛、新たにできた病気としての慢性痛症・・・・・これは熊澤先生がのべている。 急性痛、急性痛が長引いただけの慢性痛・・・・現在の医学である程度確実に治癒することができる。 新たにできた病気としての慢性痛症・・・・これが現在のところ決定的な方法がなくなかなか難しいのだ。 線維筋痛症は新たにできた病気としての慢性痛症のカテゴリに入るものと思う。 TPBも急性痛、急性痛が長引いただけの慢性痛にはとても有効だが、慢性痛症となると、なかなか手ごわい。 しかし、慢性痛症の中にも急性痛的な部分も残っていて、ある程度の効果がある。 また、慢性痛症に悩む人々に、ともに治療にあたろうというメッセージを発するべきなのだ。 なによりも、慢性痛症にならないうちに治癒させることだ。 ___________________ 腰椎の不安定性があると痛む・・・・・これは不思議な理論だ。赤ちゃんの頚は不安定だけど痛くなさそう。
by junk_2004jp
| 2009-11-06 23:20
| 慢性痛
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