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心療整形外科

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2004年 12月 09日

製薬会社の研究者

先日、トレドミン(抗うつ薬)の製造発売元の旭化成ファーマの研究をしている方がたまたま私のホームページをみて尋ねて来てくださいました。

いろいろお話しをしてくださいましたが、欧米では慢性疼痛に対して抗うつ薬を使用するのがかなり普及していて、効果をあげているそうです。日本の医薬業界は欧米の10年ぐらい遅れるそうですから、日本で一般的になるにはもう少しかかるみたいです。

トレドミンが「慢性疼痛」の適応症をとればすぐにでも一般的になると思います。医師も患者も痛みをそういう目でみる習慣をつけることが大切なんですが、薬を実際につかうことによって医師の意識改革が行われるように思います。

もはや慢性疼痛は整形外科のあつかう疾患ではなくなってきているのです。急性疼痛にしても明らかな外傷や悪性腫瘍や感染症以外は生物・心理・社会的疼痛症候群モデルとしてとらえるようになってきています。

第33回日本慢性疼痛学会ランチョンセミナー

精神科や心療内科の受診者は腰痛原因の一つに心因的な面があることを,ある程度自覚しているのに対し,整形外科では腰痛は器質的な痛みであり心因的な関与はないと思う患者が多い。すなわち,整形外科などの身体診察科では,精神科や心療内科の受診患者より難しい症例を精神科的治療アプローチの経験が少ない医師が診るという矛盾が生じており,身体科医も心療内科的な対応の必要性を痛感した。

痛みの定義  国際疼痛学会   1986年

痛みとは組織の実質的あるいは、潜在的な障害に結びつくか、このような障害をあらわす言葉を使って述べられる不快な感覚、情動体験である。


痛みとは体験なのです。人の体験がレントゲンやMRIで分かるはずがありません。分かるとするならば、痛みの定義を変えなくてはいけません。

by junk_2004jp | 2004-12-09 01:05 | うつ・不安・ストレス


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