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心療整形外科

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2004年 12月 13日

負の医療化

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私のサイトはナースに役立つ種類のサイトとは?この頁の右、上から16こ目の医療化をクリックすると腰痛の医療化の回避ということで紹介されています。

医療化、すなわち医療の対象にすることですが、そのことによって人々に貢献することもあればかえって負の貢献をすることもあるのです。正確にいえば負の医療化の回避です。

「顎関節症」:私が医師になったころは聞かれない病名でした。あったとしても湿布して治っていたのかもしれません。ところがかみ合わせが悪いの、半月板が悪いのと負の医療化をすることによって、治らない人を増やしてきたのではないでしょうか。

50肩:腱板の断裂という負の医療化が進行しつつあります。

腰椎ヘルニア:私が医師になったころは、油性の造影剤を脊髄腔に注入する検査でしたのでそれほど頻繁には行われませんでした。腰の牽引もまだプラセボ効果しかないということがばれていませんでしたので、それで結構治っていたものと思います。それに引き替え、今はMRIで非侵襲的に検査ができますから、腰や脚が痛いと安易にMRIをとります。また、牽引という手も使いにくくなってしまいました。そのようなことで以前よりはヘルニアと言われて悩んでいる人が増えたのではないでしょうか?

おそらくMRIの普及とともに痛みに悩む人が増えると思われます。同じことがレントゲンの普及の時にもおきたことでしょう。MRIやレントゲンは特殊な病気の発見にはとても力を発揮します。しかし、その使い方を間違えると負の医療化につながります。画像診断の意味と限界

by junk_2004jp | 2004-12-13 12:33 | 医療不審


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