2011年 09月 28日
侵害刺激による痛み(=nociceptive pain)の様相 侵害刺激による痛みは、有害な刺激・情報、病気が侵害受容のシステムを活性化することによって引き起こされる。 侵害刺激による痛みは次の5つの段階を経て感知される。 導入(transduction)、伝導(conduction)、転送(transmission)、認知(perception)、調節(modulation)の5段階である。 侵害刺激による痛みは痛みの受容器(=nociceptor)から発生する。痛みの受容器は知覚神経の最初の部分として高度に分化したものであり、皮膚や関節、その他の臓器に形成されている。これらのレセプター、すなわち痛みの受容器は導入(transduction)と呼ばれるプロセスを経て、有害な刺激を電流に変換する。 変換された電流は痛みの受容器の神経突起に沿って脊髄のdorsal root ganglionにある細胞本体に伝えられる=伝導(conduction)。 さらに脊髄後角にある中枢神経の末端に運ばれる。 ここで電流は侵害受容中枢神経の末端から神経伝達物質の放出を促す。放出された物質は信号としてシナプスを伝わって脊髄後角神経に送られる。 刺激の強弱は神経ペプチド(中枢神経・Cファイバー由来のP物質を含む)の放出と密接に結びついている。 物質Pは脊髄後角神経においてneurokininレセプターの役割を果たしているが、より大きなシナプスの後続反応を引き起こし、NMDAレセプターの働きを高める。 信号は侵害刺激の通路を通り、脳のさらに高次の中枢に送られ、痛みとして認知される(= perception)。 侵害刺激の伝達信号は脊髄後角にある抑制、もしくは促進のコントロールシステムによって調節(modulation)される。 抑制、もしくは促進のプロセスは脳幹下部から突き出している大縫線核によって調節される。 侵害刺激の信号は、脊髄後角にある(脳からの情報を)降ろすための突起を伝わって伝達される。 促進作用は組織が傷ついたことを警告する役割を果たし、さらに、戦いや恐怖に反応して防御行動をとるように促す。 一方抑制作用は“今こそ危機”と痛みを鎮め、痛みがその機能を弱めることのないように働きかける。
by junk_2004jp
| 2011-09-28 18:18
| 痛みの生理学
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