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心療整形外科

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2011年 12月 15日

画像に異常がなかったら診断できない!

現代・痛み医療事情

画像に異常がなかったら診断できない。画像に異常がみつかればそれのせいだと誤診する。


掲示板より

数年前から膝にかなりの鈍痛が走るようになりました。

あまりの痛みに仕事ができないときもあり、様々な整形外科に通いましたが、MRIやレントゲン、血液検査など毎回実施される検査は同じでありいずれも異常がないと診断されます。

しかし痛みは消えず、仕事をするもの苦痛であり、膝の他に腰、頭痛なども頻繁に発生するようになりました。

また長期の休みをもらいまた整形外科に通院して検査してるのですが、やはり原因不明であり脳神経の可能性もあるとの事で脳神経科にも通院しました。

しかしながら、脳などには異常はなく、原因不明も結局わからないままの状態です。


Aさんが診察にいらっしゃいました。

内側広筋、外側広筋のMPSでした。治療後すぐに症状は改善しました。

10軒ほどの病院を廻られたそうです。

このようなケースはめずらしくありません。

もしレントゲンやMRIで異常がみつかればそれのせいだと診断される運命にあるのです。

痛みとはなにかという根本的な問題を理解しないとこのようなことになるのです。

痛みを訴えているということは、どのポリモーダル侵害受容器が活性化しているかということにつきます。

それはレントゲンでもMRIでも写りません。

圧痛点を探せば分かります。

圧痛点とは過敏になったポリモーダル受容器があることを意味します。つまりそこが痛みの生じている現場なのです。レントゲンやMRIでは写りません!

そこに局所麻酔を打ってやれば活性化したポリモーダル受容器は沈静化します。

それしかないのです。

レントゲンやMRIは悪性腫瘍、感染症、リウマチおよびその周辺の炎症性疾患の鑑別のためです。

また修復すべき構造上の異常(たとえば骨折や靭帯断裂)があるかないかがわかります。

構造の治療と痛みの治療は別問題です。

構造の治療は積極的に行わなくていい場合がほとんどです。


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by junk_2004jp | 2011-12-15 19:37 | 痛みの生理学


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