2012年 11月 30日
心身症の定義 心身症と診断するには2つの条件を満たす必要がある。 第1は身体疾患の診断が確定していることである。 明らかな身体疾患がない場合は心身症と呼ばない。 第2は環境の変化に時間的に一致して身体症状が変動することであり、たとえば仕事が忙しいときや緊張したときに身体症状や検査所見が増悪することで判断される。 ____________________________ つまり殆どの病気は心身症なのだ。ヘルニアや脊柱管狭窄症といわれている痛みももちろん心身症だ。 functional somatic disease (機能的な身体疾患) ともいう。 高血圧や胃潰瘍、糖尿病もそうだ。 心身症をみる科は心療内科やそれぞれの身体科だ。 一方、精神疾患としての痛みがある。 身体表現性障害の中の「疼痛性障害」だ。 http://merckmanual.jp/mmpej/sec15/ch204/ch204f.html 疼痛性障害は,苦痛や社会的,職業的,その他重要な機能領域における障害を引き起こすほど重度の疼痛が,1カ所以上の解剖学的部位に生じるものである。精神的要因が症状の発現,重症度,悪化,持続に支配的役割を果たしているように思われるが,疼痛は意図的に起こしたり見せかけたりしたものではない。患者によっては,急性疼痛の最初の刺激となったものを思い出す者もいる。診断は病歴に基づいて行う。治療は一貫した支持的な医師-患者関係を確立することから始まる;精神療法も有益なことがある。 同じようなことで主に麻痺を呈する「転換性障害」(身体表現性障害の中の) http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec07/ch099/ch099c.html 転換性障害では、心理的な葛藤によって引き起こされた身体症状が無意識の中で転換され、神経障害に似た症状として現れます。 同じく身体表現性障害のなかに「身体化障害」がある。 http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec07/ch099/ch099b.html 身体化障害は重度の慢性障害で、さまざまな身体症状(主に痛み、胃腸症状、性的症状、神経症状など複数の症状)が繰り返し発生し、原因となる体の異常が見あたらないのが特徴です。 ◎さんの痛みが身体科(心身症)圏の痛みなのか精神疾患圏の痛み(疼痛性障害)なのか・・・・ ほとんどの場合、身体疾患としての痛みなのだが、中には精神疾患としての痛みではないかと思われることがある。 身体疾患か精神疾患か・・・・ これは診断というより、鑑定ということだろう。 裁判で責任能力があるかどうか鑑定することがある。 鑑定人によってその結果に違いがでることはよくあることだ。 誤診ということではなくて、鑑定人の判断である。 痛みも客観的なデータがあるわけではないので判断は微妙なことがある。 一回の外来診察で判断できない。 経過をみて判断せざるを得ない。 もっとも白黒をはっきり判断できるものではなく、一体どちらなのか分からないことも少なくない。 精神疾患としての痛みは写真のように大げさな(演劇的)痛み対策をすることがある。 普通は使わないだろうと思われる痛みに対して杖や車いすを使う。バンデージをぐるぐるまく。 痛い時と痛くないときの差が激しい。 表情や言葉 などでおおよその判断できるが、それを患者に伝えることは容易でない。 それは決して詐病ではなく痛いのだから。 患者はそのことを理解することはなく、精神疾患であるということを認めないことが多い。
by junk_2004jp
| 2012-11-30 16:16
| うつ・不安・ストレス
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