人気ブログランキング | 話題のタグを見る

心療整形外科

junk2004.exblog.jp
ブログトップ
2005年 03月 08日

痛みの大ばけ

32歳。三年前に突然背中右部に激痛、以来神経内科、心療内科、漢方、鍼、気孔、レーザー、すべてだめ。抗鬱剤、安定剤、抗不安剤、試すたびに激痛は全身に広がる。1ヵ月半前、ペインクリニックにいくが局所ブロックの対象ではない、精神科へ、と。付けられた病名は全身性疼痛性障害。

掲示板からですが、3年間、痛みに苦しんでいらっしゃいます。3年前、突然背中に痛みが来たときにもし私が診ておれば、この方の人生は変わっていたかもしれません、もちろん変わらなかったかもしれませんが。

深く情動のかかわった痛みは(それは証明できるものではありませんが)とても強い痛みなのです。

何かの拍子で起きた痛みがどのように変化していくかは予測できません。火事と同じで、そのうちに自然に消えるかもしれませんし、次第に延焼し山火事のようになるかもしれません。最初は全く予測がつかないのです。初期消火が大切だと思って仕事をしています。

山火事も最初はたばこのポイ捨てだったのです。その時の消火はとても簡単なのですが、山火事になってしまうと消火はとても難しくなってしまいます。

「数日前から、何も思い当たる原因がないのですが急に○○が痛くなりました。」このような患者さんは毎日診ています。

確実に消火(鎮痛)してやる。危険な病気がないことを検査する。痛みのメカニズムを説明する。ほとんどのケースで痛みの原因はストレスであることを説明する。治癒を保証する。痛みが消えなければ再受診するようにいう。

私はいつもこのようにしています。たとえば階段の昇降が痛いのなら、ブロックをしたあとかならず医院内の階段を実際に昇降してもらい痛みが消えたのを確認します。

寝返りが困難なら、楽に寝返りができるようになったのを確認します。

by junk_2004jp | 2005-03-08 21:32 | 慢性痛


<< Bio-psycho-soci...      腰部の損傷モデルはもう過去のものです >>