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心療整形外科

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2005年 04月 01日

関節リウマチと免疫

膠原病が発症するきっかけは強いストレス

さらに、膠原病がどういうようなときに発症しているか、ということを患者さんたちにしっかりと問診していくと、必ずストレスやウイルス感染のエピソードが得られました。たとえばひどい風邪をひいたあとで発症したという類のケースがひじょうに多いのです。つまり、ひどく組織が破壊されて、免疫抑制の状態になったときに起こっている病態なのです。

                   「免疫革命」  安保徹 (講談社インターナショナル)
 

私たちはまだ何も知らない

策2部で見てきたアレルギー、リウマチ、がん、エイズ、どれ1つに関しても私たちはまだ何も知らないのです。「現代分子生物学の理論ではこうなるはずなのに現実はまったく違うのはなぜか?」という場面に、私たちは何度も出くわすことでしょう。

このように現実とは残念ながら矛盾に満ちたものです。そのような現実を目の前にした時、微生物や分子という実体を追究していくことはもちろん大切なことですが、それと同じくらい大切なのは「何ものかのバランスの崩れを整える」という体液病理学説の精神に立ち返ることなのかもしれません。
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関節リウマチのようにマクロファージが活発に働きすぎて病的な事態を生じる病気もいくつかあります。そのような病気に対しては、マクロファージの機能を和らげる治療が開発されていくのかもしれません。

私たちの"知"が行き詰まったとき、先人たちの"知"から学ぶことはやはり多いような気がするのです。なにしろ顕微鏡も抗生物質もない時代に、先人たちは病気とはなにかを必死に見つめ、そして考えてきたわけですから。

「好きになる免疫学」 多田富雄 監修  萩原清文 著  講談社サイエンティフィク


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抗リウマチ薬は免疫に関係する細胞に働きかけ、異常になった免疫系を元の状態に戻して、病状の進行を止める薬です。抗リウマチ薬には、免疫調整薬と免疫抑制薬があります。

服用を開始してから、治療効果が出るまで1~3ヶ月かかりますが、効果が出ると、しばらく寛解状態が続きます。ただし薬により、特徴的な副作用が出ることがありますので注意が必要です。

患者により、特定の薬に反応しない人もあるので、試行錯誤を繰り返しながら、最も適した薬を選択することもあリます。副作用も、人により出る人と出ない人があるので、その薬が患者さんに合うかどうか検査して注意します。

免疫抑制剤を早期の関節リウマチに投与すると、将来の関節破壊が防止できるといわれています。最近、新しい薬の開発が盛んに行われています。


抗リウマチ薬はいろいろ試してみないと分からないのです。また副作用も気になります。長期に使うと効果が弱くなるので、他のものにチェンジすることもあります。先日、副作用で死亡例がでたというリウマトレックスも抗リウマチ薬です。

リウマチの治療はよく分からないというのが本当のところです。私は可能なかぎり薬は少なくするようにしています。

免疫異常による炎症、関節破壊を食い止める、痛みを管理するということですが、まだまだこれからの発展を期待したい。

by junk_2004jp | 2005-04-01 20:10 | リウマチ


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