2016年 06月 26日
私はMPS研究会を立ち上げたのだが、最近その研究会で言われている「筋膜リリース」についてもう少し考えてみたい。 トリガーポイントは、筋膜以外にも、腱や靭帯、脂肪などの結合組織=Fascia(ファッシャー)にもあることが知られています。 Fascia=結合組織、といっているが昨日述べたように一般的な整形外科医の認識とはちがう。 一般的に整形外科医はFasciaというと筋肉の表面を覆っている薄い膜のことで「筋膜」といっている。 読み進めていくと、「整形外科医がいっているいわゆる筋膜」と別に彼らのいうFasciaとは結合組織のことだとわかる。整形外科医は伝統的に結合組織をFasciaとはいわない。 つまり、いわゆる筋膜+Fascia(結合組織)、と考えているのだ。 最近では、特に重積した(厚くなっている)筋膜にあることがわかってきました。またトリガーポイントは筋膜以外に、腱・靭帯・脂肪などの結合組織=Fascia(ファシア)にも存在します。 昔から整形外科医は「アキレス腱周囲炎」「鶩足腱炎」「膝蓋靱帯炎」「ドケルバン腱鞘炎」という病名で注射をしています。ポリモーダル侵害受容器はいたるところにあります。 結合組織 伝統的な分類における組織の4種のうちの1種(他に上皮組織、筋組織、神経組織がある)。詳細に定義された分類ではなく、むしろ他組織に当てはまらない組織を集合させたことによる大きなカテゴリである。 神経周膜や、腕神経叢を包んでいる神経鞘のリリースも効果的なことが分かりました。今まで神経障害性疼痛と思われていた痛みが、Fasciaの異常である可能性が高まってきました。 神経鞘のリリース?理論が飛躍していて良く分からない。 結合組織の重積とはどういうことを言っているのか。読んでみると癒着とか肥厚とかと述べています。 要約すると、筋膜やFascia(結合組織)の重積(癒着、肥厚)を生理食塩水を注入することによって解放する。そのことをリリースとか剥がすといっている。 実際に針先が筋膜の重積している部分に到達すると、独特のヒビキ(反応)や、いつもの痛みの再現があります。「そこです!」というこの感覚を、「認知覚」と呼びます。画像上、筋膜が白く帯状に重積した部分を生理食塩水でリリースすると、即座に痛みが改善します。このことで、痛みの原因が筋膜にあると認知してもらいます。 つまりそこには活性化したポリモーダル受容器が存在するわけだ。 重積したFascia(結合組織)とは筋硬結のことなのか? 筋硬結が生食注入によってなくなるとは思えないが。どうなんだろうか。だから筋硬結のことではないのだろうか。痛みを発していない筋硬結もあることだし。 そして「動かないでいるとまた筋膜が癒着するので、散歩やラジオ体操をしてください」と呼びかけることによって、患者さんに行動を変えてもらうのです。これは、まさに認知行動療法です。 まあそういう言い方もあるでしょうが(笑)。寝たきりのひとは筋膜が癒着して痛いのか。 一般に認知行動療法とは「行動することによって間違った認知を改める」ことです。 痛みの改善のためトリガーポイント治療を受ける方のうち約90%の患者さんに症状の改善が認められます。しかし、治療を受けたすべての患者さんに対して効果があるというわけではありません。 その通りです。残りの10%の人をどうするかです。 私はモニターを使いませんが、外来ではほとんどの人がすぐに「楽になりました」といいます。 しかし不安、抑うつ、ストレス状態の人、非常に慢性化した人はそれなりに時間がかかったり、再発したりします。 また、不安障害や抑うつ状態が根本的にある患者さんは中枢性の痛覚過敏状態になっています。それをどうするかです。 そういう認識がなくて生食による筋膜リリースを受けて大変苦しんだ患者さん2人治療した経験があります。 患者さんにモニター画像をみせて患者さんに痛みと訣別させるのには有効だと思います。 しかし、現実には「腰が痛い、両膝が痛い、手がしびれる」というような患者さんが多いのです。 腰も多数に圧痛点があることがほとんどです。 診察時間をどうするのか。料金をどうするのか。 慢性の痛みはRSD=CRPSタイプ1と同一線上にあると思っています。 初期治療が重要です。 中枢(脳)を無視して痛みを診ることはできません。 ![]() この図は2001年にホームページを作ったときに作ったものです。 早期から第一現場に介入(局麻注入)すべきなんです。 慢性化すると第一現場だけの治療ではうまくいかないことが多いのです。
by junk_2004jp
| 2016-06-26 09:54
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