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心療整形外科

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2005年 04月 27日

急性腰痛症(ぎっくり腰)

急性腰痛症(ぎっくり腰)_b0052170_1439178.jpgAさん(40歳代、男性)は今日、朝、5kgぐらいのものを持ち上げたとき腰がガクッとした感じがして痛くなりました。立ち座り、曲げ伸ばしの動作が困難です。

1年前に、階段を上ろうとしてぎっくり腰になり当院を受診したそうです。カルテを出して見ましたら、1回だけの受診でしてた。その後のことをお聞きしたら、すぐに治ったとのことです。

図のような圧痛点がありました。圧痛点は手応えがありますから、他覚的所見といってもいいものと思います。

圧痛点に合計10mlの1%メピバカイン(局所麻酔薬)を注射し、スーパーライザーをあてました。注射針は19mm27G。

約5分間の治療で、痛みがほぼとれて動かせるようになったのを確認して帰られました。消炎鎮痛剤は2日分投与しました。

ぎっくり腰や寝違えはいつもこのように治療しています。治療のあとは必ず改善したことを確認します。

病態は筋筋膜性疼痛症候群(MPS)です。「損傷」ではなく「生物・心理・社会的疼痛症候群」ととらえるべきでしょう。

骨粗鬆症では重い物を持ち上げて圧迫骨折を起こすことがあります。

急性腰痛症(ぎっくり腰)は放置しても数日~数週で治癒するといわれていますが、すぐにでも仕事に復帰しなければならないのです。悠長なことをいっておれないことが多いのです。

アメリカの急性腰痛の診療ガイドラインと立場を異にしています。私は急性腰痛は筋筋膜性疼痛症候群で、脊椎は無関係なことが多いと思っています。痛みのメカニズムという観点からもガイドラインは疑問です。

by junk_2004jp | 2005-04-27 15:58 | 急性痛


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