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心療整形外科

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2005年 05月 02日

結局は筋痛症

患者さんに病名を告げるとき、「筋肉痛ですよ」ということが多いのです。ほとんどの患者さんに強い圧痛点がありますからね。もちろん、ヘルニアの痛みといわれているものもそうです。

いろいろな掲示板をみてもそれがわかります。勇気をもって動くこと、不安の解除、ストレッチなどをした人が治っていきます。

反対に、腰のMRIやレントゲンを定期的に撮っていつも腰に気をつかい、無理は禁物といっている人々は治りません。

問題はうつや、全般性不安障害や身体表現性障害などの神経症傾向に伴った筋・筋膜痛の場合です。

「筋肉痛」というと怪訝な顔をする方もいらっしゃいます。だから、私は治療で痛みを取ってから説明することにしています。ほとんどのかたにご理解いただけているものと思います。

筋肉痛というと「運動会の次の日の筋肉痛」のようなイメージなのかなと思いますが、これとはちょっと違うように思っています。いい言葉がないのです。筋痛症、myalgia、MPS、などの表現が流行すれば便利なのですが。

放置しても必ずしもよくならず、悪くなってしまうこともあります。早期治療は患者さんにとって利点が多いのです。

それを火事にたとえています。「放置しても消える可能性は多いですが、消えなくて火の勢いがまし大火になることもないわけではありません。脅かすつもりはありませんが、早く消火したほうが、有利ですよ。」

どのような痛みも最初はバケツいっぱいの水で消えるものです(簡単に治るという意味)。大火になると治療に時間がかかるものです。

しかし最近JAMAに掲載された論説でNortin M.Hadler博士は、画像検査は両刃の剣であり、患者を慰め満足させるために使用するのは危険だと主張した(Hadler,2003を参照)。Hadler博士は、「画像検査はこうした状況における診断方法として役目を果たしていない」と断言した。それは、病態生理に関する事実無根の概念を患者に押しつけ、治療に携わる医師の私的見解を患者に披露する複雑な治療行為の1要素である。患者はこれらの診断によって永遠に変えられるが、良いほうに変えられることはあまりにも少ないと博士は主張した。

by junk_2004jp | 2005-05-02 08:05 | 慢性痛


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