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心療整形外科

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2005年 05月 13日

身体表現性障害

日本医師会雑誌[特集]身体表現性障害がきましたので何回かにわたって書きます。

身体表現性障害_b0052170_345041.jpg

先日の図に身体表現性障害をつけたさなくてはいけません。この図は創作ですから、私がそのように考えているということです。

福井先生(聖路加病院)は「総合診療部での10年間の経験でも、外来でフォローしている患者さんの 30%近くが身体表現性障害の範疇にはいるのではないか」とおっしゃっていらっしゃいます。想像より多いのですね。

たとえば、骨折、癌、感染症でない腰痛のひとはこの図のどこかに位置するのです。TMSはmyositis(筋炎)といっているのですから、心身症圏内のことで、体の病気です。だから、体の治療によく反応して治ります。

圧痛点ブロック(トリガーポイントブロック)が効くのは、心身症圏内とうつや不安の一部です。交感神経緊張による血行障害があるのだろうと思います。

身体表現性障害は当然ブロックが効果があるとは思えません。ただ、この圏内の患者さんは身体の病気としての治療を期待しますので、その意味ではニーズに応えられるでしょう。

最初は心身症圏内だった痛みが、いつのまにか他の圏に移行することはあるでしょうし、オーバーラップもあるでしょうし、合併していることだってあるでしょう。

検査ではっきりするものではありませんので、診断は微妙です。身体表現性障害には診断基準があります。

腰痛に酸欠があるか無いかの議論は図のどのあたりに位置するかによって微妙なことです。

カルテの開示が言われるなか、整形外科医として腰痛の病名を付けるとき、とても難しい問題です。

by junk_2004jp | 2005-05-13 18:12 | うつ・不安・ストレス


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