心療整形外科

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2018年 01月 25日

医師の考え方を転換させることの方がより難しい課題かもしれない。

本日の2症例

⚫️ 60歳代、立ち仕事。2〜3ヶ月前より左下腿の横と裏が痛い。跛行している。仕事は休んでいる。

某医で腰のMRIを受け、腰からくる座骨神経痛と診断され薬を飲んでいるがよくならない。

下腿外側(腓骨筋)内側(腓腹筋)にできた5〜6個の圧痛点に計3〜4ccの0.5%メピバカイン(局麻剤)を注射した。その場ですぐによくなり跛行は治った。

腰からくるなんて考えられない。筋筋膜性疼痛症候群だ。

⚫️ 50歳代、半年前より朝礼で立っていると右下肢が痺れて来て立っておれない。太ももを挙げる(股関節屈曲)動作をしてしのいでいる。歩行も数分で痛くなる。

MRIでヘルニアがあるが取るほどではないといわれた。硬膜外ブロックなどを受けているがよくならない。

右の腸腰筋、太もも前面、下腿裏面の圧痛点4〜5個に計6ccの0.5%メピバカイン(局麻剤)を注射した。その場で軽くなりしびれも取れ歩きやすくなった。

注射のあと数分、仰臥位で股関節90度、膝関節90度屈曲位(脚を挙げた状態)で寝てもらった。

腸腰筋が主となった筋筋膜性疼痛だ。ヘルニアは何の関係もない。

痛みの原因はすぐにわかるのだが、今後の労働との関係や、どれぐらいこのような治療が必要か、その間隔はどうすればいいかは経過をみないとわからない。

2症例とも腰から来る(ヘルニアや脊柱管狭窄症)可能性は全くない。

当院ではレントゲンは撮っていない。MRIも見ていない。

筋筋膜性疼痛以外に考えられない。

脊椎の構造上の異常(ヘルニア、狭窄症、すべり症、分離症など)が痛みやしびれの原因だとする間違った考えを正すだけでどれほど身体的、経済的に有利になりかはかりしれない。

現在でも大学などでヘルニアや脊柱管狭窄の手術をしていると聞く。

医師のほうから変わることは期待薄だ。

患者さんはもうかなり知っている。「手術をしたってよくならない人たくさんいますよね〜。」よく聞く会話だ。

説得力のある科学的エビデンスによって、損傷モデルを支持する人々の考え方の誤りが指摘されている。しかし長年抱いてきた腰痛に対する考え方を変えさせ、ベテランの臨床医の診療を改めさせることは、いらいらするほど時間のかかる大仕事である。




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by junk_2004jp | 2018-01-25 03:03 | Comments(0)


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