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心療整形外科

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2018年 03月 22日

質問(トリガーポイントブロックと硬膜外、神経根ブロックについて)

先生が名誉会長をされている 筋膜性疼痛症候群(MPS) 研究会 を拝見させて頂いていますが、多くの病院でトリーポイント注射と神経根・硬膜外のブロック注射をおこなわれているかと思います。
両者では痛みの原因に対する考え方が違うように思いますが・・・(MPSに対して治療を受けても、結局はヘルニアや狭窄、関節の変形などが原因になってしまいそうで、少し困惑してしまします)
先生のブログなどで、 トリーポイント注射と神経根・硬膜外のブロック注射 の治療法との、整合性が書かれているページなどがあればお教えいただけると助かります。
保険診療費

神経根ブロック 15000円
腰部硬膜外ブロック 8000円
トリガーポイントブロック 800円 (何箇所しても)

頚、腰、両膝にトリガーポイントブロックをしても800円では・・・。

医師が悪意をもってやっているとは思いませんが、病院経営の投資、従業員の給料(看護師、事務員など)、ボーナス、退職金などを考慮すると工夫をしないとやっていけないのでしょう。

医師一人で保険診療はできません。

硬膜外+トリガー、神経根+トリガー、はいずれもトリガーは算定されません。

おまけにトリガーは週に何回と決められている地域もあると聞きます。

ブログのどこに書いたは忘れましたが、著書「トリガーポイントブロックで腰痛は治る!」では次のようにかきました。

神経根ブロックはあみだくじみたいなもの。

末梢から痛みの電気信号が神経根を通って脊髄に入り脳にいく。狙った神経根を通るならブロックできる。

硬膜外ブロックはカスミ網みたいなもの。

神経根付近を幅広く麻酔液にひたす。末梢からの痛みの電気信号をカスミ網にかけるようなものです。

ある雑誌で見たのですが、有名な医師(神の手)が次のようにいっていました。

「神経根ブロックが効けば、そこ(神経根部)が原因だったということで手術をする。」

「神経根ブロックが効かなければそこが原因ではない、つまり心因性。」

これは明らかに間違いです。神経根部が痛みの現場ではなく、痛みの電気信号がその神経根を通過したということでしかないのです。

つまり脊柱管狭窄やヘルニアが痛みの原因になることはありません。

神経線維の途中から痛みが起きることはないのです。(針を刺すような人為的以外は)

質問(トリガーポイントブロックと硬膜外、神経根ブロックについて)_b0052170_03163515.gif

痛みは痛覚神経(C線維)の先端に付いているポリモーダル受容器でおこり

質問(トリガーポイントブロックと硬膜外、神経根ブロックについて)_b0052170_03163970.gif
神経線維を通って(もちろん神経根も通り)脊髄に入り脳に到達します。

どこでブロックしてもいいのですが、圧痛点(過敏になった点)でブロックするのが、最も公平で効果的で危険も少ないと思っています。

ただし、慢性化すると中枢性の痛覚過敏になっているので、飲み薬や認知行動療法や理学療法などを組み合わせる必要がある場合もあります。


by junk_2004jp | 2018-03-22 03:26 | MPS


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