心療整形外科

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2018年 10月 23日

ザ・腰部脊柱管狭窄症の謎


これらは多くの脊椎外科医の考え方です。

私の考え方と違います。私は筋筋膜性疼痛症候群(腰、臀部、下肢)だと思っています。

考えてみましょう。

ビデオの考え方だと

⚫️「痛みの悪循環」を説明できません。
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⚫️「慢性痛」を説明できません。
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⚫️「神経障害性疼痛」を「神経が圧迫を受けて障害されている」と誤解している可能性があります。

⚫️「痛みは広がっていくことがある」をうまく説明できません。

⚫️脊柱管狭窄があっても症状のない人がたくさんいることをうまく説明できません。

⚫️「神経へ行っている血流の障害が痛覚を過敏にする」ということを生理学で説明できません。

⚫️慢性痛は生物・心理・社会的疼痛症候群だということだが、これをうまく説明できません。

⚫️圧痛点(痛覚が過敏になった点)の存在を説明できません。

⚫️手術をしてもよくならない、あるいはすぐに再発する人はかなり多いものと思われます。当院に受診する患者さんがかなり多い。

⚫️手術ですぐによくなることがあるのは、プラセボ効果、全身麻酔効果なのかもしれません。私の治療でもすぐによくなる人がいます。結局、痛みは脳の認知・反応なのですから、どんな治療を受けてもよくなる可能性があります。AKAでも。温泉、お灸、マッサージ、指圧、鍼など。昭和以前はそうしていたんでしょう。しかし、一旦画像を見せつけられ医師によりしっかりレッテルを貼られる(診断される)と治りにくくなるものです。

⚫️脊柱管狭窄症で身体障害者になった人を見たことがありません。大学病院で手術をした結果、車椅子状態になった人を2人治療に成功した経験があります。

⚫️オーストラリアのマルチメディア・キャンペーン「腰痛に屈するな」


スコットランドのマルチメディア・キャンペーン「腰痛の考え方を変えてその影響を軽減」



⚫️「神経線維は通常、その末端にある受容器からの信号を伝えるものであって、その途中が興奮を起こしたりするようなことはありません。」(熊澤孝朗著 痛みを知る)



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この説明はおかしい。神経根ブロックが効いたということは、そこが痛みの現場だったということではない。末梢からの痛みの電気信号がその神経根を通過したということです。効かなかったのはその狭窄しているところの神経根を通過しなかったということです。私は「あみだくじブロック」と思っている。硬膜外ブロックは「カスミ網ブロック」です。トリガーポイントブロックは「シラミつぶしブロック」でしょうか。
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この説明もおかしい。圧迫する部位がちょっと違うだけで、痛みがおきたり、マヒがおきたり。

上肢で考えてみましょう。

痛みのない人と、テニス肘や五十肩を患っている人が同じ重さのカバンを持ったとしたら、どちらが先にギブアップするでしょうか。しばらく休憩するとまた持つことができる。

これの下肢版が間欠性跛行ですよ。
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私が医師になったころの本には脊柱管狭窄症はありませんでした。

MRIの登場とプロスタグランジンE1の登場(2001年ごろ)降ってわいたようにブームになりました。
どちらを信じようと勝手なのは当然ですが、より矛盾のない、生理学に忠実なほうがいい。

治療は安くて簡単、再現性のある方がいい。

最近ネットでこんなのがありましたね。

差がないというより、手術は骨にまで達するケガと同じですから、明らかに悪化するように思います。



本日、ラッキーな症例がありました。

82歳、男性、10年来の腰痛、両下肢痛。歩行、階段昇降困難。

知人の紹介で関西から来院。

大学病院、2つ、いずれも同じ診断「脊柱管狭窄症で、手術で骨を削るしかない。」

数軒の整形外科受診も同じことだった。

両側の脊柱起立筋、臀筋、腸腰筋、外側広筋、腓腹筋、前脛骨筋、長指伸筋ななどにできた圧痛点に局麻剤を少しずつ注射する。

すぐに効果があった。患者さんは笑顔になった。もちろんプラシーボの要素ありだろう。

このようなことは珍しくないのです。

ある80歳の男性は脊柱管狭窄症で手術が必要と言われていた方ですが、いまでは毎週ゴルフに行っています。手術をしていたら、こうなるか疑問です。



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by junk_2004jp | 2018-10-23 03:40 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾 | Comments(0)


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