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心療整形外科

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2019年 03月 09日

医師の再教育、病名の統一

筋骨格系の痛みに関しての医療は、現状はとてもまずい。

医師数が増えて、MRIが増えると、当然医療費が増えて、それに伴い恩恵を受ける人が増えればいいのだが。

現状ではかえってマイナスに作用している。

医師の再教育は絶対必要だ。特に、整形外科専門医、脊椎外科専門医。

医学生には徹底的に教える。これにより、医療費の削減と慢性痛に悩む人は減るのではないか。

そんなに難しいことではないので、家庭医でも十分活躍できる。

柔道整復師、鍼灸師、理学療法士などとチームプレーが可能だ。

大学病院などに勤務していると慢性化したものばかりなのでかえって理解できないのではないか。おまけに、腰専門、膝専門など細分化されていることもあるので関連性まで思いつかない。

とにかく慢性化する前が勝負だ。

「脊柱管、ヘルニアが神経を押さえているので痛いのだ。」
「軟骨がすり減っているので痛いのだ。」
「すべり症がある。」
「椎間板、半月板が・・・」

このようなことがあたかも痛みの原因のように説明される。

これは生理学的に正しくない。また引導を渡すようなことになり悪影響となる。

とりあえず、下記の項目を1時間ずつぐらい勉強してみる。

痛みの生理学は1985年ごろ爆発的な発展があった。今から35年ほど前だ。オーストラリアやスコットランドで臨床に応用され始めたのはその10年ほど後になる。

日本では遅まきながらそろそろその波がきている。

① 痛みの生理学

痛みはどうして起きるのか

痛みがどうして慢性化したり広がったりするのか。

② 痛みの心理学(心身医学)

③ 筋筋膜性疼痛症候群

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病名

現状では病名はバラバラで情報の共有ができない。

椎間板症、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、梨状筋症候群、仙腸関節障害、変形性関節症、肩関節周囲炎、捻挫・・・

こんなの皆同じメカニズムで起きているのだから統一したほうがいい。

皮膚科の病名はどこにできたとしても、「湿疹、真菌症、ヘルペス」。これと同じでどこが痛くても同じメカニズムだ。

リウマチ系、痛風系、感染症、悪性腫瘍は除外する。

五十肩と坐骨神経痛、変形性関節症は同じメカニズムだということを知っている医師は少ないことと思う。

労災、交通事故、身体障害、など書類が多い診療科だが、病名がバラバラなので情報の共有が困難。

「腰部、臀部、左下肢の筋筋膜性疼痛症候群」「左肩関節周辺の筋筋膜性疼痛症候群」

注釈:慢性痛、不安障害、など

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⚫️ 2年前より左下肢痛で歩行困難。大学病院など多くの病院を受診。あらゆる検査を受けたが、わからない。クビからきているのではないかと言われている。

外側広筋にできた数カ所の圧痛点に30G針で局麻を注射、総量5mlぐらい。

すぐに著名改善、付き添いの二人、患者、びっくり、笑顔。

レントゲンもMRIも何もいらない。知識だけでよい。

経過を聞いただけでMPS(筋筋膜性疼痛症候群)しか考えられない。

ただ、そこに至った、心理状態(不安障害とか、定年退職直後の喪失感とか)までは一回の診察ではわからない。

感作の程度、心身医学は今後の経過をみながら。

⚫️ ぎっくり腰で病院にいく。レントゲンを撮り「骨に異常ありません」湿布と薬をもらったが一向によくならない。こんなことだから、医者はバカにされている。

多くのぎっくり腰はその場で解決できる。腸腰筋、脊柱起立筋などの攣りだ。レントゲンは必要ない。

⚫️ 同じ病院で4回腰の手術をした女性、いまだに頑固な腰痛、下肢痛に苦しんでいる。クビや腰の頻回の手術で線維筋痛症(あるいは類似状態)の人を何人も診ている。

痛みのメカニズム、心身医学の知識が0だから手術をしている。かわいそうなことだ。

医師がアスペルガーかサイコパスの可能性がある。医師はこういうことで淘汰されない職業だ。共感欠如、強いこだわり。

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線維筋痛症は筋筋膜性疼痛症候群の延長線上の病態。ボヤ〜大火の関係。ボヤのうちに消火すること。

急性痛、慢性痛に対する治療法はいろいろある。得意な方法で。安全で安上がりで繰り返してできるほうがよい。

急性痛の場合は組織損傷が伴っていることがある。組織損傷の治療と痛みの治療は別々のことと考えたほうがよい。痛みの治療は時間的要素があるのでとても重要。



by junk_2004jp | 2019-03-09 04:53


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