先日このことについてお話しました。
だから触診をしないのです。MRIやレントゲンの画像ばかりを見ているのです。
これは教育の問題だと思います。全国に蔓延する悪しき伝統なんです。
筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome=MPS)簡単に言えば筋痛症です。
最もありふれた運動器系の痛みの病名です。痛みを伴う疾患でリウマチ系、痛風系、感染症、悪性腫瘍を除いたもの。これらに合併していることもある。
「筋肉の痛みなんか放っておけば治る、医者の出番ではない。」と思っているのかもしれません。
MPSを知らない弊害
- 線維筋痛症が理解できない。筋筋膜性疼痛症候群の延長線上に線維筋痛症があります。
- 「軟骨が減っているから痛い」「脊柱管狭窄、椎間板ヘルニアが神経を圧迫しているから痛い」では「痛みの悪循環」は説明できません。
- 「生物・心理・社会的疼痛症候群」の説明困難。
- 「慢性痛」を説明できない。「治癒に要すると期待される時間の枠組みを超えて持続する痛み」(約3ヶ月)軟骨や脊柱管狭窄が治ることはないですね。
- 「痛みが広がる事がある」MPS以外では説明できない。
- 「中枢性感作」「神経障害性疼痛」の説明困難。
- 発達障害、アダルトチルドレンなどの二次的不安障害、抑うつ状態が影響していることが説明しにくい。
- 早く痛みを止めることが重要なのだが、機を逸する。
レントゲン、MRIがない、変形性関節症、脊柱管狭窄症という言葉がない時代のほうがよかったのではないだろうか。医療化してしまったわけだ。
しなくてもよい検査をして、間違った説明を聞いて、しなくてもよい手術をして、いつまでも痛い痛いじゃ、ナサケナイ話です。