2019年 10月 11日
75歳、男性、雪かきをしたあと、腰、下肢が痛くなり、整形外科を受診。 レントゲン、MRIの検査を受ける。 脊柱管狭窄症の診断を受ける。 治療を続けるも改善せず、手術を受ける。 よくならない。 当院受診。(トリガーポイント注射、サインバルタで回復) つまり、この方は急性痛から不適切な治療で慢性痛に移行したものと思われる。 手術は麻酔下にケガを負うこと。また術後の安静は痛みの慢性化に繋がる。 ================== 雪かきをするぐらいだから、もともと、元気だった。 脊柱管狭窄が急に起きるわけではないのだから、雪かきをする前から、全く症状のない脊柱管狭窄があったのだろう。 =================== 今回の痛みは 1・脊柱管狭窄のため 2・雪かきをしたための筋痛(遅発性筋痛・・・運動会の次日)(サルコペニア・・・年寄りの冷水) 3・脊柱管狭窄がある人が雪かきをしたから 以上のどれだと思いますか? 答えは2。 3はない。テニス肘、五十肩のとき、頚の検査をすることはない。神経が圧迫を受けると痛覚が過敏になるという法則はない。狭窄のない人でも痛みはおきる。 鍼、マッサージに行けばよかった。もちろん私のところに来てもすぐに治せます。急性痛は治りやすい。 もし、MRIに異常がない場合は 「特に異常ありません」「手術するほどの異常はありません。お薬、湿布だします。」 ということになるが、それでよくなるかどうか。 筋痛は慢性化しやすいものだ。五十肩で経験する。 大学病院などでは新鮮例を経験することは少ない。 外来医、病棟医、手術医、リハビリ医と別々のことが多い。 医師は治すスキルや道具を持っていないので、とりあえず検査をしがち。 上記の症例の「雪かき」のかわりに「草むしり」「旅行」などを、「脊柱管狭窄」のかわりに「軟骨障害」「ヘルニア」「半月板障害」「すべり症」などを挿入すればいくらでもストーリーができる。 とにかく、慢性痛の説明には筋筋膜性疼痛症候群でしかできない。 大病院の門前で治療院を開業するのはいい方法だ。 猫に小判、整形医にMRI、なんて言われないように。 痛みの生理学が爆発的発展をしたのが35年前だ。 いつまでも古い概念でいてはならない。
by junk_2004jp
| 2019-10-11 14:00
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