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心療整形外科

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2020年 10月 01日

トンでも医学(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症)

腰椎椎間板ヘルニアの歴史を振り返ると,最初に腰椎椎間板の突出が坐骨神経痛を引き起こし得ると考えたのは,1911年のGoldthwaitにさかのぼる.1934年,MixterとBarrの発表から腰椎椎間板ヘルニアの手術が徐々に世の中に広まっていったことは周知の事実である.
1911年(明治44年)109年前、 1937年(昭和9年)86年前


「神経根が圧迫を受けるとその神経根の支配領域に痛みやしびれが生じる。」

椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、椎間孔狭窄症、脊椎症性神経根症、すべり症、坐骨神経痛などの病名であらわされている痛みやしびれは100年前の「とんでも理論」によるものだ。

これによって多くの人が辛い人生を送った。

学問だから仮説を立て議論することは大切なことだ。しかし、この問題についてほとんど議論を聞かない。そこが不思議だ。

私は2009年に「トリガーポイントブロックで腰痛は治る」という本を書いた。そこでは神経根圧迫説が間違っていることを書いた。

椎間板ヘルニアも脊柱管狭窄も健常人でも60%以上の人に見られるという。

近代の痛みの生理学では「神経を押さえると痛みやしびれが生じる」という説はない。

「痛みがなぜ起きるのか、なぜ慢性化するのか、なぜ広がるのか」について理論的な説がある。

100年前のとんでも説、珍説をなぜ今も固執しているのか不思議なことだ。

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これは私が医師になったころの成書なのだが(40数年前)「脊柱管狭窄症」は全く書かれていない。
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つまり当時は脊柱管狭窄症という病気は存在しなかったのだ。

パルクス注という血流改善剤が発売された1988年に急に「脊柱管狭窄症」が登場した記憶がある。

神経根の血流が阻害されても下肢や腰、お尻の圧痛点の説明は永遠に不可能だ。

「間欠跛行が神経圧迫のせいだ」というのは全くいただけない。センスが悪すぎる。



by junk_2004jp | 2020-10-01 17:13 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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