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心療整形外科

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2021年 02月 20日

fear avoidance model(恐怖回避)

慢性疼痛という難治な病態に患者を陥らせないために何ができるだろうか。急性期のうちに慢性 疼痛に進展する症例を予測できないのか。

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fear avoidance model

よくあることを書きます。

Aさん、70歳代、男性、雪かきをした次の日、腰痛、大腿部痛で歩行困難。

筋肉痛だろうと思い整骨院へ行く。数日通院するもよくならず。

整形外科へいく。腰のレントゲンを撮り、「脊柱管狭窄がみられる、そのせいだろう。」リリカと血流改善剤を処方。リハビリに通ってください。

よくならない。「大きい病院で詳しく診てもらってください。」紹介状。

大きい病院でまたレントゲンとMRI。

「脊柱管狭窄がみられます。硬膜外ブロックを数回やってみて、それでよくならないなら手術も考えておいてください。」

Aさんは不安のなか通院をする。よくならない。


昭和初期ごろまでの様子を想像します。

医者、治療者「年寄がむりしちゃったねw、筋肉が張ってますよ。」

殿筋、腸腰筋、大腿筋膜張筋などの筋肉を指圧、鍼、灸などをする。

数日で回復した。

こんなところでしょう。

このケースでは圧迫骨折の疑いがあるときだけレントゲンが必要です。

遅発性筋痛を脊柱管狭窄症にすり返られたというわけです。

患者さんはプロが精密検査をしての説明だから信じるのも無理はないですね。

腰だけではありません。膝、頚、肩、股関節などもおなじことです。

自分で治すのなら、市販のアセトアミノフェンを飲み、テニスボールなどを使った指圧。筋肉を見慣れている治療家。

痛みの悪循環・・・筋肉の関与

テニス肘や五十肩で頚で神経が圧迫を受けていると説明するヤブはいないですね。

安易にレントゲンやMRIなどの検査を受けると見えなくてもいいものまで見えてしまい「恐怖回避モデル」の図の左のサークルになってしまうことがあります。

骨折の可能性があるのか?

脊椎関節炎グループ(10万人あたり0.48人)?

関節リウマチ?

リウマチ性多発筋痛症?

痛風?偽痛風?

これらが疑われるとき血液検査やレントゲン検査が必要です。

日本の慢性痛患者数を減らそうと思うなら、メディア・キャンペーンが有効です。





by junk_2004jp | 2021-02-20 23:48 | 急性痛


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