痛みは個人的な体験と定義されています。痛みは見えない(画像化できない)測れない(数値化できない)ものです。ということは動物実験ができません。
「もちろん、意見には個人差があります。」といっても、医学は自然科学系です。文学や経済学、歴史学、哲学などと違って現時点においてどう考えるほうが正しいのかを追求するのが患者さんにとっても医療経済にとってもとても大切なことです。
この問題はとても大きいのです。
「非特異的腰痛」という言葉が最近言われるようになりました。以前はこういう表現はなかったのです。まず私と違う考え方を提示します。どう考えたらいいのでしょうか。
私の考え方
どの部分の痛みを腰痛というのか?臀部は腰?背部と腰の境は?頚部と背部、肩の境は?という疑問があります。だから「筋骨格系の痛みの分類」ということにします。
私は次のように考えます。
①が非特異的疼痛ということでしょう。血沈亢進なし、CRP正常。整骨院守備範囲。ほとんどがこれですね。
②~⑥が特異的疼痛ということでしょうか。②や⑤は血沈、CRP ↑。整骨院の守備範囲ではない。
①か①以外かを診断するのを除外診断といいます。画像診断や血液診断をすることがあります。
腰痛の場合、ほとんどが①です。腸腰筋、腰腸肋筋の筋筋膜性疼痛が多いです。決め手は圧痛です。
神経が圧迫を受けると痛みやしびれが生じるという生理学者は今のところ知りません。神経障害性疼痛というのは「末梢性、中枢性感作を起こした」という意味で
神経障害性疼痛≒慢性痛ということだと思います。
慢性の肩こりにロキソニンパップやモーラステープ(消炎鎮痛剤)が効くのは混合性疼痛だからでしょう。