痛みの言葉は変遷があるので理解をするのが難しい。なにしろ数字化、画像化できないので。
①私が医局員だったころは(痛みの生理学がまだ夜明け前)太い神経線維が傷ついて痛みが続くものをカウザルギーとか言った。代表格が刀傷、四肢の切断による幻肢痛。帯状疱疹後神経痛もここに入る。これを神経因性疼痛といったのかもしれない。現在ではCRPStype2という。
②神経線維に傷がなく、ケガのあと長引く痛みをRSD(反射性交換神経性ジストロフィー)といった。現在ではCRPStype1という。
神経障害性疼痛:昔はこの言葉がなかった。リリカの新発売によりファイザー社の大々的なコマーシャルにより知った次第だ。
それで①と②を合わせたものだと理解している。
昔は慢性痛という概念は無かった。侵害受容性疼痛と神経因性疼痛と心因性疼痛という分類だった。今では心因性疼痛は死語になっている。
侵害受容性疼痛も悪循環を繰り返していると慢性痛=神経障害性疼痛に大化けするわけだ。
急性痛、慢性痛という分類も微妙なもので、最初から慢性痛の様相を呈していることがある。中井吉英先生は急性期慢性痛、慢性期慢性痛と表現している。
ファイザー社のリリカ広告は何だか誤解を生む広告だった。

