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心療整形外科

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2005年 07月 16日

文春:「IT時代の肩凝り」マル秘脱出法

「ところが単なる"凝り"で済んでいるうちはよいとして、背骨の障害にまで進展することも珍しくない。そんな現象が、特に最近、働き盛りの人々の間に広がりつつあるのです」こう語るのは、三井弘整形外科リウマチクリニックの三井弘院長だ。
世界的な医学誌『SPINE(脊柱)』の論文審査委員でもある三井院長としては、痛みに対する認識の間違いから症状を悪化させるケースが増えているのが、気になるという。
「ほとんどの肩凝りは、肩の筋肉の疲労か、首の故障が原因となっています。単なる筋肉疲労の段階なら、翌日までに回復するはずだから間題はありません。しかし疲労の蓄積によって筋肉が衰えた結果、首が頭を支える"サポートカ"が弱まると、種々の障害が出るようになります」
よくあるのが、前屈みなどの異常姿勢を長く続けることから起きる、「首の屈曲による脊髄障害」とされる種々の症状だ。
「たとえば、『変形性頸椎症』や『狭窄症』といった"首の骨の変形"が生じると、頸椎から出ている神経根が圧迫されてしまう、という現象が起きてきます」
具体的には、「まず、肩の筋肉を司る神経が圧迫されて痛み、肩凝りが日常化する。また、手が痺れてて字が書けなくなるとか、箸が持てなくなる、といった症状も出ます。さらに頸椎の変形が進めば、(頭と胴体を繋ぐ脊椎部分の障害として)脊髄全体を圧迫する可能性があり、歩行困難や膀胱障害なども起こりかねません」


先週号の腰痛に続いて「肩凝り」について書かれたものだが、期待はずれでがっかりした。
肩の筋肉を司る神経が圧迫されて痛み、肩凝りが日常化する。
これは生理学的にまちがいです。また多くの人を診察してきたが未だに神経根が圧迫されて神経症状(筋萎縮、運動知覚麻痺)をきたした人をみたことがありません。

このような解説に多いのは痛みと疲労と麻痺をを混同してしまっているてんです。
後縦靱帯骨化症やヘルニアによる脊髄圧迫による脊髄症状はまれにあります。姿勢によってこのようなことが起きるとは思えません。
私はかなり長時間パソコンをしますが頚痛はおきませんし、神経症状がでる心配をしたことがありません。
手のしびれを訴えるのはストレスが関与した筋筋膜性疼痛症候群が考えられます。

慢性頸部根性痛治療に関する初の無作為研究

トリガーポイントが教えてくれる疼痛疾患診断の盲点ー混迷している疼痛疾患診断の現状について考える

TMS (Tension Myositis Syndrome:緊張性筋炎症候群)理論を提唱しているJohn E.Sarnoも「わたしの経験では、脊椎の構造的な異常が背腰痛の原因であったことはめったにない」「構造異常に原因を求めて診断するのは、実に残念な誤りである」と述べている。

トリガーポイント鍼療法を活用するために

医療の現場において痛みの患者に対する不適切な診断が非常に多いということです。実際には、筋筋膜性疼痛症候群による疼痛の患者は非常に数多くいるにもかかわらず、筋筋膜性疼痛症候群という診断を下す医師はほとんどいません。



by junk_2004jp | 2005-07-16 03:18 | 慢性痛


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