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心療整形外科

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2005年 07月 30日

痛みの生理学①

痛みの生理学について臨床医はほとんど知らないか、忘れてしまっていることが多いものです。医学部6年間のはじめの方にちょっと習うだけですから。

そこで、ここでは愛知医科大学痛み学講座の「言葉のアラカルト」を参考にして勉強してみたいと思います。

神経性炎症:逆行性刺激や軸索反射により、神経ペプチドが神経線維末端から遊離され、その周囲の血管にはたらき、血管拡張、血管漏出などの炎症様反応を呈する。

神経ペプチド:神経細胞内で合成されるペプチド(アミノ酸の連鎖化合物)で、最下等動物である腔腸類の神経系にも存在する。サブスタンスP、CGRPなどはポリモーダル受容器ニューロンにも存在し、このニューロンが興奮すると脊髄の中の終末部から遊離され、痛みを脳に伝えるのに働く。また末梢組織にある終末部から遊離されて周囲の細胞に働き、炎症やその他の反応を引き起こす。

ポリモーダル受容器(polymodal receptor):機械的、化学的および熱刺激のいずれにも反応し、その活動は炎症メディエータによって著しく強まる。感覚受容器であるが、その興奮に伴って末端からペプチドを放出し、効果器としての働きも示す原始的で未分化なニューロン。二次痛を伝える。

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たとえば、打撲とか捻挫のごく初期に局所麻酔を患部に注射すると、その後に起きるかもしれない腫れや痛みを予防することができます。プロ野球やサッカーの選手はもっと積極的にこの方法を採用すればよいのにと思います。

wind up:繰り返し刺激により脊髄ニューロンの反応性が次第に増大する現象。WDRニューロンで特徴的にみられ、多シナプス回路の促通現象である。持続的な痛み入力による脊髄痛覚系の興奮性の増大をもたらす機序をなす。

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by junk_2004jp | 2005-07-30 13:04 | 痛みの生理学


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