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心療整形外科

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2023年 02月 08日

鳴りやまない、あるいはとても過敏になった火災報知器

痛みの定義

組織損傷が実際に起こった時あるいは起こりそうな時に付随する不快な感覚および情動体験、あるいはそれに似た不快な感覚および情動体験


①「組織損傷(骨折、肉離れ、靭帯損傷、腱損傷など)を伴った不快な感覚および情動体験」、②「組織損傷がまさに起こりそうなときの不快な感覚および情動体験」③「組織損傷がない、予兆もないのにそれがあるときに似た不快な感覚、情動体験」

ということになる。

慢性痛とは、あきらかな組織損傷がない、あるいは組織損傷が治癒した後もとても過敏になった火災報知器ということだ。

一度鳴り出すと止まらなくなる、あるいは癖になる火災報知器。

お湯を沸かしても鳴る火災報知器、ライターに火をつけても鳴る火災報知器、こうなると人生が大変だ。

構造の治療と痛みの治療は別問題で、痛みの治療が最優先だ。

症例1

1年前足首を捻挫した。階段の昇降時に痛みあり。外くるぶしの下方に2か所圧痛点あり。その部分の痛覚が過敏になっている。その部位に局所麻酔を計2㎖注射した。改善した。

RSD=CRPStype1

捻挫は靭帯損傷を伴うが強固な固定よりも緩やかな安静と局麻剤の使用が損傷の治療にもいい効果がある。

多くの慢性痛はRSDともいえる。

症例2

マンモグラフィーを受けてから両肩、腕、胸部痛あり。胸郭出口症候群といわれた。夜間痛あり。

胸、肩、腕などにできた圧痛点(両方で20か所ぐらいか)に局所麻酔を数ミリ注射して改善した。

いずれの症例も診断、治療は簡単だが、何回、間隔はケースバイケース。

痛覚が過敏になっているのに、それに追い打ちをかけるような診断をする医師。

軟骨がすりへっている。すべり症、狭窄症、ヘルニア、このような痛みの原因ではない診断をすれば火に油を注ぐことになる。



by junk_2004jp | 2023-02-08 14:00 | 慢性痛


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