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心療整形外科

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2023年 07月 15日

脊柱管狭窄症と診断された75歳男性

Ąさん75歳、男性、調理人。私と同学年、今も仕事をしているところは私と同じで親近感あり。
2週間ほど前より特に誘因なく腰痛、下肢痛出現。前屈みで跛行。過去にこのようなことはなかったとのこと。
某医受診でMRIを受けて「脊柱管狭窄症」と診断され、硬膜外ブロックを受けたが改善しなかった。
前日、図書館で偶然私の本に出会い「これだ!」と思い当院受診した。
持参したMRIを見たが見事に狭窄されていた。

健常な中高年でも60~70%に脊柱管狭窄がみつかる。あなたも症状のなかった1ヵ月前に検査を受けてもこれと同じです。狭窄が急に起こることは想像できません。

神経が圧迫を受けるとその先端に痛みが生じるという生理学は存在しません。理論的に説明できません。私は整形都市伝説のようなものだと感じています。
脊柱管狭窄症と診断された75歳男性_b0052170_01412922.jpg脊柱管狭窄症と診断された75歳男性_b0052170_01533160.jpg









「脊柱管狭窄が原因だとは到底思えません。筋肉が攣っているのです。よくなりますよ。安心してください。」「何かいつもと違った出来事はなかったですか?」
「いいえ、特にありません。私は何もストレスはありません。冷房で冷えたせいかと思います。」

ストレスがないという人でも身体が自動的に反応することがある。心身一如。

「6~7年前、頚が痛く、腕がしびれて、頚の手術をしました。狭くなったところにチタンが入っています。それ以来、体調が変化しました。時々膝崩れがおきますし、寒さもこたえるようになりました。若い時はスキーもして寒さに強かったのですが。」

職業がら、いわゆるスマホ首(斜角筋の緊張)だったのだろう。ここでも整形都市伝説が発動したのだろう。

腸腰筋などの圧痛点にトリガーポイント注射をした。痛みは改善して姿勢もよくなったのだが、3日おきに3回治療で完治に至っていない。

私の年齢になると、特に男性では、将来が見えてくるし、いろいろと気になるものだ。
公認心理師でもいればいいのだろうが、保険診療では・・・・。

この症例は発症して2週間だが急性痛ではなく、心理・社会的要素を多く含んだ神経障害性疼痛だと思われる。(急性期慢性痛)

脊柱管狭窄症で手術をしたがよくならない人をたくさんみてきた。限られた時間、限られた金銭、で生活しているわけだ。専門家は今更診方を変えられないだろうが、かといって患者さんもたいへんだ。

また研修医もせっかく医師免許を取ったのに正しい知識を持たないのはかわいそうなことだ。







by junk_2004jp | 2023-07-15 03:44 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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