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心療整形外科

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2023年 11月 17日

「軟骨がすり減っているから膝が痛い」 「脊柱管狭窄が椎間板ヘルニアが神経を圧迫しているから腰や脚が痛い」 いずれも完全に間違っている。

痛みの生理学からみても間違いだ。

統計的にも治療経過からもわかることだ。

ズバリ筋骨格系の痛みは筋痛だ!(リウマチ系、痛風系、感染症、悪性腫瘍、帯状疱疹後神経痛、CRPS2は除く。聴診、視診でほとんど鑑別できる)

この筋痛はコリ、攣り、張りと表現される。

筋痛を侮ってはいけない。慢性化しやすいし、広がっていくこともある。

筋肉は固く短縮する。ストレートネック、巻肩、反り腰、O脚などの変形を起こすこともある。

早期に治療すると1回~数回の治療で治ってしまう。私は局所麻酔を圧痛点に注射する方法を用いているが、鍼、マッサージ、薬といろんな方法がある。

一時押え、その場しのぎ、ではない。「再起動」するとパソコンの不具合が直るようなものだ。

慢性化するというのは、痛みは悪循環し、脳に痛みの信号が入力し続けると、脳が痛みを感じやすくなる。IT用語で表現すると「バグる」わけだ。

早期治療はバグるのを防いでいるのだ。とても大切なのだが、「痛み止めを使うと癖になる、体に悪い」などと思いガマンする人がいる。

軟骨すり減り、狭窄、ヘルニアなど構造的変化が痛みの原因だと思っている人にとっては、痛み止めは一時押え、その場しのぎと思うのだろう。

バグると修正したプログラムをアップデートすればよいのだが人間はそうはいかない。

認知行動療法、カウンセリング、心理・社会的問題など。

日々の生活、仕事もあるし個人にあった治療が必要だ。

痛みの起きるきっかけは

  • ケガ(打撲、捻挫など、組織損傷の治療と痛みの治療は別。痛みの治療は早急に、構造の治療は熟考)
  • 過剰な繰り返し動作(歩行、階段、仕事、スポーツ)
  • 長時間の固まった姿勢(パソコン、スマホ)
  • 筋肉の攣縮(ぎっくり腰の腸腰筋、伸張性収縮)
  • 不安、緊張(夜間のくいしばりで顎痛、握りしめで手のしびれ、寝違い)

早期に痛みを止めて、痛みの起きたキッカケを見直して対策を立てること。

無駄な検査、間違った説明から身を守って。


by junk_2004jp | 2023-11-17 02:21 | 痛みの生理学


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