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心療整形外科

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2024年 06月 28日

医師が知らない(習わない)筋肉のコリ、攣り、張りの痛み・しびれ

筋骨格系の痛み、しびれのほとんどは筋のコリ、攣り、張りのためです。これを筋筋膜性疼痛症候群Myofascial Pain Syndrome(MPS)という。

そうでないものは→炎症性疼痛、侵害受容性疼痛

  • 炎症性疾患の自己免疫疾患である「関節リウマチ、脊椎関節炎など、リウマチ性多発筋痛症」、
  • 炎症性疾患の代謝異常の「痛風」「偽痛風」
  • 炎症性疾患の感染症

  • 特殊なものとして帯状疱疹後神経痛、CRPSⅡ(幻肢痛など)、糖尿病性疼痛→神経障害性疼痛

椎間板ヘルニア 、脊柱管狭窄症 、坐骨神経痛 、頸椎症 、椎間板症 、神経根症 、すべり症 、分離症 、肩関節周囲炎、腱板損傷、頸肩腕症候群、胸郭出口症候群、テニス肘、手根管症候群、肋間神経痛、変形性関節症、半月板障害、アキレス腱周囲炎、腱鞘炎、足底腱膜炎、シンスプリント、などと言われている疾患の痛みやしびれはMPSです。

上記のようにいろいろな保険病名が使われていますが、本態は筋肉のコリ、攣り、張りです。これらは慢性化しやすく、早期に適切な治療が必要です。慢性化したもの→痛覚変調性疼痛

最初は侵害受容性疼痛で中枢性感作が起きると痛覚変調性疼痛になる。侵害受容性疼痛と痛覚変調性疼痛の要素をもったものを混合性疼痛という。

医師はこれを習っていないと思われる。私は習わなかった。

習わないだけではなく間違ったことを習ってしまった。

  • 間違い1 神経が圧迫されると痛みやしびれが生じる。
  • 間違い2 軟骨や椎間板、半月板、腱板が老化すると痛みが生じる。

症例を紹介する

60歳代、看護師。右臀部と右下腿に痛みとしびれが出現。MRIで脊柱管狭窄症と診断された。「放っておいたら治る」といわれ、いつの間にか治ってしまった。

ところが最近また同じ症状がでてきた。今回は2週間たっても治らない。
当院を受診した「多分、ストレスが関与したMPSでしょう。狭窄症は何の意味もない変化です。」

狭窄しているものが開いたり閉じたりしません。狭窄が原因なら放っておいても治るわけがないですね。前医も不思議と思いつつMPSを知らないのでそういう表現になったのでしょう。

MPSを知らないからムダな検査をして画像所見を痛みやしびれの原因と誤診するのでしょう。



by junk_2004jp | 2024-06-28 13:44 | MPS


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