2024年 09月 24日
Monthly Book Orthopaedics Vol.12 No.1(1999) 外傷性頚部症候群 診療マニュアル ー最新の知見からー 海外文献からみた外傷性頚部症候群の概況 杉原俊弘 慢性化 一般的には軟部組織の修復に必要な期間内で治癒する者が多いが、何らかの理由で慢性化すると治癒しない症例を多くみる。 個々の患者の予後は2分化され頚部痛は最初の数か月で寛解するか、いつまでも持続するかの2つに分かれる。 即ち速やかに回復するものでは2~3か月で症状は改善するが、その時期を失すると、回復率は劇的に鈍化し、2年以上も症状に変化が見られない場合が出てくる。 診療記録に基づいたデータから解析したものでは、むち打ち症の患者の14~42%に慢性的な頚部痛が発現し、10%に持続性の重度の疼痛が生じている。 Norrisは20か月後でも67%ではなんらかの症状を有し、15%は休業していたと報告している。 Garganによる追跡調査でも、患者の88%ではまだ症状が残存し、28%に厄介な症状、12%に重度の頚部痛があったと報告されている。 同様にDeansは一年後でも42%のものがいくらかの頚部痛を有し、6%は持続的であったと報告している。 また、Bovinは、ノルウェー成人1万人に無作為に1万人に頚部痛を経験したか否かについてアンケートを行い、その結果34.4%は頚部痛を経験し、13.6%が6か月以上継続していたことを明らかにし、これらのことよりむち打ち後に継続する疼痛の罹病率は、他の一般の慢性頚部痛の罹病率とほぼ同じであった、と報告している。
by junk_2004jp
| 2024-09-24 13:42
| 交通事故診療
|
アバウト
カレンダー
LINK
最新のコメント
最新のトラックバック
カテゴリ
検索
以前の記事
ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||