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心療整形外科

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2024年 11月 07日

第三の痛み:痛覚変調性疼痛

第一:侵害受容性疼痛 nociceptive pain

炎症性疼痛、消炎鎮痛剤(ロキソニン、ボルタレンなど)が効く

①関節リウマチ、脊椎関節炎グループ・・自己免疫異常による炎症
②痛風・・尿酸塩の代謝異常による炎症
     偽痛風・・ピロリン酸カルシウム結晶による炎症
③感染症
④ケガの当初の反応性炎症

第二:神経障害性疼痛 neuropathic pain

CRPSⅡ (幻肢痛など、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経痛

第三:痛覚変調性疼痛 nociplastic pain

  • 2016年国際疼痛学会、2021年日本語訳(痛覚変調性疼痛)
  • 第一、第二でもない痛み
  • 殆どの慢性痛(3か月以上続く)
  • ケガややり過ぎで起きた痛み(侵害受容性疼痛)が変化したもの。(オタマジャクシがカエルになる)
  • 痛みを小火のうちに消さなかったことがあとで慢性の難治性疼痛に繋がります。こじれた痛み。
  • 侵害受容性疼痛と混在していることが多いように思われる。

横浜市大の北原先生はつぎのようにいっています。
「あなたの痛みの要因は痛覚変調性疼痛です。これは日常でよく経験するような痛みとは異なるため、痛みの治療に通常使われる方法とは別の治療法を用いなければよくなる可能性は低いです。」と説明し、生物・心理・社会的要因へと誘導していく。」




言葉が有名になれば検査を繰り返さなくてもいいし、患者さんも納得する。ムダで有害な手術もうけなくてすむ。

初期のうちに痛みをしっかりと治療する。休暇をとることを認める。

「発達障害者支援法」は2005年にできて今では発達障害を知らない人はほとんどいない。それまでは精神科医でなければ知らなかった。

「痛覚変調性疼痛」もそれと同じことで、有名になれば予防もできるし、それにそって集団的、学際的な専門の治療もできる。

「軟骨がすり減っている」「神経を圧迫している」とか痛みとは無関係なことを言わない。


by junk_2004jp | 2024-11-07 14:52 | 痛みの生理学


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