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心療整形外科

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2024年 11月 12日

手根管症候群といっても

症例1
70歳代、女性、1ヵ月前より右手掌拇指、第2,3指にしびれあり。TVで手根管症候群を解説していたのを見て、これではないかと受診。最近、ステックを使った競技を熱心に練習している。

母指球や前腕屈側の圧痛点数か所に局所麻酔を計2㎖打つ。同部に数分間バイブレータをあてる。しびれなくなる。

症例2
70歳代、男性、2年前、両手の手根管症候群の手術をしたが、改善しない。筋委縮はみられない。症例1と同じ治療をしている。


①正中神経の手根管部での絞扼性神経障害

手根管症候群といっても_b0052170_13094298.jpg
  
ネットでもらったものです。
母指球の筋委縮がもられる。
拇指でOの形がつくられない。

②症例1や2は神経障害ではなく、前腕や母指球などの筋筋膜性疼痛症候群。こちらが圧倒的に多いと思われる。これが悪化して絞扼性神経障害になることはないと思うが。

神経が圧迫されるとしびれるという事実はない。
「ジンジンとした異常感覚」をしびれというし、「感覚が鈍麻~脱失」(局所麻酔を打った時)をしびれると表現することもあるので、どちらなのか注意する。

このように大きく異なった病態を一つの症候群としているのはいかがなものか。



絞扼性神経障害の場合は手術が必要だ。




by junk_2004jp | 2024-11-12 13:00 | MPS


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