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心療整形外科

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2024年 12月 15日

整形外科医は反省すべき

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Ortho.Sci.2014
最初に行った治療施設別に見た運動器慢性痛の治療満足度

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整形外科とは簡単にいうと急性の組織損傷のレベルを判断し、適切な方法を行うことが本来の目的だ。

外科に至っては大門未知子に慢性痛を診てもらっているようなものだ。整形外科も手術大好き先生もいる。手術もケガ!

結局、椎間板ヘルニアも狭窄症もすべり症も椎間板症も軟骨症も慢性の痛みの原因ではなかった。

損傷のレベル0.1~1は検査しても分からない。だから異常なしとか、放っておいても治るとかいう。それは当たるかもしれないが、痛みが長引き慢性化するかもしれない。

最近小中学生が「捻挫・打撲で痛い」と親と来院するが親が注射を勧めるケースが多い。これが昔と違う点だ。ある程度噂になっているのだと思う。私は細い針30Gを使うのであまり痛くはないが、本人が拒否すればしない。すぐに効果が出て笑顔になる。多くはレベル1~1.5ぐらいの損傷で安静より適度に動かしたほうが安静よりいい。

慢性痛の画像検査では慢性痛の原因がわかるのではなく、誰もが生じる経年的な変化か、外傷によって生じた結果がわかるだけなのだがそれが慢性痛の原因だと錯覚する。

たとえば、ヘルニアがあったとしても今回のことで生じたのか経年的(いつのまにか)に生じたのか分からない。今回のことで生じたとしても、それを取ったところで痛みが取れるわけではない。もし取れれば、全身麻酔のせいか、プラセボのせいだ。(痛みの治療でプラセボは抜きに語れない。むしろ上品なプラセボを用いて上手に治療するのが優秀な治療者だ。この点が医師の苦手とするところか。すぐに、エビデンスは?とかいう。)

そして、悲観的な予測を告げることがある。「軟骨が相当いたんでいますよ、当分は安静に、これ以上になると人工関節ですよ」とか。

レベル1~2程度のケガに対して最近は厳重な安静より、動かす、温めることが推奨されている。スポーツ選手がPRP療法を受けるのはこのような傷に対してであると思う。慢性痛に対してではない。局所麻酔でこれと同等、あるいはそれ以上の効果があるかもしれない。

痛みの治療と損傷の治療は別問題なのだ。慢性痛は損傷が治癒したと思われる時期を経ても(3か月)続く痛みのことで、痛みそのものが治療の対象となる。最初から痛みの治療をしっかりすれば慢性痛になりにくい。

軟骨の再生医療って、原因でない軟骨を再生させてどうするの?体重の3~5倍の圧が加わる軟骨が本当に再生するの?痛みの治療で100%ってありえない。何百マンもかけてよくならないこともあるだろう。個人経営では到底できないことだ。グループで顧問弁護士を付けて、誓約書を書いてやらないと。それにしてもヤバい仕事だ。数百マンに頓着しない人にかぎる。



症例・私の妻(77歳)個人経営の医院では妻に対しては保険診療ができない。だから何の縛りもなく治療できる。プラセボが効けばなおよい。

*ある日、ゴルフ後、膝が痛い。内側広筋に圧痛あり。数日圧痛部位に局所麻酔を打つ。今は全く痛くない。

*園芸中、つまづいて後ろ向きに転倒。右肩を強打。ほとんど動かせない。骨頭下骨折(外科系骨折)、腱板損傷、関節ひだ損傷(大谷さん)などを想定したが、高齢者は骨折以外はよくある変化で、あったとしても痛みの治療が大切だ。安静にすることでいわゆる五十肩となり、苦しむことになる。

私は数日間、三角筋の前後の圧痛点数か所に局麻を注射した。1Wで日常生活にほぼ影響がないまでに回復した。2Wでゴルフ可。

これは妻だからできることだ。「MRIを撮ったら腱板損傷があって、動かしたらだめなんだって」なんて言われるかもしれない。じゃあ、動かさないように3Wほど三角筋でうでを吊っていたら五十肩になるだろう。腱板縫合の手術を受けてもしばらくは安静にしてリハビリを受けて回復には相当かかる。実際に腱板損傷の手術を受けて、慢性痛に苦しんだ人を経験したことがある。


by junk_2004jp | 2024-12-15 06:34 | 慢性痛


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