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心療整形外科

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2025年 07月 03日

私とは意見が違う

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2024年12月作成

監修は脊椎脊髄が専門の整形外科教授です。製薬会社から頂いたパンフレットです。
ご迷惑がかからないように名前は黒塗りしました。
内容は日本整形外科学会ホームページ、日本脊椎脊髄学会ホームページに書かれている内容と同じです。多くの医師はこのように考えているのだろうと思います。

私とは意見が違います。
邪馬台国の畿内説、九州説は実生活に影響はありませんが、この脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアの説は多くの人に影響があります。

冊子に書かれているのは「脊柱管狭窄症は脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されて炎症を起こすことで痛みが生じる。」「椎間板ヘルニアは髄核に神経が圧迫されるため痛みが生じる」

私の説を仮に「ポリモーダル説」とします。(ポリモーダル侵害受容器は痛覚神経の先端についている)

この冊子に書かれている、学会のHPに書かれている説を「神経根説」としましょう。

私が開業したころは痛みの生理学がまだ未発展のころでした。脊柱管狭窄症という病名はまだ教科書には登場していませんでした。

椎間板ヘルニアも擬陽性とか偽陰性があり何だか怪しげな病態でした。大学にも県立中央病院にもMRIはありませんでした。

大学ではヘルニアや狭窄症の手術は見た記憶はありません。

インターネットが来るまでは多くの医師は私と同じ「ポリモーダル説」だろうと思っていました。少なくとも「神経根説」と学会を二分するだろうと思っていました。ところが未だに多くの医師は「神経根説」です。私はここがとても不思議に思うところです。

「神経根で起こった痛みの信号は脳に行く、脳はその痛みの信号は神経根から来たとは判断しないで背中や腰やお尻や下肢から来たと誤認している。」ということですね。これでは腰やお尻や下肢にある圧痛点を説明できないです。

あるいは、ヘルニアや狭窄があると先端にあるポリモーダルが過敏になるということを生理学的に、統計学的に説明しなければいけません。

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの手術をしたがよくならない、あるいは診断を受けたがよくならない人をたくさん診てきました。

痛みの悪循環

そもそも「神経が圧迫を受けると痛みやしびれが生じる」という生理学がありません。

ポリモーダル侵害受容器で生じた痛み→防御的脊髄反射で筋肉の緊張と痛み→動かさない、不安、睡眠障害→痛み

中枢性感作(痛覚変調性疼痛=慢性痛)

「覚変調性疼痛」=「慢性痛の一部」は最近よく使われる痛み学の専門用語です。慢性痛2315万人。

腰、膝、肩頚など部位によって痛みのメかニズムが異なることはありません。

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この2つの図はリリカという薬剤のコマーシャルからです。

神経がこのようになるとまずマヒが生じます。マヒとは痛みと逆の現象です。ハネムーン麻痺、腓骨神経マヒ(下垂足)、尺骨神経マヒ(下垂手)など。

この傷ついた神経の部分に新に侵害受容器ができたり、交感神経や痛覚神経と交叉したりすることがある。CRPSⅡ、幻肢痛、カウザルギー。

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアによる痛みをこれで説明するのはいかがなものはと思う。

まずマヒが生じそのうちの〇%が痛みが生じる、ということになる。その痛みは手術で治るというレベルのものではきない。その痛みをCRPSⅡという。

下肢上肢を切断した人の何パーセントに幻肢痛が生じるのだろうか。

神経障害性疼痛でヘルニアや脊柱管狭窄症で痛みが生じていると説明するのは間違いだと思う。


by junk_2004jp | 2025-07-03 23:59 | ヘルニア脊柱管狭窄症の矛盾


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