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心療整形外科

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2025年 09月 07日

ストレスと痛み

60歳、男性

「昨日より、急にお尻が痛くなりました。」立ちすわり、歩行がつらい。
「何か原因となる出来事はありませんでしたか、前日も含めて?」
「何も思い当たることはありません。前にもこんなことが何回かありました。先生のところに来るとすぐ治るんですよ。」

私は記憶がありません。

お望み通り、痛い臀部の圧痛部位に局所麻酔を注射するとよくなりました。

「たぶんストレス反応だと思いますよ。何もしないのに激痛なんて、ストレス以外に考えられないのですが。」

「ストレス?私はストレスに強い方だと思っています。」

「ストレスが脳にでるタイプは不安とか鬱状態になるのですが、体の痛みに出る人もいるのです。」

「お仕事の面でなにか通常と違ったことはなかったですか?」

「そういえば・・・・」

ということで、一件落着してお帰りになりました。

プラシーボ効果も医療のうちです。

ここからは私の想像ですが・・・・

昔、尻もちをついてとても痛かった。この情報は脳のICチップに記憶される。痛みは生命を守る重要な情報ですから、すぐに記憶される。痛みにだんだん慣れることはない。

「心のケガ」に反応してこの情報が発動するのか?

多くの腰痛、頚痛もこのようなことが多いのかもしれない。

急に発症したものでも、急性痛に分類されるべきではないと思う。実質的なケガが想定できない。現在進行形のケガが想定できない。急性期慢性痛、痛覚変調性疼痛というべきかと思う。昔は心因性疼痛といった。

初期の医療を失敗すると、ややこしくなってしまうことも考えられる。

レントゲンを撮り、「5/Sの椎間板がつぶれています、仙腸関節に骨棘がありますが心配ないでしょう。しばらく痛み止めと湿布で様子をいてみましょう。よくならないようならMRIを撮ってみましょう。」

夏樹静子・著 「椅子がこわい」より
私は1993年1月から3年間、原因不明の激しい腰痛と、それにともな奇怪と感じられるほどの異様な症状や障害に悩まされた。私は心身ともに苦しみ抜き、疲れ果て、不治の恐怖に脅かされて、時には死を頭に浮かべた。
最終的には断食療法などで脱出しました。慢性期慢性痛といえるでしょう。




by junk_2004jp | 2025-09-07 09:58 | うつ・不安・ストレス


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