- 「神経が圧迫を受けるとしびれや痛みが生じる。」私は間違っていると思う。
- その代表的疾患として、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、梨状筋症候群、斜角筋症候群、手根管症候群がある。
- これを正当化するには昔のカウザルギー、いまのCRPS2(幻肢痛など)=神経障害性疼痛を持ち出さなければならなくなる。いかに馬鹿げているかわかるかな。
- 健常人でも椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は普通にみられる。
- 私は「痛覚変調性疼痛」だと思っている。外傷が引き金になることもあるが、ストレスが原因の筋筋膜性疼痛症候群だと思っている。検査したらたまたま見つかったヘルニアや狭窄が原因と誤診されたというところだ。その方がよほど理にかなっていてすっきりしている。
- 私の患者さんには頚や腰の手術痕のある人が少なくない。複数回の人もいる。
一方神経が強く圧迫を長く受けると、次のようなマヒが生じることはよく知られている。痛みでもしびれでもない。
- ハネムーン麻痺は橈骨神経麻痺で下垂手、手背拇指側に知覚マヒ。
- 腓骨神経マヒは膝裏でギプス圧迫などで起きる。下垂足、足背に知覚マヒ。
先日、TVで名医紹介のような番組で、打腱器と画像でしびれの原因をズバリ診断するという内容をやっていた。下図をデルマトームというが、たとえば、L5/S1から出る神経はどの部分を支配しているかを示している。そういう説明をしていたように思う。私はバカバカしいのでチャンネルを変えたのだが。
東京駅を脳だとすると、知覚神経は金沢→東京は上りになる。運動神経は東京→金沢は下りになる。長野あたりで浸水などのトラブルがあったら、金沢発の電車は東京につかない。東京発の電車は金沢につかない。これがマヒだ。
上りと下り、交感神経は同じケーブルを利用しているが混線することはない。
「痛み・しびれ」は「自覚症状」で「神経マヒ」は「他覚所見」
「痛み・しびれ」は電車が東京に到着しているのだ。痛みは金沢の線路近くで山火事が起きたとか、がけ崩れが起きたとかの東京駅で鳴り響く警報なのだ。その危険が去ったのに警報が鳴りやまないのが慢性痛だ。
マヒ=知覚鈍麻~脱失、しびれ=異状知覚、ジンジン
この二つを専門医でさえ区別できていない。
皮膚を縫うとき局所麻酔を打つが「しびれている」と表現してもおかしくない。
綱引き、腕相撲、長時間の立位や歩行で手や脚がしびれる。
s30年ごろ雪国の子供、長靴や手袋に雪が入り、指先がジンジンしたものだ。これもしびれなんだろう。ストーブで急に温めると火照った感覚になった。
TVの次の日、「足裏が1年ほど前から、しびれている」と患者さんがきた。「昨日、TVをみましたか?」と聞いた。「いいえ」ということで安心した。
腓腹筋の外側と土踏まずのいくつかの圧痛点にトリガーポイント注射をして、しばらく筋膜リリースガンをあてた。
「少し楽になりました」「この辺の筋肉が凝っていたのでしょう」
手指の場合は前腕の屈側のコリ。
手根管症候群は本当の正中神経マヒの場合もあるが(筋委縮がある)、多くは手を振ると改善するのでうっ血症状か、筋筋膜性疼痛症候群だと思う。