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心療整形外科

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2005年 12月 22日

混沌とする疼痛疾患

メディカル・リテラシー

木村晋介弁護士の場合
この2年間、ひどい腰痛に悩まされていたんです。マッサージ、ハリ、お灸など、いろんなことを試しても治らない。さまざまな病院にも行って、ありとあらゆる検査をしても原因は不明。でも猛烈に痛む。ある時は七転八倒するほどの痛みとなって、救急車を呼んだほどでした。それが最近になって、「神経性の腰痛には抗うつ剤が効く」という新聞記事を目にして、これかもしれないと思って友人の医者に試してもらったんです。

神経性腰痛という部分が問題ですね。たまたまヘルニアが見つかったら、「ヘルニアで痛い」ということで手術になったかもしれません。

原因不明ということがますます不安を強くして治りにくくなるものです。この症例は話を聞いただけで全部分かりますね。万が一に悪性腫瘍がないか検査をされたらいいでしょうが、あくまでも念のためにです。画像診断はいつの場合も除外診断であって積極的な診断ではないのです。

心理・社会的(不安、怒りなど、ストレス)が原因となった筋・筋膜性疼痛症候群だと思います。初期に適切に対応すれば展開は違ったかもしれませんね。後からはなんとでも言えるものなのですがw。

一方、みのもんたさんの場合
みのは現在TBS系=CBC「みのもんたの朝ズバッ!」、日本テレビ系=中京テレビ「午後は〇〇おもいッきりテレビ」など週8本のレギュラーをこなす多忙ぶり。4月に腰の痛みを感じ、病院へ行ったところ「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」と診断された。しかし、最近、あらためて診察を受け、脊椎管狭窄症と診断されたため、手術を決意。来年1月4日に手術を受け、しばらくレギュラー番組は休養する。早ければ1月中旬には復帰するという。


「神経性の腰痛(心因性の腰痛)があるのは知っている。」整形外科医はいうでしょう。また、患者さんのほうも、「心因性の腰痛があることは知っていますが、私の場合はMRIで、ヘルニアがみつかったので心因性の腰痛ではないと思います。」

ここを突破することがいかに難しいことか。その上、痛みはプラセボ効果が特に期待できるから、治療者はますます独自の考えにのめりこんでいく。

生理学的に説明不可能でもおかまいなしで手術する。

痛みに対して、伝統的な整形外科的診断法は間違いなのです。SLR(ラセーグテスト)やスパーリングテストを神経学的なテストだといっているのだから、お分かりでしょ。

いかにして、ここのところを突破するかですが、一挙に「心理・社会的なこと」といったところで理解は無理ということです。

「圧痛点」「トリガーポイント」「筋痛症」「筋・筋膜性疼痛症候群」このあたりが突破口になるのでは。

by junk_2004jp | 2005-12-22 12:14 | 医療不審


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